「ぴかるです」と言うたび笑われた…偏見だらけの社会でも“自分の名前”で生きる。22歳大学生の決意

おがわん ライター
更新日:2025-11-25 11:45
投稿日:2025-11-25 11:45

「名前で人生が変わる」の悲痛な声も

“珍しい名前”は、ある意味で個性にもなり得る。それでも、心の奥には小さな棘が残っている。

「結局、“名前が変わってる人=ネタにされる人”っていう空気がまだある。名前で笑われるって、本人にとっては“自分そのもの”を否定されてるような気分なんです」

 彼は、同じ世代の友人たちの間でも「名前で人生が変わる」話をよく聞くという。

「“心愛(ここあ)”って名前の子は、接客のバイトで“源氏名みたい”って言われて辞めた。

“夜露(ないと)”って男友達は、就職で“本名なんですか?”って三回も聞かれたって」

 笑い話のようで、誰も笑っていない。

社会が勝手にキャラを決める

“読めない名前”や“珍しい響き”が、社会の中で今も“違和感”として扱われる。

「普通の名前の人には伝わらないけど、名前で生きづらさを感じる人って本当に多い。名前って、自分で選べないのに、社会が勝手にキャラを決めるんですよ」

 彼は少し考えてから、こう続けた。

「親が悪いとも思わない。時代の流行がそうだったんだと思う。でも、“オンリーワン”を求めすぎた結果、子どもが“笑われる側”になるのは悲しいですよね」

 彼はいま、内定先の名刺を見つめながら言う。名刺にはしっかりと「光翔(ぴかる)」の名前が印字されている。

「この名前で、もう一回ちゃんと生きてみようと思ってます。笑われても、俺の名前だから」

 その表情は、少しだけ誇らしげだった。

おがわん
記事一覧
ライター
かつてちょっとだけ芸能の世界に所属。現在は縁あって、雑誌やWebメディアなどでライターとして活動中。エンタメ系から日常ネタまで、気になるあれこれを取材。楽しく読んでもらえる文章を目指して、日々ゆるっと執筆中です。

ライフスタイル 新着一覧


「ゆっくり帰っておいで」母の言葉に涙…頑張った受験生へのLINE3選
 3月といえば受験シーズン。血の滲む努力が実って合格した人もいれば、不合格で落ち込んでいる人もいるナイーブな受験生…。L...
違うオスの子どもも一度に身ごもれるにゃん♡~猫マメ知識#1
 可愛くて、賢くて、気高くて、どこを見ても魅力的でしかない。そんな完璧などうぶつ・猫にも、残念な点がある。猫のここが残念...
桜にオスプレイは似合わない 2023.3.10(金)
 毎日いろんなことが起こっている。どこかで誰かが好き勝手に言っている。  だけど、これだけは言える。 桜にオスプレ...
人づきあいは“広く浅く派”が最強!うわべの関係って悪くない
 みなさんは、人づきあいは”広く浅く派”でしょうか、それとも”狭く深く派”でしょうか。私はどちらかといえば後者で、友達も...
南海トラフ地震と関東大震災 先に起きるリスクが高いのは?
 23年3月11日、東日本大震災から12年を迎える。連日、今後の発生リスクの高い大災害として「南海トラフ巨大地震」が取り...
パンツ脱ぐより恥ずかしい マスクを外す勇気が出るアプデ3つ
 マスク装着が任意となり、約3年ぶりにマスクなしの日常が戻ってきています。  しかしここに来て、マスクを外すのにためら...
思いが届いた“たまたま”君…愛しの姫猫ちゃんと鼻チュー♡
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
あーイライラ!車の渋滞時に使える気分転換、逆効果な行動も
 高速道路の渋滞にハマってしまうと、本当にイライラしてしまいますよね。特に、彼氏や夫がイライラしはじめて、雰囲気も悪くな...
田舎移住に興味あり!あるあるから学ぶメリット&デメリット
 コロナ禍でリモートワークになり、毎日出社する必要がなくなった人も多いのではないでしょうか。通勤に通勤に便利な家を手放し...
黄色が可愛い!ミモザのモフモフを日持ちさせるポイント5つ
 冬も終わりに近づき、春の匂いが漂い始めると、モフモフが可愛いミモザの季節到来でございます。  3月8日の女性に感...
相手の話をちゃんと聞くって意外と難しい 2023.3.8(水)
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
うちの猫の「中身」をその場で描き出す ライブペインティングが楽しい!
「写真を持って行けば画家がその場で“うちのコの絵”を描いてくれる」  そんなライブペインティングを行っているのは、...
あきらめのバキバキ肩コリに3つのルーティン 2023.3.7(火)
 首や肩を動かすとバキバキ、ゴリゴリと音が鳴る......。そんな状態を放置していませんか? 慢性的な肩コリを放置すると...
“地獄”の付き添い入院 我が子は関節にハンディキャップを…
 ステップファミリー6年目になる占い師ライターtumugiです。私は10代でデキ婚→子ども2人連れて離婚→シングルマザー...
“たまたま”のBL現場に遭遇! にゃんたま少年の運命やいかに
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
人気のない夕暮れの公園にいる時間 2023.3.6(月)
 普段はにぎやかな場所ほど、そこから人がいなくなると突然さみしく感じる。  ドヴォルザークの「家路」が流れて、さっ...