「ウザいって言ってたよ」怖いのはネット? それとも…SNSなしでも“炎上”したあの頃。悪意が燃える瞬間

おがわん ライター
更新日:2025-12-02 11:45
投稿日:2025-12-02 11:45

大人になっても変わらない

 年月が経って、真理子が大人になった頃。今度はSNSが、同じような“噂の伝達装置”になっていた。

 ある日、同僚の女性が社内チャットで同僚の悪口を書き、誤送信して炎上。誰かの裏アカが暴かれて、コメント欄が騒然とする。真理子はその光景を見ながら、心の奥がひやりとしたという。

「結局、あのときの“教室の空気”と同じなんだよね」

 リカが撒いた言葉の種が、今は“リポスト”や“スクショ”になっただけ。人間関係の構造なんて、20年経っても何も変わっていない。

 “誰かの悪口”は、まるで魔法のように広まる。信じたい人には心地よく、退屈な日常にちょっとしたスパイスをくれる。だからこそ、人は噂話を簡単に手放せないのだろう。

消える言葉の軽さと無責任さ

 けれど、ひとつだけ違うのは、昔は「言葉が消えなかった」ということ。手紙でも、ノートでも、一度書いたら消せなかった。だから人は、少しだけ慎重だった。

 いまはボタンひとつで送れる。消すことも、ブロックすることもできる。でも、その軽さが人をどんどん無責任にしていく。

「ネットが悪いんじゃない。人の口が怖いんだよ」

 真理子のその言葉が、胸に残った。

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かつてちょっとだけ芸能の世界に所属。現在は縁あって、雑誌やWebメディアなどでライターとして活動中。エンタメ系から日常ネタまで、気になるあれこれを取材。楽しく読んでもらえる文章を目指して、日々ゆるっと執筆中です。

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