「新語・流行語大賞」を勝手にピックアップ…SNSでハヤったというけれどピンとこない言葉が多くて
【桧山珠美 あれもこれも言わせて】
この時期になると必ず話題に上るのが「新語・流行語大賞」。まずはノミネート30語が発表され、12月に大賞が決まる。
今年で42回目を迎えるこの賞。昨年までは「ユーキャン」の名が冠されていたが、今年から「T&D保険グループ」に変わった。ちなみに、「現代用語の基礎知識」本体も年々薄くなり、書店の隅でひっそりと所在なげにしている。
今年のラインアップも相変わらず微妙。「そんな言葉、はやってた?」と首をかしげたくなるものばかり。ノミネート30語をざっと並べると……エッホエッホ/おてつたび/オンカジ/企業風土/教皇選挙/緊急銃猟(クマ被害)/国宝(観た)/古古古米/7月5日/戦後80年・昭和100年/卒業証書19.2秒/働いて働いて働いて働いて働いてまいります・女性首相/ほいたらね/長袖をください……あとは省略。
「SNSで大流行」と言われても知らんがなというものも。SNSの世界では流行のスピードが全く異なり、新語は生まれては消え、すぐ忘れ去られる。しかも、ごく一部でしか盛り上がっていないことも。そんな言葉がその年を象徴する流行語と言えるだろうか。
テレビ発の新語・流行語はさらに希薄だ。「ほいたらね」の他は「ひょうろく」「長袖をください」くらいか。
ひょうろくは「水曜日のダウンタウン」から大河ドラマ「べらぼう」に進出、現在は三谷幸喜作品にも出演するなど今年の顔になったキャラクターだ。しかし、流行語としてはどうか? ひょうろくという言葉自体、ひょうろくだまから来ているのだろうか。
「長袖をください」は水ダウの人気企画「名探偵津田」で津田が発した言葉。あの切迫した場面は面白いが、瞬発力だけで選んでいいのか。これもまたSNS同様、番組を見ていなければ「?」。
■「フジテレビ問題」「素人は(SNSを)やるな」などなど…
ちなみに、私が選ぶとするなら……。
フジテレビの港浩一社長(当時)による、テレビ局としてあるまじき静止画像会見を揶揄した「ボラギノール会見」や「フジテレビ問題」。
田原総一朗「激論!クロスファイア」の「あんなやつは死んでしまえ」。
チョコプラ松尾の炎上発言「素人は(SNSを)やるな」。
「2馬力選挙」や日本テレビが国分太一にラベリングした「コンプライアンス上の問題行為」も面白いかもしれない。
最近では、朝ドラ「ばけばけ」で出てきた「ラシャメン」が検索急上昇ワードに挙がっていたが、若い世代は知らないようだ。もちろん「ラシャメン」は新語でも流行語でもないわけだが。
深刻なのは人口に膾炙する新語や流行語が年々減っている事実。世代間の感覚の断絶は思っている以上に根深い。
大賞は12月1日に発表される。なんだかんだ言いつつ、楽しみにしているが。
(桧山珠美/コラムニスト)
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