「女の“賞味期限”が気になって…」幸せな一夜が地獄へ。37歳女性を襲った“残酷すぎる”言葉

蒼井凜花 官能作家・コラムニスト
更新日:2025-12-12 13:21
投稿日:2025-12-12 11:45

一線を越えた3度目のデート

 それからも、やりとりは続いた。ランチの写真、出張先の風景、日々の何気ない報告。

――このお店、今度一緒に行こう。
――綺麗な景色を見ると、霧子さんにも見せたくなる。

「彼の存在が、日常に入り込んでいきました。パート先でも、つい笑顔が増えてしまって。『最近きれいになったね』と同僚に言われたときは、嬉しくて…でも少し怖くもなりました」

 そして、出会いから1か月半が経ったころ。3度目の約束の前日、将人さんからメッセージが届いた。

――明日は、夕食のあとホテルに行こうと思っているけど、大丈夫かな。

「異論はありませんでした。ずっと、誰かに抱きしめられたいと思っていましたから…」

 都内のシティホテルで、ふたりは一線を越えた。罪悪感よりも、「女として見てもらえた」という実感が、霧子さんの心を満たしていた。

 当然、将人さんも同じ気持ちだと信じていた――あの瞬間までは。

残酷なメッセージに愕然

「帰りの電車の中から、『今日はありがとう。これからもお付き合いしていきたいです』とLINEしました。混み合う車内で、ドアのそばに立ちながら、返事を待っていると…思いもよらないメッセージが届いたんです」

――ごめん…霧子さんのこと、好きになれそうにない。今後、交際はできない。

 一瞬、意味が理解できませんでした。

――どういうこと?
――相性が悪いって、分かったんだ。もう会わない。
――どうして関係を持ったの? 遊びだったの?
――遊びじゃないよ。本気だった。
――じゃあ、なぜ?
――関係を持たないと、分からないこともあるだろう?

「その言葉を見た瞬間、体の力が抜けて、崩れ落ちそうになりました。私の何がいけなかったの? どの部分が相性が悪いと感じたの? ―もちろん、そんなことは怖くて聞けません」

 その後、どうやって家に帰ったのか、ほとんど覚えていないという。

 塾から帰ってきた息子に「ママもお出かけだったの? きれいな格好だね」と声をかけられて我に返り、バスルームでシャワーを浴びながら、声を押し殺して泣いた。

「相性が悪いなら、それはそれでいい。でも…もう少し、伝え方があったはずですよね。『関係を持たないと分からない』なんて、あまりにも残酷です」

天国から地獄に突き落とされ

 翌日、霧子さんは「風邪」を理由にパートを休んだ。

「夫以外と関係を持った罰なのかもしれません。一気に、天国から地獄に突き落とされた気分でした。しばらくは、立ち直れないと思います」

 そう語りながら、霧子さんは静かに目を伏せた。

 誠実さや正直さは、美徳である一方で、時として人の心を深くえぐる刃にもなる。

 悲しい結末ではあったが、彼女は「今回のことは、勉強になりました」と受け止めている。

 霧子さんが笑顔になれる日が訪れることを、願わずにはいられない。

蒼井凜花
記事一覧
官能作家・コラムニスト
CA、モデル、六本木のクラブママの経歴を持つ異色の官能作家。近著に「CA、モデル、六本木の高級クラブママを経た女流官能作家が教える、いつまでも魅力ある女性の秘密」(WAVE出版)、「女唇の伝言」(講談社文庫)。
オフィシャルサイトYouTube

