一人になったからこそ…蛍原徹は”自由″に「アメトーーク!」の看板を守り続ける
【今週グサッときた名言珍言】
「僕は『罪滅ぼし芸人』です」
(蛍原徹/テレビ朝日系「アメトーーク!」10月30日放送)
◇ ◇ ◇
雨上がり決死隊を解散し、現在は一人で「アメトーーク!」(テレビ朝日系)を仕切る蛍原徹(57)。自分が出た番組のオンエアを見るのが大好きな芸人たちを前に、以前は、オンエアを見ることもあれば、見ないこともあるというスタンスだったと明かす。しかし、一人になった時を境に欠かさず見るようになったという。なぜなら、「皆さまに迷惑かけているという気持ちがあって、携わっている人に感謝しないとダメ」と思ったからだ。
そんな自分と目の前にいる「大好き芸人」たちとの違いを端的に表して語った言葉を今週は取り上げたい。
それにはすかさず、品川祐が「罪滅ぼししなきゃいけないのは、いなくなった方ですから!」とツッコむも「それはお互いやから!」と返した。
2019年6月に闇営業問題が発覚し、相方の宮迫博之が番組から去った後も、しばらくは「雨上がり決死隊」という看板は残していた。だが、21年、解散を決断した。その際、当初は一緒にやっていた番組を全部降りるつもりだった。特に冠番組である「アメトーーク!」は絶対にやめると蛍原は主張した。
解散に関する話し合いの後半のほとんどは、番組を継続させる説得だったと宮迫は明かしている(ABEMA「アメトーーク特別編 雨上がり決死隊 解散報告会」21年8月17日)。もはや自分たちの番組というよりも、世に出るチャンスを得られる芸人のための番組なんだから、終わらせるべきではない、と。
番組を主導してきた宮迫が完全に抜けたことで番組の求心力が失われるのではないか、と不安視もされたが杞憂だった。蛍原は番組側から、バランスを取るため「ボケは1回の収録で1個まで」(「アメトーーク!」24年5月23日)と制限されていた。だが、本来ボケたがりな蛍原は、一人になったことで“自由”になった。「宮迫さん、いなくなって、アンタ人格が変わっちまった!」と、とろサーモン・久保田にツッコまれれば「変わるやろ、そりゃ!」と激しく返して爆笑を生んでいた(「アメトーーク!」24年6月27日)。
「この番組はあなた(蛍原)が守らないと!」と解散報告会で出川哲朗から涙ながらに訴えられた蛍原は、培われたバランス感覚と飄々としたボケでその看板を守り続けている。
「もちろん『アメトーーク!』大好き芸人ですよ! いつまでも続けていけたらいいな」(集英社「集英社オンライン」25年5月8日)
(てれびのスキマ 戸部田誠/ライタ―)
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