更新日:2025-12-10 11:45
投稿日:2025-12-10 11:45
美加が気づいた真実。お互いが本当に嫌いなのは…
その言葉で、美加は気づいた。
確かに、どちらも“孫は可愛い”。ただし、そこに“親である自分たち”がちらつくと面倒になる。
「孫は可愛いけど、嫁(または婿)の顔がちらつくと可愛さ半減するんだと思う」
義母は美加の存在が気になる。実母は義妹の影が嫌で、義妹の子には興味がない。つまり、どっちも“孫は好き”で“義理家族が嫌い”なだけなのだ。
翌週、義母と実母が偶然同時に家に来た。
義母「大河くん、最近どう?」
実母「ばぁばが来たよ〜!」
視線がぶつかる二人。大河はどちらにも平等に笑った。
孫の笑顔一つで
美加はその光景を見て思った。
──孫には罪はない。
大人が勝手に“可愛さの優先順位”をつけているだけ。
美加は言う。
「孫争奪戦されるくらい可愛いなら、それはそれで幸せなのかも。でも“嫁の顔がちらつくと可愛さ半減”は、ほんと真理だと思う」
最後は、少しだけ笑いながら。
孫は可愛い。でも“大人の関係性”が絡むと、愛情にも濃淡が生まれる。それはどんな家族でも避けられない“人間のリアル”なのかもしれない。
そして美加はさらに続けた。
「結局ね、どれだけ拗れても大河の笑顔ひとつで全部リセットされるんだよ。だからこそ大人の勝手な対抗心って、ほんと滑稽だと思うんだ」
そう言って肩をすくめた姿に、私はようやくこの一件に小さな救いを見た気がした。
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