関連キーワード

ラブ 新着一覧


「上司が好きかも!?」その気持ちには“勘違いフィルター”が…
 毎日顔を合わせる男性上司に「好きかも」と感じているそこのあなた……! もしかしたらそれは、単なる勘違いかもしれません。...
恋バナ調査隊 2022-11-13 06:00 ラブ
夜のベッドもねちっこくて…婚約者の豹変ぶりに悩む35歳女性
 男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人...
並木まき 2022-11-12 06:00 ラブ
「妻になる自覚ある?」妥協で決めた年下婚約女に辟易する男
「冷酷と激情のあいだvol.116〜女性編〜」では、婚約後に性格が豹変した恋人・タカオさん(49)に困惑する理沙さん(3...
並木まき 2022-11-12 06:00 ラブ
実録・合コン失礼発言集「女の子紹介して」って何でやねん!
 素敵な出会いを求めて合コンに行ったのに、失礼なタイプの人に出会ってしまった時、本当に嫌な思いをしますよね。今回は、女性...
恋バナ調査隊 2022-11-12 06:00 ラブ
アラフォー妻達の“夫”後悔録 結婚相手を妥協したばっかりに
 結婚している女性を「羨ましい」「勝ち組」と思う人もいるでしょう。でも、現実はそうでもないようです。  結婚相手に妥協...
恋バナ調査隊 2022-11-11 06:00 ラブ
恋人未満の彼と“お泊り”旅行したい!OKになる3つの誘い方は
 旅行クーポンなども発行され「彼と旅行したい!」と考える女性が増えています。 「でも女性から旅行に誘えない」などと迷っ...
内藤みか 2022-11-10 06:00 ラブ
「あの無理目な男と付き合いたい」実現させるための恋愛テク
「あの人は自分と住む世界が違う」。そう感じる男性を好きになった経験はありませんか? 無理目な男性に恋をしたとき、なにもせ...
恋バナ調査隊 2022-11-09 06:00 ラブ
長~く愛され続けたい!「居心地の良い彼女」に必要な心構え
 いかなる恋愛においても、お互いにとって「居心地がいい存在」になるのはとても重要です。  どれだけ愛していてもどちらか...
若林杏樹 2022-11-09 06:00 ラブ
恋愛中はいい人でも…“クズ夫”の兆候は結婚前に見抜かないと
 大好きだったはずの彼と結婚したにも関わらず、結婚後「実は、クズ夫だった……」と後悔する女性は意外に多いです。「私は大丈...
恋バナ調査隊 2022-11-08 06:00 ラブ
「離婚しない不倫男の勝手な理由」夢見てるのは貴女だけかも
「ダメな恋」とわかっていながらも、不倫を続けている女性もいるのではないでしょうか? 彼から「妻とは別れる」と言われたら、...
恋バナ調査隊 2022-11-08 06:00 ラブ
モテる極意!「男性経験が少ない女性」彼はどこで判断する?
「男性経験は豊富なほうが、大人の女性としてモテるはず♡」と思っていませんか? 意外なことに男性は、夜の経験が少ない女性...
恋バナ調査隊 2022-11-05 06:00 ラブ
「性欲は普通でも最後が30代なんて」レス解消に躍起な40歳妻
 男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人...
並木まき 2022-11-05 06:00 ラブ
「夜這いしてくる妻が怖い」レス解消無関心夫の“秘密裏”計画
「冷酷と激情のあいだvol.115〜女性編〜」では、40歳で夫婦間レスが4年以上続いていることに悩む久美さん(仮名)の切...
並木まき 2022-11-05 06:00 ラブ
「家族より友達優先」夫にブチ切れる前に“オトナ”で試すこと
 生涯のパートナーである夫には、家族を最優先してもらいたいものですよね。しかし「いつも夫が友達を優先して困る」と、悩ん...
恋バナ調査隊 2022-11-03 06:00 ラブ
“年の差10歳”でも劣等感ナシ!年下彼と仲が深まるアプリとは
 かなり年齢が下の男性を好きになった時に「年が離れているので、どんなことを話せばいいのかわからない!」と悩む女性がいます...
内藤みか 2022-11-03 06:00 ラブ
逆効果ですよ!男が仕掛けてくる“めんどくさい”恋の駆け引き
 恋の駆け引きといえば、女性から男性にするイメージがありますが、男性の中にも恋の駆け引きをしてくる人は多いようです。今回...
恋バナ調査隊 2022-11-02 10:12 ラブ