天性の明るさを持つ子役出身女優・本田望結が魅せた新境地 不器用でクールな役を見事に

更新日:2025-11-19 17:03
投稿日:2025-11-19 17:00

【2025秋ドラマ 注目美女の魅力と素顔】#7

 本田望結
 (全ての恋が終わるとしても/テレビ朝日系)

  ◇  ◇  ◇

 10月から放送中のドラマ「すべての恋が終わるとしても」(ABC制作・テレビ朝日系毎週日曜午後10時15分~)に葵わかなが演じる主人公の元恋人の妹・大崎莉津役で出演しているのは、子役出身で現在21歳になった本田望結。

 幼なじみに小学生時代からずっと片思いしていて、素直になれずに口が悪くなることもあるが心の中は素直で優しい女性を演じている。

 2004年6月1日生まれ、京都府出身。7歳のときに高視聴率を記録した松嶋菜々子主演ドラマ「家政婦のミタ」(日本テレビ系)で長谷川博己の次女を演じて注目を集めた(長女役は忽那汐里、長男役は当時13歳だった中川大志)。

 最近の出演作では、ヒロインを演じたドラマ「ふたりソロキャンプ」(TOKYO MXほか)、シリーズ第1作で主演した恒松祐里とバディーを組んだ今年6月公開の主演映画「きさらぎ駅 Re:」での好演が印象に残っている。

 お笑い賞レースの決勝でアシスタントをつとめる女優といえば、「M-1」の上戸彩、「R-1」の広瀬アリスがおなじみだが、関西ローカルで中継されている「ABCお笑いグランプリ」では2023年から3年連続で山里亮太とともに本田望結が司会を担当していることは、関西以外の人にはあまり知られていない。

 彼女は10代からバラエティーでも活躍して、天真爛漫で明るい女の子というイメージが強かった。

 オスカープロモーション所属の女優が一堂に会する晴れ着撮影会というマスコミ向けのイベントが毎年行われていて、約10年前に取材したことがある。その年は武井咲、小芝風花(現在はトップコートに移籍)、高橋ひかるらが参加していたが、お姉さんたちに交じって、ひときわ元気なのが本田望結だった。彼女の笑い声が楽屋から聞こえてきて、ヘアメークのスタッフが「元気な声が聞こえてくると思ったら、やっぱり本田さんでしたね」と言っていたのを今でもよく覚えている。

 20代になって、今回のドラマでは不器用でクールな役を大人っぽく好演していて、「本田望結の新境地」としてネット上でも話題を集めている。しかし、彼女の女優としての基礎成分が天性の「明るさ」であることは、今後も変わらないだろう。

 本田望結は芦田愛菜、上白石萌歌、渋谷凪咲、平祐奈らと並んで、明るさを持ち味のベースにしながら幅広い役柄を演じることができる貴重な女優だ。その前向きな存在感の中から、元気なメロディーが聞こえてくる気がする。

(高倉文紀/女優・男優評論家)

