芸人たちが生き生きとしていた?「さんまのお笑い向上委員会」深夜生放送に登場した「音声カット」の奇観

更新日:2025-12-26 17:03
投稿日:2025-12-26 17:00

 12月24日深夜に生放送された「さんまのお笑い向上委員会クリスマス生放送SP」(フジテレビ系)について、《面白いトークで盛り上がってんのは伝わるけど 音声伏せ多すぎて、何が何だかよくわからない》といった視聴者からの意見がXに相次いだ。

「向上委員会」は通常は収録放送だが、この日のSPは深夜0時25分からの生放送。例年、クリスマスイブのこの時間帯は「明石家サンタの史上最大のクリスマスプレゼントショー」が放送されるが、今年は「向上委員会」に差し替えられた。番組冒頭、司会の明石家さんま(70)は「明石家サンタの代わりにとかいうことは、言っちゃダメ」と、イレギュラーな放送になったことに言及したが、すかさず、手元の「コンプライアンスレバー」なる装置に手を掛けた。

 すると、生放送にもかかわらず、スタジオ内の音声は全カット。代わりに流れ出したのは歌手の山野さと子(62)が歌う「おめでとうクリスマス」。数秒間の「口パク」のあと、さんまがレバーを戻すと、音声は元通りに。さんまは「今回、ちょっと、いろいろルールがあって。生、ヤバイからこれがある」と、その“存在意義”を明かしたのだった。

「レバーについては、フジテレビの原田葵アナから『生放送ということで、フジテレビはメディアの持つ社会的影響力の大きさを自覚』しているといった、奥歯に物が挟まったような説明がされていました」(テレビ番組制作会社ディレクター)

 そもそも「明石家サンタ」が放送できなかったのは、元SMAPの中居正広氏(53)に端を発するフジテレビ問題のせいともっぱらだ。一時期、CMのほとんどが差し止めになり、さんまは3月1日の「ヤングタウン土曜日」(MBSラジオ)で、「明石家サンタ」が中止の危機にあることをすでに明かしていたほどだ。

「恐らく今年はスポンサー不足のため、例年なら用意できていたクリスマスプレゼントも用意できず、『明石家サンタ』が放送できなかった。そんな“大人の事情”を口に出せない、言ってはいけないという状況と、“音声を消す演出”を重ね合わせて、それを番組全体のコンセプトにして視聴者に伝えたいということなのでしょう」(前出のテレビ番組制作会社ディレクター)

 このあと、番組終了までたびたび「コンプライアンスレバー」で音声がカットされたため、視聴者からは《コンプライアンスレバーずっと発動してて何も聞こえなくて…》といった不満が続々と上がる事態に。「一部には芸人たちがいつもよりも生き生きと発言していたなんて声もあります」(テレビ誌ライター)というが、「放送できないものを楽しめ」と言わんばかりのコンセプトは、さすがに視聴者には酷だったのではないか。

  ◇  ◇  ◇

「疑惑に対する説明がない」のと「コンプライアンスの縛りでテレビがつまらない」のは別問題だ。関連記事【もっと読む】結局、「見たい人だけが見るメディア」ならいいのか? 「DOWNTOWN+」に「ガキ使」過去映像登場決定で考えるコンプライアンス…では、混同されがちな2つの要素をきちんと分けたうえで論を進めている。

