「俺抜きで楽しく過ごすの?」“君のため”は愛情か支配か。号泣と怒りを繰り返す30歳男のワナ

おがわん ライター
更新日:2025-09-17 11:45
投稿日:2025-09-17 11:45

徐々に見え始めた彼の本性

 しかし、付き合って1カ月ほど経った頃から、タクヤの“優しさ”は少しずつ変質していった。「心配だから」と言って、彼はミサキのSNSを細かくチェックするようになった。

 ある日、同僚とランチに行った写真をストーリーに載せただけで、「誰?男もいるよね?」と詰問。ミサキが「ただの同僚だよ」と説明しても、「心配してるだけなのに、どうして隠そうとするの?」と逆に責められた。

 さらにタクヤはGPSアプリを提案。「浮気防止じゃないよ。ただ、災害とか事件があったとき安心でしょ?」と笑いながら言われ、断るのが悪いように思えて承諾した。

 以降は帰宅が少しでも遅れると「さっきまでどこにいたの?」「なんでルートが違うの?」と逐一報告を求められた。

 友人との予定も制限が増えた。飲み会に行くと言えば「俺を差し置いて楽しく過ごすの?」と不機嫌になり、ついには「夜に出歩くのは危ないからやめて」とまで言い出した。

 最初は“愛されている証拠”だと自分に言い聞かせていたミサキも、だんだんと心が疲弊していった。

優しさと束縛の境界線

 決定的だったのは、ある休日の出来事。ミサキが美容院に行くと伝えると、タクヤは「俺もついていく」と当然のように言い出した。

 さすがに「そこまで干渉されるのはイヤ」と断ると、タクヤは露骨に怒り、「俺がどれだけ君のことを考えてるか分かってない」と責め続けた。その姿に、ミサキは「これは愛情じゃなくてコントロール欲だ」とはっきり気づいた。

 最終的に、彼との関係は3カ月で終わった。別れを切り出したときも、タクヤは「君のためにやってきたのに」と被害者ぶり、泣き落としと怒りを交互に繰り返した。それでもミサキは心を鬼にして連絡を断った。

「最初は本当に優しい人に見えた。でも、あれは優しさの仮面をかぶった支配欲だった。恋人が“心配だから”を口癖に行動を制限してくるときは、気をつけた方がいいと思う」

 そう振り返るミサキの表情は、安堵と少しの苦笑いが入り混じっていた。

“心配”や“愛情”の言葉に隠れたコントロールは、気づけば逃げ場のない檻になってしまう。彼女の体験は、「優しさ」と「束縛」の境界線を見極める大切さを教えてくれる。

おがわん
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かつてちょっとだけ芸能の世界に所属。現在は縁あって、雑誌やWebメディアなどでライターとして活動中。エンタメ系から日常ネタまで、気になるあれこれを取材。楽しく読んでもらえる文章を目指して、日々ゆるっと執筆中です。

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