エンタメ 新着一覧


こうでなくちゃ! 志尊淳の正解を「恋は闇」で見た。いい人よりも“妖しい姿”に妄想が駆り立てられる
 新ドラマ「恋は闇」(日本テレビ系)の志尊淳が良きです。  前クールの「日本一の最低男 ※私の家族はニセモノだった...
「あんぱん」なんて贅沢!今が旬、河合優実の“目で語る”表現力と色気に驚く。俳優・ソニンのEE JUMP感を消した演技も見事
 なりたい夢を見つけたのぶ(今田美桜)は、女子師範学校合格に向けて猛勉強をし始めるが、成績が思わしくなく頭を抱える。同じ...
桧山珠美 2025-04-21 14:23 エンタメ
怪演・市原隼人に「ヤバい超大物」2人が熱烈ラブコール。迫真すぎる“ガンギマリ”の演技がモテる理由か
 大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』(NHK)にて、盲目の大富豪にしてゾクッとする異様な雰囲気を放つ鳥山検校を怪演...
堺屋大地 2025-04-21 06:00 エンタメ
ラランド・サーヤは「名誉男性」なのか? お笑い界の“女すぎる”という悪口に思うこと
 ラランド・サーヤが参加するバンド「礼賛」が大阪で行ったライブで、痴漢行為が発生。被害女性がSNSで被害を訴えたことで発...
帽子田 2025-04-20 06:00 エンタメ
「あんぱん」松嶋菜々子の“毒”さえチャーミングにする厄介な美しさ。ドキンちゃんにも見えてしまった
 8年間音沙汰のなかった登美子(松嶋菜々子)が突然帰ってくる。登美子に対してわだかまりが残ってはいるものの、自分の漫画を...
桧山珠美 2025-04-19 06:00 エンタメ
「あんぱん」登美子(松嶋菜々子)の登場が不穏…色っぽいけど。貴島中尉(市川知宏)は“あのキャラ”を意識?
 新聞社に出した漫画で賞金をもらい、ご機嫌の嵩(北村匠海)。一方のぶ(今田美桜)は、パン食い競走で転びそうになったところ...
桧山珠美 2025-04-17 16:02 エンタメ
カトパンへの嫌味に物議…新井恵理那は承認欲求のカタマリか、悪役を演じる聖人か?
 昨年3月、8年間出演して総合司会も務めていたテレビ朝日系の朝の情報番組『グッド!モーニング』を降板したフリーアナウンサ...
堺屋大地 2025-04-17 06:00 エンタメ
【募集】春ドラマ何見る? 面白かった&ガッカリを教えて!『最後から二番目の恋』『あんぱん』etc
 コクハクでは2025年春ドラマを対象としたアンケートを実施します。4月よりスタートした春ドラマ、「期待している」「面白...
笠松将、柳楽優弥を超えなければと思っていた。俳優業の“わからなさ”は「自分自身にビビッている感覚」『ガンニバル』シーズン2インタビュー
“この村では、人が喰われているらしい……”    2022年の年末にディズニープラス スターにて独占配信がスタートす...
望月ふみ 2025-04-15 06:00 エンタメ
「あんぱん」嵩(北村匠海)の“ジェラシー”がなんとも可愛い! 寛(竹野内豊)の診察シーンが見たかった
 昭和10年、高等女学校の5年生になったのぶ(今田美桜)は、ある日、貴島中尉(市川知宏)と再会。祭りのパン食い競走で使う...
桧山珠美 2025-04-14 19:03 エンタメ
15分の朝ドラで高揚感を得られるんだ! のぶ&嵩の“子役最終回”が見せた未来の夫婦関係
 久しぶりに登美子(松嶋菜々子)の顔を見て胸がいっぱいになる嵩(木村優来)だったが、登美子は困惑した表情を浮かべる。のぶ...
桧山珠美 2025-04-12 06:00 エンタメ
旧ジャニ会見から1年半、STARTO社の再興成否…CD売上と人権意識から考察、ファンは一体何を望む?
 2023年9月および10月、旧ジャニーズ事務所は創業者問題で2度記者会見を開いた。その後、同社所属タレントのテレビ・C...
こじらぶ 2025-04-12 06:00 エンタメ
「あんぱん」阿部サダヲの配合絶妙な演技。高知つながりで“しょくぱんまん”登場!
 元気のない家族のために力を貸してほしいというのぶ(永瀬ゆずな)の頼みに、草吉(阿部サダヲ)は1回きりの約束であんぱんを...
桧山珠美 2025-04-09 17:20 エンタメ
『あんぱん』RADWIMPSの主題歌は本当に「合っていない」のか? 正統派・朝ドラOPの真逆を貫いた意味
 2025年3月31日より、NHK連続テレビ小説『あんぱん』の放送が開始された。国民的キャラクター「アンパンマン」生みの...
「R-1」さや香・新山や吉住らベテラン勢はなぜ負けた? 売れっ子は予選で有利、決勝で不利な理由
 最もおもしろいピン芸人を決める「R-1グランプリ2025」(フジテレビ系)が3月8日に開催された。決勝常連組やベテラン...
帽子田 2025-04-09 09:48 エンタメ