更新日:2025-10-22 09:35
投稿日:2025-10-22 08:45
心身を立て直すまでに1年以上
その後、美咲は事務所を辞め、しばらく地元で静養した。SNSも削除し、芸能関係の知り合いとも距離を置いた。心身を立て直すまでに、1年以上かかったという。
それでもKさんは「娘が生きて帰ってきてくれたことが救いだった」と語る。
「同じように夢を追ってる子がたくさんいると思うんです。だからこそ伝えたい。あの世界は、才能や努力だけではどうにもならないことがあるって。娘の体験を“噂話”で終わらせたくないんです」
芸能界の闇は、当事者だけでなく、その家族までも飲み込む。娘が流した涙の裏には、母親の知らぬ苦しみがあり、その母親の涙の裏には、「信じて送り出した自分への後悔」がある。
生きててくれたから、それでいい
美咲は今、地元で会社員として働いている。芸能界の話を自ら語ることはないが、Kさんいわく「ようやく笑うようになった」とのこと。
「でも、テレビで“夢を追う若者”の特集を見ると、私はチャンネルを変えてしまうんです。あのときの娘の顔が、どうしても浮かんでしまって…」
夢を叶えるはずの世界が、人の心を壊すことがある。華やかなライトの裏で泣く人の存在を、私たちはどれほど想像できているだろうか。
「うちの子は、もうテレビには出ないと思います。でも、それでいいんです。生きててくれたから」
Kさんはそう言って、静かに笑った。その笑顔の奥には、まだ消えない痛みがあった。
関連記事
ライフスタイル 新着一覧
(日刊ゲンダイ臨時特別号「日刊ニャンダイ2023」記事を再編集)
※「日刊ニャンダイ2023」はAmazonでも好...
新しい年のはじまりや誕生日をきっかけに「日記を書こう!」と決意したものの、三日坊主……なんて経験はありませんか? 可愛...
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
「きっと長い付き合いなんだろうな」と思わせる、1匹と1人のいい距離感。
ゆっくりと歩いていたけど、どちらがどちら...
生理中は、なにかと不快感や悩みも伴うもの。特に、生理中のお風呂問題で困っている人は多いかもしれません。
今回は「温...
ステップファミリー6年目になる占い師ライターtumugiです。私は10代でデキ婚→子ども2人連れて離婚→シングルマザー...
妊活中は、毎月のストレスに心が折れたり、神経質になったりと、ただでさえ神経が過敏になっていますよね。実の親や、旦那の両...
北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
推し活というと一昔前まではオタクなイメージでしたが、今では老若男女がハマっている趣味のようなもの。推しがいない人にとっ...
結婚して数年目にもなると、だんだんとナアナアになってくるのがお互いの誕生日。まあ、毎年相手の欲しい物を考えるのも大変で...
親への不満や悩みは、なかなか周りへ相談しづらいもの。そのため、毒親を持つ人の問題は水面下で深刻化しがちです。
...
2023-02-18 06:00 ライフスタイル
大都会で空の筋雲を眺めている人は何人いるだろうか。
高層ビルを見下ろしながら考える。
実は広い大都会の...
職場で無理なことを頼まれたら、あなたはちゃんと断ることができますか? 断り切れず受け入れ続けていると、「都合のいい人」...
自信をつける方法はいっぱいありますよね。意外なこともあれば、まあそうだよなという無難なものまで多種多様なので、絶対の正...
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
最近どんどん増えているメンズコンセプトカフェ(通称「メンズコンカフェ」、さらなる省略形が「メンコン」)。秋葉原や池袋か...
















