「どちらも捨てられない」恋に溺れた男の苦渋の選択。恋人は“脳検査”まで…56歳が土下座に追い込まれた理由

蒼井凜花 官能作家・コラムニスト
更新日:2025-12-19 11:45
投稿日:2025-12-19 11:45

人生初の土下座――そして知った真実とは

 和也さんは語る。

「美恵子とは、公私ともにとても相性がいいんです。共通の知人も多く、一緒にいると心から落ち着けるし、パワーももらえる。でも、『不倫であることを誰にも言えないのがつらい』『せめて、私の存在を、奥さんに認めてもらえないか』と言いだして…。正直、動揺しました」

 男としては、美恵子さんを選びたい――。その想いに、偽りはないという。

「彼女のおかげで、どれほど“オス”としての自信を取り戻せたか分かりません。感謝してもしきれない存在です。

 でも、父親であり、夫であり、経営者でもある僕にとって、家族を捨てるという選択はどうしてもできなかった。結局、美恵子に土下座して『どちらも捨てられない』と伝えました。人生で初めての土下座でした」

 そのとき、美恵子さんは声を殺して泣いていたという。さらに、そこで初めて知った事実があった。彼女は脳神経外科を受診していたのだ。

 右側頭部の痛みと38度の発熱が2週間以上も続き、コロナやインフルエンザは陰性。血液検査と脳の検査の結果は、「強いストレスによる影響」だった。

 自分の存在が、美恵子の心と体を追い詰めていた――そう悟った和樹さんは、ある決断をする。

関西と沖縄の二拠点生活へ

「美恵子への揺るぎない愛の証として、沖縄にセカンドハウスを購入しようと思ったんです。沖縄は、2人の共通の趣味であるスキューバダイビングを楽しむために、何度も訪れた場所ですし、本島なら、彼女が会社を辞めたあとも新しいビジネスを始められる。

 僕も関西と沖縄の二拠点生活ができます。出張が多いので、家族に怪しまれにくいという現実的な面もありますが…」

 そして、和樹さんの行動はそれまでとは一変したという。

「正直、僕はまめなタイプではありませんでした。仕事に没頭すると、連絡すら忘れてしまう。でも今は、必ず1日に3回はLINEを入れているし、FBにも居場所が分かるよう投稿しています。

 車移動ならパーキングエリア、新幹線や飛行機なら駅や空港の写真をアップすると、彼女から、『気をつけて』『お仕事頑張って』と返事が来る。それが、今の僕の支えなんです」

蒼井凜花
記事一覧
官能作家・コラムニスト
CA、モデル、六本木のクラブママの経歴を持つ異色の官能作家。近著に「CA、モデル、六本木の高級クラブママを経た女流官能作家が教える、いつまでも魅力ある女性の秘密」(WAVE出版)、「女唇の伝言」(講談社文庫)。
オフィシャルサイトYouTube

関連キーワード

ラブ 新着一覧


「好きだけどしたくない…」セックスを拒む心理&お預けくらった男の意見
 大好きな男性に対しては、自然と「セックスしたい」と思う女性が大半なはず。しかし、中には「好きだけどしたくない!」と拒ん...
恋バナ調査隊 2024-01-08 06:00 ラブ
「夫の顔は好みじゃない…」見た目以外で結婚した女性たち、何優先させた
「一生見るんだから、結婚相手のルックスはどストライクがいい!」と、“顔”で選ぼうとしている女性は少なくないはず。ですが「...
恋バナ調査隊 2024-01-08 06:00 ラブ
話しかけづらい女性オーラ出してる? 男性が寄りつかない人に3つの特徴
 合コンや婚活をした時など、男性にたくさん声をかけられる女性と、周りに男性が寄ってこない女性がいますよね。「もしかして私...
恋バナ調査隊 2024-01-08 06:00 ラブ
わかんない→なんで→てかさは危険フラグ 振られそうな時のLINEが沁みる
「私、そろそろ振られるかも…」と察した時、あなたは相手にしがみつこうとしますか? それとも別れを覚悟するでしょうか。 ...
恋バナ調査隊 2024-01-07 06:00 ラブ
「強い女」は敬遠される? 男ウケを気にするなら実践すべき3つのこと
 女性からすると「強い女」って憧れますよね。でも男性の中には「強い女が苦手」という人もいるそう…。とはいえ、強く生きてい...
恋バナ調査隊 2024-01-07 06:00 ラブ
3度目でも終わらせ方が迷宮入り コロナ禍で不倫の掟を破った50男の困惑
「冷酷と激情のあいだvol.176〜女性編〜」では、不倫相手とのセックスレスに悩み、それを理由に生活費が受け取れなくなる...
並木まき 2024-01-06 06:00 ラブ
不倫相手とレス…でも47歳女が本当に恐れているのは「固定手当の消滅」
 男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人...
並木まき 2024-01-06 06:00 ラブ
コナン君張りの小さな名探偵参上!子供がきっかけで不倫がバレた衝撃エピ
 子供は素直で純粋。それが「不倫がバレるきっかけ」になる場合もあるようです。いったいどのようにしてバレるのか、経験談をご...
恋バナ調査隊 2024-01-06 06:00 ラブ
「浮気されて別れた」「私も…」出たー!悲劇のヒロインは話をかっさらう
 まるで自分が物語の主人公であるかのように振る舞う「悲劇のヒロイン症候群」を知っていますか?  周りの人に「かわ...
恋バナ調査隊 2024-01-06 06:00 ラブ
夫婦の会話にツッコミ要求までする? 大阪人の夫にストレスを感じた瞬間
 夫婦の出身地がどこかによって、家庭の雰囲気は変わるかもしれません。特にノリがいい大阪人の夫がいる家庭は、なんとなく明る...
恋バナ調査隊 2024-01-06 06:00 ラブ
「貧乏な男と結婚」は愛があっても正直しんどい…おすすめしない理由5つ
 人は見た目や条件ではなく、心だなんていいますが、実際問題はどうなのでしょうか? 貧乏な男と結婚しても、愛があれば大丈夫...
恋バナ調査隊 2024-01-05 06:00 ラブ
土曜夜は仲良しデー♡ セックスレスは無縁のツワモノ夫婦に学ぶ秘訣5つ
「出産してからほとんどしてない…」と、レスに悩んでいる夫婦は多い様子。しかし反対に、レスとは無縁の夫婦が存在するのも事実...
恋バナ調査隊 2024-01-05 06:00 ラブ
たくさんモテても意味ないって言うよね? その4つの理由を紹介します。
「モテまくって、男性を手のひらで転がしてみたい♡」「たくさんの男性から貢がれたい♡」なんて願望は、非モテ女が一度は抱くも...
恋バナ調査隊 2024-01-05 06:00 ラブ
久しぶりで股関節も硬い…40女“ご無沙汰ベッドイン”を楽しむヒント3つ
 久々にいい感じの男性が現れた時、女性もエッチの予感が多少なりともするもの。  けれど、久しぶりすぎて、どんなふうにす...
内藤みか 2024-01-04 09:38 ラブ
【2023年人気記事】認知症の兆候?義父との性生活を赤裸々に話す義母
 2023年は「コクハク」をご覧いただき、誠にありがとうございました。反響の大きかった記事を再掲載します。こちらの記事初...
並木まき 2024-08-17 08:42 ラブ
女性の収入を頼りにするヒモ男 2024年は好きになる前に嗅ぎ分ける!
 女性の収入を頼りに暮らす「ヒモ男」は、積極的にあまり彼氏にしたいタイプではありませんよね。でも、世の中にはヒモ男を好き...
恋バナ調査隊 2024-01-04 06:00 ラブ