BLドラマで再起図る手越祐也 「ぼくたちん家」異色のキャスト×新人脚本家で挑む日テレ攻めの一手
思い切ったキャスティングが功を奏するか。10月12日にスタートする連ドラ「ぼくたちん家」(日本テレビ系=日曜夜10時半)の話。主演は及川光博(55)で、及川の相手役を務めるのは元NEWSの手越祐也(37=写真)だ。
動物飼育員の波多野玄一(及川)は恋愛対象が男性の、いわゆるゲイの心優しい50歳。そんな波多野が中学校教師の作田索(手越)、トーヨコに入り浸る中学3年生の楠ほたる(白鳥玉季=15)に出会い……「笑って、泣いて、笑っちゃう 奇妙なホーム&ラブコメディ」というのが「ぼくたちん家」のあらすじ。
「男性と男性の恋愛を描いたいわゆるBLもの。ドラマ制作発表時には、手越さんを及川さんの相手役に抜擢したという思い切ったキャスティングが業界内でも話題になりました。手越さんに俳優のイメージを持つ視聴者はそう多くないですからね。30代、ほかに多くの手だれ俳優がいる中、手越さんをあえて起用したのは吉と出るか凶と出るか」(エンタメ誌編集者)
手越は2005年公開の映画「疾走」では主演を務め、《意外に演技うまくて驚いた》という口コミも。その後もいくつかのドラマに出演し、主演作もあるのだが、どうしてもアイドルとか“チャラ男”のイメージが強く、俳優としての認知度はそう高くはない。何より2020年に旧ジャニーズ事務所から独立し、長らく地上波から遠ざかっていた。再起に向けたプレッシャーものしかかる。
「だからこそ『ぼくたちん家』を新鮮な思いで見ることができる人が多いかも、とは思います。さらに、BLものといえば夏のテレ東深夜ドラマ『40までにしたい10のこと』が良作で、多くの視聴者の心を掴んだばかり。ひと昔前なら《BLは苦手》という人もいたでしょうが、ハードルは下がり、『40までに』のヒットでむしろ追い風が吹いている状態。なので、タイミングもいい」と話すのはドラマウオッチャーで芸能ライターの山下真夏氏だ。
また、ある脚本家からはこんな声も。
「原作なしのオリジナル、というだけで脚本家としては期待値が上がる。しかも今回の脚本家の松本優紀さんは日テレシナリオライターコンテストで審査員特別賞を受賞した新人作家。外したくない一心で実績ある大物脚本家を起用する流れが完全に変わったとは言いません。が、この数年は少しずつ新人脚本家のオリジナル作品で勝負、という意欲作が増えてきている」
日テレ系日曜ドラマ枠といえば、2018年には賀来賢人(36)主演「今日から俺は!!」、2019年には原田知世(57)、田中圭(41)主演の「あなたの番です」、2023年には安藤サクラ(39)主演「ブラッシュアップライフ」など多くの人気ドラマを輩出している。
「作品によって当たり外れが多い、なんて声も聞こえてくる枠ではありますが、この枠のドラマを楽しみにしている固定ファンは少なくない」(前出の山下真夏氏)
日テレにとっては攻めの一手になりそうな「ぼくたちん家」のTVerのお気に入り登録数は、10日現在で18.7万とジワジワ上昇中。「40までに」のように口コミで驚異的な伸びを見せるドラマとなるか。
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7年ぶりのドラマ出演となった手越祐也。関連記事【もっと読む】7年ぶりドラマ出演の手越祐也が地上波続々復活 YouTube苦戦もテレビでは「チャラ男キャラ」に需要アリ…では、本人の“復活ぶり”について伝えている。
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