妊娠、略奪…彼女を捨てた劇団員、地獄の“愛憎劇”の行く末は。衝撃的な知らせに「悔やんでも悔やみきれない」

蒼井凜花 官能作家・コラムニスト
更新日:2025-09-19 11:45
投稿日:2025-09-19 11:45

事実婚、貧しくても情熱的な日々

 その後、2人は「劇団A」を立ち上げた。理沙さんが主宰・脚本家、文哉さんが演出家だ。

「定員15名に対してオーディションに来たのは50名。理沙の脚本が賞を獲り、彼女は一気にカリスマ的存在になったんです。ただ、恋人でありながら彼女を越えられない自分に、男として落ち込むこともありましたね。そんなとき理沙は『あなたのおかげ』と僕を立ててくれる。賢くていじらしい女性でした」

 1年後、2人は高円寺の2DKで暮らし始めた。形式こそ婚姻届を出していないが、いわゆる事実婚だった。劇団Aは下北沢や新宿の劇場を満席にし、貧しくも情熱的な日々が続いた。

運命を揺るがす女性との出会い

 劇団創立から3年後、運命を揺るがす存在が現れる。

「悦子(当時23歳/独身)がオーディションに来たんです。立っているだけで華がある女性で、北関東の資産家の娘なのに奔放さと小悪魔性を秘めていました」

 理沙さんと文哉さん、スタッフらは満場一致で合格を出し、次回公演のヒロインに抜擢した。

 理沙さんは必死に脚本を書き、悦子さんは初ヒロイン作で大反響を呼ぶ。ただし、経営は火の車だ。劇団存続のため、チケットのノルマはもちろん、副業やアルバイトとの掛け持ちも欠かせなかった。それでも、観客の拍手と歓声を浴びると、そんな苦労は一瞬で吹き飛んでしまう。

 劇団はさらに注目され、文哉さんは悦子さんに熱心に指導していくうち、惹かれていった。

 やがて2人は、理沙さんに隠れて恋仲に…悦子さんの入団から1年後のことだった。

「ある日、帰宅するとリビングに悦子がいて、『今日からここに住みます』と宣言したんです。驚く間もなく、理沙は『舞台の成功が最優先。ヒロインの悦子を追い出すわけにはいかないわ』と毅然と言い放ったんです」

蒼井凜花
記事一覧
官能作家・コラムニスト
CA、モデル、六本木のクラブママの経歴を持つ異色の官能作家。近著に「CA、モデル、六本木の高級クラブママを経た女流官能作家が教える、いつまでも魅力ある女性の秘密」(WAVE出版)、「女唇の伝言」(講談社文庫)。
オフィシャルサイトYouTube

関連キーワード

ラブ 新着一覧


“彼が会いに来る女性”と“彼が会いに来ない女性”の違いとは?
「彼がなかなか会ってくれない……」。これがコロナ禍での女性の大きな悩みとなっています。コロナ禍前は週1で会っていたのに、...
内藤みか 2021-07-01 06:00 ラブ
男性からスキンシップする4つの理由&パーツ別の男性心理♡
 男性のスキンシップには、「脈あり」と「脈なし」の両方の気持ちが隠れています。気になる男性からスキンシップされて、「これ...
恋バナ調査隊 2021-06-30 06:00 ラブ
元カレと復縁したい! 本気でヨリを戻すための最善策って?
 彼氏に振られると、つらくてつらくてたまらないですよね。何をするにも別れた彼氏のことを思い出して、何も手につかない。 そ...
若林杏樹 2021-06-30 06:00 ラブ
婚活疲れのオトナ女子に告ぐ!「第3の縁」気が付いていますか
 甘美な欲望に貪欲かつ忠実なオトナ女子に、オススメの作品を紹介する「コクハク」発のBOOKレビュー。今回は婚活疲れでヘト...
内埜さくら 2021-06-29 06:00 ラブ
恋愛で傷つくのが怖い…そう感じる5つの原因&脱出方法は?
 恋愛がしたくても「傷つくのが怖い」という理由で、恋愛から遠ざかっている人が少なくありません。でも、「このままだと、いつ...
恋バナ調査隊 2021-06-28 06:00 ラブ
人生なんとなく不安症候群!?漠然とした不安を払拭するには
 劇的な不幸が襲ってきたわけではないけれど、ずーっと漠然とした不安が目の前にずっとある。そんな「人生なんとなく不安症候群...
七味さや 2021-06-28 06:00 ラブ
“オカン化”してない?彼から恋愛対象外にされる理由&対処法
 恋愛中の女性がやってしまいがちなのが、彼氏にあれこれ世話を焼いて「オカン化」してしまうこと。一見、オカンのように慕って...
恋バナ調査隊 2021-06-27 06:00 ラブ
どうして?自宅に招いた途端に音信不通になった彼に悩む女性
 男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人...
並木まき 2021-06-26 06:46 ラブ
別れ話をしなくちゃダメ?男性が突然連絡を絶った意外な理由
「冷酷と激情のあいだvol.44〜女性編〜」では、自宅に招いた途端に音信不通になった恋人に対して戸惑う女性・Hさんの叫び...
並木まき 2021-06-26 06:28 ラブ
純粋さが胸を打つ♡ バカップルの天然すぎる爆笑LINE5選!
 他人のカップルのLINEを覗く機会って、少ないですよね。今回は、そんなLINEの内容を偶然知ってしまった友人が思わずシ...
別れ話を切り出された…対応を誤ると“悪夢”は突然やってくる
 男女問題研究家の山崎世美子(せみこ)です。彼との関係がしっくりといかない……倦怠期? 嫌われた? と薄々気づいていなが...
山崎世美子 2021-06-26 06:14 ラブ
男性のヒゲから読み解く深層心理&性格♡ 彼はどのタイプ?
 あなたは、男性のヒゲが好きですか?「ヒゲは不潔なイメージがあるから苦手」という人や「ヒゲの生えている男性のほうがワイル...
恋バナ調査隊 2021-06-25 06:00 ラブ
“体の相性”が良いってどういうこと? 判断する5つのポイント
 女友達と赤裸々に恋愛トークをしている時、彼氏との“体の相性”について話すこともあるのではないでしょうか? でも、中には...
恋バナ調査隊 2021-06-25 06:00 ラブ
積極的だと逆効果? “恋愛やりすぎアプローチ”7選&注意点
 女性から男性にアプローチするのは、とても勇気がいること。本気だからこそ「絶対に彼を振り向かせたい!」と、意気込んでいる...
恋バナ調査隊 2021-06-24 06:00 ラブ
元カレと比べてない?彼氏ができない人の残念な思考パターン
 近ごろ出会った男性とデートをしてもいまいちピンと来ない——。自分の感覚を信じるのはすごくいいことなんですが、歴代彼氏や...
若林杏樹 2021-06-23 06:00 ラブ
デートを断られた…脈ありor脈なしを見極めるポイント&対策
 女性からデートに誘うのは、とても勇気がいること。思い切って誘ったのにも関わらず、あっさりと断られてしまったら、多くの人...
恋バナ調査隊 2021-06-23 06:00 ラブ