業界人「あの子、お気に入り枠だから」の噂。芸能界に渦巻くタレント達の“自尊心と屈辱”のはざま

おがわん ライター
更新日:2025-09-09 11:45
投稿日:2025-09-09 11:45

真偽不明の噂に現場の空気は一変

「この子、社長のお気に入りだから」

 そういう一言を、私は何度となく耳にしてきた。現場に漂う空気は一瞬で変わる。誰もが口には出さないが、そこには「愛人枠」という言葉が透けて見える。

 もちろん公式にはそんなものは存在しないし、事務所も関係者も否定するだろう。でも、当事者たちの会話の端々に、噂の断片が滲み出てしまうのだ。

 ある新人タレントの話を聞いたことがある。彼女はオーディションで合格を勝ち取り、いざ撮影の場に立った。

 しかしそこで待っていたのは、想像していた華やかな演技や撮影ではなく、妙な“待遇”だった。まだほとんどテレビにも出ていないのに、他の新人より衣装もメイクも優遇され、マネージャーすら口を挟めないほどの「特別扱い」。

 業界の先輩たちは冷ややかに言った。「あの子、愛人枠だから」。

 もちろん、真偽は誰にも分からない。だが現場の空気が「そういうこと」だと納得してしまっているのが恐ろしいのだ。誰も確かめない。確かめられない。でも、なんとなく分かってしまう。

【読まれています】元タレントが見た過酷な現実。芸能界で“誰かのお気に入り”になった女と拒んだ女の分かれ道

ささやかれる噂

 一度、飲みの席でベテラン俳優が笑いながらこう言ったことがある。「あの役、オーディションなんて建前だよ。結局は誰に気に入られるかだから」。冗談のように聞こえるが、周りの誰も笑わなかった。

 むしろ、妙に現実的な重みがあった。彼自身も、その“掟”を見てきたのだろう。

 枕営業という言葉は、都市伝説のように語られる。しかし、現場にいると「噂」だけでは片づけられないほどリアルに聞こえる瞬間がある。

 楽屋でのひそひそ話や、飲み会での「察して」という視線。誰もはっきり言わないのに、全員が同じことを理解している。そんな空気に触れるたび、背筋がひやりとする。

 実際に「愛人枠」と言われる子たちは、急に仕事が増えたり、いきなり主役級の役を任されたりする。

 そのスピード感は、努力や才能だけでは説明できないように見えることもある。もちろん、純粋に実力でのし上がる人もいる。

 それでも、「裏で誰かに気に入られているのでは?」という疑念は消えない。芸能界という場所自体が、そうした疑惑を生みやすい仕組みになっているからだ。

おがわん
記事一覧
ライター
かつてちょっとだけ芸能の世界に所属。現在は縁あって、雑誌やWebメディアなどでライターとして活動中。エンタメ系から日常ネタまで、気になるあれこれを取材。楽しく読んでもらえる文章を目指して、日々ゆるっと執筆中です。

ライフスタイル 新着一覧


「逃げたら干されるぞ」若手芸人が踏み込んだ“後戻りできない”選択。大金と引き換えに失ったキャリア
 世間を揺るがす芸能界のさまざまな噂。ニュースとして報じられ、真実が明らかになることも増えました。  現在は清浄化...
「我が子を可愛いと思えない」産後に心が壊れかけた経験談。私は母親失格だ…なんて思わないで
 出産してから「なんだか最近自分が自分じゃないみたい」などと異変を感じている人は、先輩方の声を参考にしてみるとよいかもし...
義母「うちの子そっくり」にザラつく…。“孫フィーバー”の裏、無視され続けた嫁の叫び。私は透明人間じゃない!
 私の友人サエ(32歳・銀行員)が第一子を出産したのは昨年の冬。待望の赤ちゃんが誕生し、夫婦で新しい生活を始めた矢先、彼...
芸術の秋!美少年“にゃんたま”の曲線美と薔薇にうっとり♡ まるで絵画みたいじゃない?
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
騙された!一見“仕事デキる風”…でも実は? 有能ぶったLINEにご用心。“能ある鷹”の逆パターンも
 世間では仕事ができない風に見えるLINEを送ってくるのに、実は超有能な人材だった話もよくあります。その一方で、本当は無...
【漢字探し】「鰯(イワシ)」の中に隠れた一文字は?(難易度★★★☆☆)
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「校閲婦人と学ぶ!意外と知らない女ことば」では、女性...
母が急病、社長の「帰りなさい」に涙…一生ついて行くと決めたLINE3選。元カレの言葉にホッ
「この人だけはどんな自分も受け入れてくれる」「この人だけは失いたくない」など、絶対的な信頼や必要性を感じる人に出会えると...
【マジかよ】ごま油×ミルクコーヒーに反響。老舗メーカーの“推しレシピ”にネット困惑「ヤバそう」「勇気でない」
「金印純正ごま油」などで知られる老舗メーカー「かどや製油」。企業公式X(旧Twitter)が2025年10月1日に投稿し...
「夜職だって立派な仕事」それ、本気で言ってる? 水商売への “本心”に気付いてしまったスナック嬢の独白
 最近は本当に“キラキラ夜職”が表に出る時代になりましたね。が、私は本当に危ないと思っています。 「そんなことない...
私が『愛の、がっこう。』に重ねた親との苦しい関係。振り返ってわかる“完璧じゃない”からこそ得られたもの
 フジテレビ系で放送されたドラマ『愛の、がっこう。』を観ながら、ふと「わたしの親も、今で言えば“毒親”だったのかもしれな...
スター猫になれるかな? 夢見るハチワレ“にゃんたま”の練習風景をチラリ☆
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
浮気を警戒したら逆ギレ!?  私が「絶対に謝りたくない」と思った瞬間7選。何でこっちが悪者なの?
「仕方なく謝ったけど…これ私、悪くないよね?」誰しもそんな気持ちになったことがあるのではないでしょうか。  今回は...
30代はご褒美ボディケア、中年女は塗り薬まみれ。色気から進化した風呂上りの「おばケア」事情
 女性なら誰でも通る茨の道、更年期。今、まさに更年期障害進行形の小林久乃さんが、自らの身に起きた症状や、40代から始まっ...
定時で帰っていいよ→役立たずってことですか!? 職場で出会った「めんどくさい女」図鑑。扱いに困るよ~
 あなたの周りに“めんどくさい女”はいませんか? 今回は体験談を交えながら、接し方に困る女性の7つのケースをご紹介します...
女性の“性”は「下ネタ」なのか? タブー視する社会に言いたい、語り合うことで生まれる安心感
 性の話題は「恥ずかしい」「隠すもの」とされがちですが、思い切って触れてみると、不思議と距離が縮まります。普段は口にしづ...
45歳、いつになれば楽になる? 自由に生きてるはずの私が、定食屋の秋刀魚で涙を滲ませた理由
 踊り子として全国各地の舞台に立つ新井見枝香さんの“こじらせ”エッセーです。いつでも、いついつまでも何かしら悩みは尽きな...