「断るならバラすよ」マッチした男の“正体”に愕然。ときめきが地獄に変わった残酷な瞬間

蒼井凜花 官能作家・コラムニスト
更新日:2025-10-17 11:45
投稿日:2025-10-17 11:45

LINEを教えた途端電話が…

「手が震えて、指先が冷たくなって…。すぐに『この件はなかったことにしてください』と返したんです。でも彼は、『なかったことにはできませんよ。林先輩の奥さん、前から素敵だと思ってました。一度、食事でも行きましょう』って。ありえないと思いました」

 拒否しても、彼は強引だった。

――断ったら、このチャットと顔写真を先輩に見せますよ。そうだ、LINEのIDを教えてください。サイト内では話しにくいな。

「脅しでした。もう怖くて…サイト内には運営のパトロールがあるけど、LINEに移ったら誰も助けてくれない。 

 でも、『LINEでゆっくり話したい』と言われて、仕方なくIDを教えたら、すぐに電話が来て。

 浩平さんは、『ははっ、これも縁ですよ』『息子さん、E小学校でしたよね? さすが優秀だ』って。恐ろしくて、泣きながら『やめてください』って叫びました」

癒しの存在か、底なしの沼か

 しかし、浩平さんは譲らない。

――食事くらい付き合ってくれてもいいじゃないですか。
――断るなら、証拠を送りますよ。

「もう逃げられないと思いました。夫に知られたら家庭が壊れる。『食事だけなら』と答えるしかなかった。再来週、会う約束をしてしまいました。でも、お酒が入ったらどうなるか分からない。本当に怖い。全部、自分がまいた種なのに…あの時の自分が恨めしい」

 瑠奈さんは、肩を震わせながら唇を噛んだ。

 夫婦関係の空白を埋めようと、ほんの軽い気持ちで始めた既婚者マチアプ。そこには、非日常の甘いときめきと同時に、底なしの沼が潜んでいた。

 優しい言葉をかける男もいれば、弱みに付け込む男もいる。便利で刺激的なツールは、癒やしと興奮を与えてくれる一方で、心を蝕み、人生を狂わせる毒にもなる。

 いま、瑠奈さんは激しく動揺し、深い闇の中にいる――。

蒼井凜花
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官能作家・コラムニスト
CA、モデル、六本木のクラブママの経歴を持つ異色の官能作家。近著に「CA、モデル、六本木の高級クラブママを経た女流官能作家が教える、いつまでも魅力ある女性の秘密」(WAVE出版)、「女唇の伝言」(講談社文庫)。
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