「こんな屈辱、人生で初めて」33歳モテ男が味わった“敗北”…火遊びが招いた令和の逆転劇

蒼井凜花 官能作家・コラムニスト
更新日:2025-10-31 11:45
投稿日:2025-10-31 11:45

マッチングアプリに登録

「妻とは学生時代からの付き合いで、交際期間が長かったんです。そのせいか、息子が生まれてからは完全にレス。家事も育児も協力してきましたが、もう『女』として見られなくなってしまって」

 罪悪感を抱きつつも、恭一さんは「既婚者専用のマッチングアプリ」に登録した。

「お互い守るものがあるから、あとくされのない割り切った関係ができると思ったんです」

 プロフィールにはこう書いた。

〈都内在住のKです。身長177センチ、クール系。学生時代はサッカー部のエースとして活躍しました。お互いの家庭を大事にしつつ、素敵な女性と出会えたら嬉しいです。まずはランチやカフェでお会いできれば!〉

 ボカシ入りの顔写真をアップすると、すぐに女性たちから「いいね」が殺到した。

 プロフィールに顔写真を載せている女性は少なく、パンケーキや花、後ろ髪だけの画像ばかり。そんな中、目を引いたのが30歳の専業主婦と35歳の看護師・貴和子さんだった。

「どちらもボカした顔写真で本気度を感じました。先に専業主婦の方と写真を交換したんですが…残念ながらタイプではなかった。正直に『僕のイメージとは違ったので』とお断りしたら、即ブロックされました(笑)」

35歳・看護師とドラマのような出会い

 次に写真を公開したのが、看護師の貴和子さんだ。

「あまりにも可愛いのでびっくりしたんです。セミロングの艶やかな髪、色白の肌、大きな瞳が印象的で、愛らしい小動物みたいな女性」

 メッセージを交わすうちに距離は一気に縮まり、初デートの約束をした。

 顔合わせは神楽坂。お堀沿いのイタリアンでランチをし、石畳を歩いて毘沙門天へ。夕暮れの街灯がともり始めるころまで散策し、まるでドラマのようだったという。

「貴和子さんは写真よりずっとキュートでした。ナチュラルメイクで肌も髪もツヤツヤ。可愛いのに年上の余裕というか、清純な色香があって…言葉は悪いけれど、ビギナーズラック!という感じ。

 彼女も「実物のほうが、断然イケメン。恭一さん、素敵ね」と褒めてくれて…(笑)隣を歩く彼女の手が僕の手に触れたとき『繋いでいいのかな』と迷っていたら、彼女のほうからそっと握ってくれた。あの瞬間、完全に心を奪われました」

蒼井凜花
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官能作家・コラムニスト
CA、モデル、六本木のクラブママの経歴を持つ異色の官能作家。近著に「CA、モデル、六本木の高級クラブママを経た女流官能作家が教える、いつまでも魅力ある女性の秘密」(WAVE出版)、「女唇の伝言」(講談社文庫)。
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