「あんぱん」脚本家が“1番書きたかったこと”に目からウロコ! すべては聡明なお子様のおかげ…

桧山珠美 TVコラムニスト
更新日:2025-08-28 15:25
投稿日:2025-08-28 15:25

第22週「愛するカタチ」#109

 ある日、嵩(北村匠海)にファンレターをくれた小学生の佳保が、祖父の砂男(浅野和之)と柳井家にやってくる。笑顔で迎えるのぶ(今田美桜)と嵩だったが、ニコリともせずに辛辣な言葉を投げる佳保に、2人はタジタジに。

 佳保が映画の話などで蘭子(河合優実)と意気投合する中、砂男はのぶと嵩に佳保のつらい出来事を話し、嵩の詩集に救われたと感謝を伝える。

【こちらもどうぞ】「あんぱん」八木(妻夫木聡)と蘭子(河合優実)カップル、オトナの視線の絡み合い…朝から見ていいんですか?

【本日のツボ】

目からウロコ! 脚本家・中園ミホが1番書きたかったこと

 ※※以下、ネタバレあります※※

 ついに登場しました。脚本家・中園ミホの分身である中里佳保が。演じるのは、のぶの子ども時代を演じた永瀬ゆずな。見事に現代っ子になりきっていて、同一人物だと気づかない人もいたようです。

 中園先生がやなせたかしとの縁について、何度か語っているのを見て、この日が来ることは予想していましたが、がっつり1話分まるまるやるとは意外でした。

 ここまで22週に渡って、毎日、「あんぱん」を見てきたわけですが、中盤当たりから、ストーリーに「?」と感じることもままあり、どうしたものかと思っていました。

 なんといっても、あの「おむすび」の後、しかも、やなせたかし夫妻のお話ということで期待が大きかったぶん、徐々にそれがしぼんでいくのは辛くもあり……。最近では次回の「ばけばけ」を待ち遠しく思う今日この頃だったわけです。

 嵩の「あんぱんを配るおじさん」はずっとラフスケッチだけで、一向にアンパンマンになる気配もなく……。仕事は順調で、収入もそこそこあるはずなのに、なぜ、オンボロアパート(トイレは外、風呂なし)を出ないのかにいつまでもいるのか。

 それらのギモンが本日すべて解決しました。結局、「あんぱん」のなかで中園さんが1番書きたかったのが、このエピソードだったのだな、ということ。

桧山珠美
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TVコラムニスト
大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。放送批評誌「GALAC」、日刊ゲンダイ「あれもこれも言わせて」などで連載中。

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