『大脱出3』が示した“地上波じゃ絶対無理”なお笑いの可能性。攻めたバラエティの生存戦略とは

小政りょう ライター
更新日:2025-10-26 11:45
投稿日:2025-10-26 11:45

下ネタ、タバコ…地上波ならクレーム殺到

 体が埋まるクロちゃんや、お金や食べ物を粗末にする様、糞尿を垂れ流すなどの下ネタ、タバコ……。『大脱出』シリーズには、地上波であればクレームが殺到するであろう描写や表現が数多く見られます。

 一方で、多少の見苦しい場面はあれど、時代のリミッターから外れた爆発的な笑いを提供してくれていることは確かです。有料のサブスクだからこそできる、見る人を選ぶ番組であることでしょう。

 見たくない場面があれば、見ないという選択ができますし、もし見苦しい場面があったとしても見ることを選んだのは自分自身だという責任感もあり、特に作品に対して怒りはわきません。

時代遅れの「水着女子の騎馬戦」が生き残る道

 先日、2016年にTBS系地上波で放映され、話題を呼んだ『芸人キャノンボール』が、U-NEXTに場所を移して復活するということが発表されました。『芸人キャノンボール』は、『大脱出』シリーズと同じ藤井健太郎氏が手掛けるスペシャル番組。

 千原ジュニア、田村淳、有吉弘行、川島明らお笑い芸人が4チームに分かれて車で各地を駆け巡る借り物競争的なバラエティです。企画・出演者の信頼感もあり、こちらも面白いことは確実ですが、内容を見ると「水着女子の騎馬戦」「女子相撲」など、どこか女性が敬遠しそうな企画も多々あります。

「水着女子の騎馬戦」は、2016年版でも放映されていたお馴染みの企画ですが、今、地上波で放映となると、炎上は間違いなし。配信でやるのが精いっぱいの内容でしょう。

『芸人キャノンボール』が配信で放映という情報が公開された際、落胆する視聴者が多数いました。深夜でもいいから地上波で放映してほしいという声もSNSに溢れました。

 しかし、時代の流れと共に消えゆく攻めたバラエティ企画を、テイストそのままで存続させるためには、配信に移行して成立させるのが精いっぱいなのかもしれません。

小政りょう
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映画・テレビの制作会社等に出入りもするライター。趣味は陸上競技観戦

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