エンタメ 新着一覧


朝ドラ史上に残るラブシーン。インテリはこれだからー!視聴者をやきもきさせた深夜の本庁トーク
 優未(竹澤咲子)から、思わぬところに優三(仲野太賀)の手紙が入っていたことを教えられた寅子(伊藤沙莉)。寅子のことばか...
桧山珠美 2024-08-10 08:58 エンタメ
寅子と航一どうなる? 花江訪問、涼子忠告、優三ラブレターの“一押し”3連チャン
 予想していなかった人物の突然の訪問に、喜びを爆発させる寅子(伊藤沙莉)。優未(竹澤咲子)と稲(田中真弓)も加わり、4人...
桧山珠美 2024-08-08 17:00 エンタメ
フワちゃん炎上で再評価? 竹内涼真ら「誤爆」で好感度が上がった芸能人
 タレントのフワちゃん(30)がお笑い芸人のやす子(25)に向けて放った暴言が大きな騒動を巻き起こしている。8月4日、X...
「じゅん散歩」のロケに突然、朝ドラ女優が登場! しかも黒髪から“ファンキーヘア”になっていた
 リモートワークの日は、羽鳥さんのモーニングショーからそのまま「じゅん散歩」(月〜金曜9時55分、テレビ朝日系)を見るの...
【写真特集】懐かしい!16年前の渡辺梓さん
  【この写真の本文に戻る⇒】「じゅん散歩」のロケに突然、朝ドラ女優が登場! しかも黒髪から“ファンキーヘア”になって...
「クソばばあ」に「クソ小僧」、涼子のリアクションにも注目
 寅子(伊藤沙莉)は、戦争によって航一(岡田将生)が背負った苦しみに寄り添いたいと思う。  一方、寅子から「よりど...
桧山珠美 2024-08-08 16:37 エンタメ
早くも“NHK御用達俳優”の片鱗が?「虎に翼」出演の岡部ひろきはそんじょそこらの2世俳優とは違う
 1日放送「ダウンタウンDX」(日本テレビ系・読売テレビ制作)に故・西城秀樹さんの息子・木本慎之介(20)が出ていました...
なぜ令和ロマンは賞レースに出続ける?3冠制しヘイトも無視する戦闘力
 芸歴10年以下のお笑い賞レース「ABCお笑いグランプリ」(テレビ朝日系/以下ABC)が7月7日に開催。M-1に続き、令...
帽子田 2024-08-03 06:00 エンタメ
航一の秘密、明かされる。久々の回想シーンでも発揮した直道の顔芸パワー
 判決後、涼子(桜井ユキ)の店で寅子(伊藤沙莉)らと杉田(高橋克実)たちは偶然顔を合わせる。  戦争で娘と孫を亡く...
桧山珠美 2024-08-02 16:00 エンタメ
【写真特集】ワンピース姿を披露する、珍しく清楚なあやまん監督
【この写真の本文に戻る⇒】 【独自レポ】あやまんJAPANは健在だった! Tバックにぽいぽいコール、コンプラ無視の危ない...
優未の言葉「困っている子を助けるのは普通」に教えられた真っ当なコト
 寅子(伊藤沙莉)と航一(岡田将生)は、涼子(桜井ユキ)の店がたびたび嫌がらせを受けていたことを知る。警察に相手にされず...
桧山珠美 2024-07-31 16:30 エンタメ
赤いミサンガの女・美佐江、来た~!“放置エピソード”の回収がお見事
 寅子(伊藤沙莉)と優未(竹澤咲子)の姿を見ていきなり号泣した杉田(高橋克実)。実は杉田は昭和20年の長岡空襲で娘と孫を...
桧山珠美 2024-07-29 16:45 エンタメ
目黒、ニノを“沼落ち”続出の松村北斗「西園寺さん」が猛追!視聴率やTVerではない意外なデータが急上昇
 7月も後半に入り、2024年夏期主要ドラマの初回がほぼ出揃った。その中でも特に、STARTO ENTERTAINMEN...
こじらぶ 2024-07-27 06:00 エンタメ
「ごめんなさい」を連呼する航一。“戦時中の何か”は来週判明する?
 玉(羽瀬川なぎ)の将来を奪ったのは自分だと、涼子(桜井ユキ)も悩んでいた。寅子(伊藤沙莉)は2人の決断を応援するため、...
桧山珠美 2024-07-29 15:49 エンタメ
涼子さまの消息も明らかに…「ヒロインじゃない面々」のその後を描く意味
 寅子(伊藤沙莉)は「学校に友達はいない」という優未(竹澤咲子)の発言が気にかかる。  出勤すると、杉田(高橋克実...
桧山珠美 2024-07-23 15:45 エンタメ
夏ドラマ何見てる?『新宿野戦病院』『ブラックペアン2』への本音を調査
 2024年7月スタートの夏ドラマが出揃ってきましたね。今期もたくさんのドラマが放送していて、どれを見ればいいのかわから...