吉沢亮が「国宝」級に美しい…隠れた名作5選。伝説級漫画の実写化で見せた“危うい”笑顔にゾクッ

zash
更新日:2025-09-02 11:45
投稿日:2025-09-02 11:45

『リバーズ・エッジ』(2017)

 2017年、ある程度のキャリアを重ねてきた吉沢さんは、演技の幅を広げるべく挑戦的な役柄に挑むようになります。その代表格と言えるのが、『リバーズ・エッジ』でしょう。

 同作は、90年代にカリスマ的人気を誇った伝説的漫画の実写化。古いビデオを彷彿させる映像で、若者たちの生と死についてリアルに描き出す作品のなかで、吉沢さんはゲイの青年・山田一郎役に扮しています。二階堂ふみさん演じる若草ハルナと、ある秘密を共有し、恋とも友情とも言えない関係性を構築していきます。

 本作における俳優・吉沢亮の美しさが最も際立つ瞬間。それは、内に秘めた狂気を滲ませた瞬間だと筆者は考えます。本作の吉沢さんは、終始、退廃的なオーラを醸し出し、何を考えているのか、どこを見ているのかさえ分からない表情。そんな吉沢さん演じる山田が、恋人のフリをしていた女子生徒の死を目の当たりにした瞬間、満面の笑みを見せるのです。

 この時の吉沢さんは一層の輝きを放ち、その危うさを漂わせた笑顔には、思わず目が釘づけになってしまいます。抗うことのできない美しさとはまさにこのことだと実感させられること請け合いです。

『青くて痛くて脆い』(2020)

 その美しさと演技力を武器に、人気俳優の地位を欲しいままにするようになった吉沢さんですが、決して安易な作品選びをしないことでも知られています。
2020年の『青くて痛くて脆い』では、そんな吉沢さんの俳優としての心意気を感じさせる演技を堪能できます。

 吉沢さん扮する大学生の田端楓は、他人との距離を保つことで、上手く生きてきた青年。ある日、彼は周囲から浮いている個性的な同級生・秋好寿乃(杉咲花)と出会います。彼女と共に、世界をより良くするためのサークル「秘密結社モアイ」を作ることになった楓の人生は良い方向へと向かうはずでした…。大学生は大人になる一歩手前。まだまだ青くて脆くて、痛みを伴う生活を送らなくてはなりません。

 前述のように、吉沢さんの美しさが最も際立つ狂気めいた魅力が本作でも遺憾なく発揮されているのです。

 本当は自分の正直な感情を表に出したい。けれどもなりたい自分にはなれなかった。そのもがきが狂気となり、吉沢さんの緩急自在の演技を呼び起こします。

 狂気めいた鋭い眼差しを杉咲花さん演じる寿乃へと向ける姿、闇堕ちし復讐に走る姿、そしてストーカー紛いのことを繰り返す姿…そんなメンヘラ粘着質な演技が逆に美しさを醸し出しているのです。

 危険な香りを漂わせた男がカッコ良く映ることはよくありますが、たとえ普通に近くにいたらとことんキモすぎる男を演じていたとしても、その要素がより美しさを助長させるなんて…そんな俳優は、この世に吉沢さんしかいないのではないでしょうか。

子どもの頃から培ってきた映画、海外ドラマ、特撮、アニメの知識を活かして活動中。各媒体でコラム、取材レポート、インタビュー記事を執筆する他、雑誌やマスコミ用リリースへの寄稿も行っている。

