「ウザいって言ってたよ」怖いのはネット? それとも…SNSなしでも“炎上”したあの頃。悪意が燃える瞬間

おがわん ライター
更新日:2025-12-02 11:45
投稿日:2025-12-02 11:45
 SNSがコミュニケーションの重要なツールとなって久しい。速さに追われる時代に、言葉を選ぶ“間”の大切さを思い出させてくれる——30代以上ならそう考えたことはないでしょうか?

忘れられない小学生時代の苦い記憶

「SNSで人間関係が壊れるなんて、昔はなかったよね」そう言う人がいるけれど、私はそうは思わない。だって、ネットもスマホもなかったあの頃だって、“言葉ひとつ”で世界がひっくり返ることはあった。

 私の友人・真理子(38)が話してくれたのは、小学生の頃の忘れられない出来事だ。

 真理子のクラスには、リカという女の子がいた。顔が可愛くて、おしゃべりが上手で、いつも人の中心にいるタイプ。先生に叱られてもどこか憎めない、クラスの“人気者”だった。

 ある日の休み時間。リカが何人かの女子を集めて、こそこそと話していた。

「ねぇ聞いた? 真理子が、ユカちゃんのこと“うざい”って言ってたらしいよ」

【読まれています】LINEの誤爆で思い出す、中学時代の“ある事件”。女子同士の「手紙回し」にあった残酷な一面

悪気がなくても

 最初は、誰も本気にしなかったという。でも「私も聞いた」「○○ちゃんも言ってた」──その一言が、噂に信ぴょう性を持たせた。

 やがて、真理子の机の周りには小さな“見えない壁”ができた。話しかけても返事がない。グループ分けのときも、「私、あっち行くね」と視線をそらされる。

 真理子には、身に覚えがなかった。それでも「そんなこと言ってない」と弁解すればするほど、“やましいから否定してる”ように見られる。

 “誰が本当のことを言ってるか”なんて、子どもの世界では関係ない。リカが言えば、それが“真実”になる。

「嘘をついた子より、信じた子たちのほうが怖かった」

 真理子はそう言っていた。リカの言葉を疑わず、軽い気持ちで「そうなんだ〜」と頷いた子たち。悪気がなかったのかもしれない。

 でも、その“無責任な相槌”が、ひとりの子の居場所を奪った。「噂を信じる人も、広める人と同じくらい罪深い」と痛感したのは、そのときだった。

おがわん
記事一覧
ライター
かつてちょっとだけ芸能の世界に所属。現在は縁あって、雑誌やWebメディアなどでライターとして活動中。エンタメ系から日常ネタまで、気になるあれこれを取材。楽しく読んでもらえる文章を目指して、日々ゆるっと執筆中です。

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


「男性に花を贈る」とめちゃ喜ばれる! 植物を選ぶ際の5カ条
「花屋」という職業上、ネットや書店にて花にまつわる資料を探す機会の多いワタクシ。  ちょっと前まではお高い写真雑誌...
コワモテ部長が「襲ったらごめん♪」と誤爆…気まずいグループLINE3選
 仕事やプライベートでの連絡ツールとして大活躍のグループLINE。大勢の人と一緒に会話できて便利ですよね! でも、世の中...
にゃんたまを求め東へ西へ…私の人生にはどんな因縁がー!?
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
夢と現実が入り交じる場所 2023.2.13(月)
 ミュージカル映画で歌が始まると、慣れなくて一瞬だけ気恥ずかしくなる。  だけど、すぐにそんなことは忘れて、スクリ...
窓の外を眺めて1日が終わったっていい 2023.2.12(日)
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
人付き合いの“やらかし”から学ぶ「感情系語彙力」の大切さと鍛え方
 みなさんは、自分のことを語彙力が豊富な方だと思いますか? それとも口下手だとか、無口な方だと思うでしょうか。円滑なコミ...
トルコ大地震前に“不気味な雲”の目撃情報が…注目すべき前兆現象とは?
 トルコ南部のシリア国境近くで6日、マグニチュード7.8の地震が発生し、両国では1万5000人を超える死者が出ている(日...
冷気に青空が滲みる、春はまだかな? 2023.2.10(金)
 鉢に張った水をのぞくと、青い空が映りこんでいた。  空気が澄んでどこまでも広がる冬の空はきれいだけど、こうも寒く...
罪悪感は無用!しごでき女の在宅ワークは昼寝で効率アップ
 コロナ禍をきっかけに、在宅ワークも当たり前の働き方になりました。でも、気分がのらなくてついサボってしまったり、逆に休憩...
梨花に刺激され、産後に太った自分と向き合う 2023.2.9(木)
 先日、ある芸能ニュースに目が行きました。ハワイに住むモデルの梨花が「過去マックス」の体重に「激太り」したという記事です...
猫吸いしたい! ふわふわマシュマロ“たまたま”にロックオン
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
先輩LOVEな後輩の暴走LINE3選 好きすぎて隣の県までお引っ越し♪
 仕事でも学校でも、自分よりも先に経験を積んでいる「先輩」はかっこいい姿に映り、憧れ、尊敬、信頼などいろいろな感情が湧い...
「受験生に贈る花」がんばる人に合格祈願のエールとパワーを
 すっかり初老のワタクシ、人生に疲れを感じる今日この頃。いろいろなことを相談して元気をもらえる相手は、自分の子供世代とも...
久しぶりの友人に会って「中学生」に戻った 2023.2.8(水)
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
ママの自分時間は無理やり作る!VTuberの推し活にハマったら
 ステップファミリー6年目になる占い師ライターtumugiです。私は10代でデキ婚→子ども2人連れて離婚→シングルマザー...
“たまたま”がハート型♡ 尊すぎるにゃんたま様に思わず合掌
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...