「ADHD」疑惑に対する、複雑な感情
仕事や人間関係に支障をきたすほどスケジュール管理ができない人は、注意欠如多動症の「ADHD」である可能性が高いらしい。詳しくは知らないが、確か授業中にじっとしていられず立ち上がってどこかへ行ってしまう子供が多動症というのではなかったか。
ストリップの職場では、「私タドーなんでぇ」と、楽屋をたった数時間で3年引きこもったようなゴミ屋敷にする人に会ったことがあるが、私が? あの落ち着きがなくてだらしない人間と一緒? 冗談じゃない!
しかし、そのADHDに特化したSNSアカウントを遡ると、出るわ出るわの思い当たる節。うっかりミスや忘れ物が多く、集中力が続かず、計画性もない。
知れば知るほど、そうでなければいいと思う気持ちとは裏腹に、そうであって欲しいという気持ちが生まれた。私がダメなのではなく、ADHDだからダメなのだとしたら、自分に言い訳が立つ。私の失態が情状酌量されるかもしれない。
ひとまず病院に行って、診断してもらうことにした。ADHD、診断、病院…こんな検索をすれば、またスマホはいそいそとあれこれ勧めてくると思うと小癪だが、こんな悩みを相談できる人は身近におらず、致し方ない。
スケジュール管理できない人間が、そんなに待てるわけがない
しかし病院の口コミを読み始めると、うんざりした。グルメサイトによくある、《隣の席の人の咀嚼音が不快だったので星一つ》くらいクソな情報がゴロゴロしているのだ。それならもう、いちばん広告が目立つ病院にしよう。広告費にお金を使えるということは、儲かっているはずだ。
立派なホームページを開くと、さすが金持ち病院、オンライン予約のシステムが稼働している。だが、必要事項を入力していざ予約をしようとすると、カレンダーのボタンが全て×になっていた。不具合だろうか。
やけくそにカレンダをどんどんスクロールしてくと、ようやく〇が見つかったのはもう、来年の日付だった。つまり予約は2か月半先までびっしり埋まっていたのである。
スケジュールを上手く管理できない人間に、2か月半も先の予約をさせるのか。その日に遅刻せず病院にたどり着けるならもう、ADHD診断をするまでもないだろう。物事をじっと待つことが苦手なADHDが、そんなに待てるはずもない。
そしてカッとなりやすいのもADHD…という忌々しい投稿を思い出し、壁にスマホを投げようとした手をそっと降ろした。私は試されているのだろうか。
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