関連キーワード

エンタメ 新着一覧


「あんぱん」清(二宮和也)は出る出る詐欺じゃなくて一安心。岩男とリンはやっぱり“チリンの鈴”だった
 銃撃された岩男(濱尾ノリタカ)は、嵩(北村匠海)にリンはよくやったと言って息絶える。八木(妻夫木聡)は、リンは親のかた...
桧山珠美 2025-06-19 17:28 エンタメ
『バチェラー6』第5話を正直レビュー。自然体の笑顔をやっと見れた。で、なんで突然キスした?
『バチェラー・ジャパン』シーズン6を、シリーズの大ファンである筆者が、正直にレビュー。今回は第5話。もう折り返しなんて早...
中村未来 2025-06-19 06:00 エンタメ
令和ロマンくるま、吉本退所でも絶好調の今。もう一度「M-1」優勝を狙ってみてはどうか
 4月末で吉本興業との契約を終了した令和ロマン高比良くるま。一時期活動休止していたが、5月末には復帰。現在、精力的に活動...
帽子田 2025-06-19 06:00 エンタメ
『バチェラー6』第4話を正直レビュー。石森さんまさかの本命? みんな久次米さんの魅力をもっと伝えて~!
『バチェラー・ジャパン』シーズン6を、シリーズの大ファンである筆者が、正直にレビュー。今回は第4話。ホワイトローズを受け...
中村未来 2025-06-18 06:00 エンタメ
奥平大兼、世間とのギャップに戸惑い「僕のプライベートを見たら驚くと思う」悩んだときの考え方は?
 長澤まさみさんと共演した映画『MOTHER マザー』でのデビューに始まり、映画やドラマで常に心に残る芝居を見せている奥...
望月ふみ 2025-06-18 06:00 エンタメ
田中圭ショックか?木梨憲武、玉木宏ら「夫婦円満」をアピールするイケメンたち。向井理も丸くなった
 サントリー「角瓶」のCMが新しくなりましたね。「♪ウィスキーがお好きでしょ」の歌をバックに、バーテンダーの井川遥と客の...
「あんぱん」嵩(北村匠海)と健ちゃん(高橋文哉)コンビが心強い。岩男には“嫌な予感”しかない…
 嵩(北村匠海)は、絵の才能を見込まれ宣撫班勤務を命じられる。宣撫班では紙芝居を見せていた市場でひと騒動があったといい、...
桧山珠美 2025-06-16 16:45 エンタメ
前田敦子の「アイドル否定発言」に物議。卒業後に佐藤健と撮られても、現役時は“偶像”を演じきったプロなのに
 先月、『突然ですが占ってもいいですか?』(フジテレビ系)に出演した元AKB48の前田敦子。番組内で「『アイドルになりた...
堺屋大地 2025-06-16 06:00 エンタメ
ジュニア退所は「timeleszのせい」…何かと荒れるタイプロ界隈、それでも彼らは“必要だった”といえるわけ
 6月2日、STARTO ENTERTAINMENT(旧ジャニーズ事務所。以下、SE社)のジュニア内グループ・Go!Go...
こじらぶ 2025-06-23 18:09 エンタメ
「あんぱん」戦場での緊迫シーンにホッ。嵩(北村匠海)らの“偶然の再会”、まるでドラマみたい…は禁句です
 小倉連隊に動員が下令され、嵩(北村匠海)は中国に行くことに。出発前日、嵩はひとり星を眺める八木(妻夫木聡)にこれまでの...
桧山珠美 2025-06-16 16:27 エンタメ
【話題】岸田文雄氏、“元総理系YouTuber”がトレンド入り「辞めてからのほうが楽しそうだな」「なんか複雑」賛否の声
 Xはじめ、さまざまなSNSで発信活動を行っている第100・101代内閣総理大臣の岸田文雄元首相。6月12日に岸田元首相...
『バチェラー6』第3話を正直レビュー! いまだ久次米さんのツボがわかりません。決め手は「LOVE」より「自然体」なのか? となると…
『バチェラー・ジャパン』シーズン6を、シリーズの大ファンである筆者が、正直にレビュー。今回は第3話です。村岡さん、河地さ...
中村未来 2025-06-13 06:00 エンタメ
黒谷友香、50歳目前で感じる“服選び”の変化「ファッションは失敗してもいい」ステキでいられるコツとは?
 高校在学中から雑誌のファッションモデルとして活動を開始し、俳優に転身後、ドラマ『はみだし刑事情熱系』『ハンチョウ〜神南...
望月ふみ 2025-06-13 06:00 エンタメ
『バチェラー6』第2話 正直レビュー。劇的なデート、私たちはこれが見たかった! でも黒澤さんは恋してる?
『バチェラー・ジャパン』シーズン6を、シリーズの大ファンである筆者が、正直にレビュー。今回は第2話です。  前回、...
中村未来 2025-06-12 14:53 エンタメ
「あんぱん」嵩(北村匠海)まさかのスピード出世! …で、階級“乙幹”ってなに?
 厩舎で居眠りしてしまったものの、神野(奥野瑛太)に頼まれた島(横田栄司)の取り計らいで受験できた嵩(北村匠海)は、乙種...
桧山珠美 2025-06-16 16:27 エンタメ
ミセス大森元貴と鎮西寿々歌、匂わせ投稿が話題だが…どこから“共通点”を特定する? 相手を許せないファン心理
 人気バンド「Mrs.GREEN APPLE」のボーカルでギターの大森元貴(28)と、アイドルグループ「FRUITS Z...