岡田准一は役にストイックに徹し愛されキャラを生む「普通」の人

更新日:2025-12-28 17:03
投稿日:2025-12-28 17:00

【今週グサッときた名言珍言】

「僕もどこかからか、『ひらパー』のポスターになるために役柄決めてってるところ(笑)」
 (岡田准一/TBS系「A-Studio+」12月19日放送)

  ◇  ◇  ◇

 いまや俳優のみならず殺陣師やプロデューサーとしても映像作品にかかわっている岡田准一(45)。彼のもうひとつの顔が「ひらパー兄さん」だ。地元・大阪府枚方市にある老舗遊園地「ひらかたパーク」を盛り上げるキャラクターを2013年から10年以上にわたり続けている。大阪では「ひらパー兄さんが副業で役者やってる」と思われているとうそぶく彼が続けて語った一言が今週の言葉だ。

 織田信長を演じた23年の大河ドラマ「どうする家康」(NHK)放送の時は「どうする許諾」のコピーで、よろいに「園長(そのなが)」と書かれたポスターが作られた。このように、彼がその時々に演じている映画やドラマに合わせたパロディーポスターが作られている。「どうせやるなら本当に貢献できて、目立たなきゃいけないので。ローカルCMで地味にやっててもしょうがない」という思いがあるという。

 ふざける時は思いっきりふざけるのが岡田の流儀なのだろう。今年から始まった新番組「今さらシロー!」(TBS系)でも、自由にボケまくることでは芸人界屈指のロバート秋山を相手に、いつの間にか秋山がツッコミに回るほどボケまくっている。だが、10代の頃はバラエティーに苦手意識があった。

「うちのグループ(V6)で言うと森田(剛)くんとかって天才肌だと思うんだけど、天才肌の人たちがいて、それを見て『俺は普通だ』っていうのを若い頃に分かっちゃった」(TBS系「櫻井・有吉THE夜会」16年12月8日)という岡田はその劣等感から、アイドルとしての“反抗期”があり、バラエティー番組と距離を取り、メンバーとも口をきかなくなった時期があったという。

 その頃の岡田を支えていたのは読書だった。小説はもちろん、哲学、心理学から自己啓発、宗教、スピリチュアルなものまで何でも読み漁り、ストイックに吸収していった。それが「普通」の自分が「天才」たちと渡り合える唯一の方法なのだと。

 そうして出合ったのが、ドラマ「木更津キャッツアイ」(TBS系)の、余命宣告を受けながらも「普通」で居続け、仲間とふざけ合う「ぶっさん」という役だった。「『岡田くんかっこいい』って言われ続ける限りは、芝居として認められてるわけではない」と考え、岡田がずっと目指してきたのは「役柄が愛される」ことだと冒頭の番組でも明かしている。

 いまだに「ぶっさんが好きです」と言われることが多いという岡田。それは「ひらパー兄さん」も同じだ。ストイックに「役」に徹することで誰からも愛されるキャラを生み出しているのだ。

(てれびのスキマ 戸部田誠/ライタ―)

エンタメ 新着一覧


寅子の「心が躍るような」結婚式。放送残り1カ月ちょっと、NHKにスピンオフで描いてほしいこと
 お互いそれぞれの名字を名乗ったうえで、「夫婦のようなもの」になることを決めた寅子(伊藤沙莉)と航一(岡田将生)。猪爪家...
桧山珠美 2024-08-24 06:00 エンタメ
なぜ田中みな実は「いらん一言」を放つのか。女優ヅラ発言の真意を考察
 放送中のドラマ『ギークス〜警察署の変人たち〜』(フジテレビ系)にて、3人の主要キャラのうちの1人に抜擢されている田中み...
堺屋大地 2024-08-23 06:00 エンタメ
【写真特集】女子アナ時代、初々しい浴衣姿の田中みな実
【この写真の本文に戻る⇒】 なぜ田中みな実は「いらん一言」を放つのか。女優ヅラ発言の真意を考察
航一は本当に明治生まれなのか?「夫のようなもの」を許容できる男に疑惑
 航一(岡田将生)から、そこまで悩むのなら結婚をやめようと告げられた寅子(伊藤沙莉)。それは婚姻届を出す結婚をやめようと...
桧山珠美 2024-08-24 00:23 エンタメ
『ラヴィット!』に疑問の声。違和感たっぷりでもギャル曽根の「超ギャルル」を推すワケ
「日本でいちばん明るい朝番組」をコンセプトに、平日の朝に笑いと情報を届けている人気番組『ラヴィット!』(TBS系)。 ...
寅子版「自分会議」はユニークな演出だった! “ラスボス”百合さんに俄然注目
 結婚したら、自分か航一(岡田将生)のどちらかの名字が必ず変わることに、改めて気付いた寅子(伊藤沙莉)。  自分が...
桧山珠美 2024-08-20 15:30 エンタメ
【写真特集】ゆきぽよ、涙の水着謝罪&体重5キロ増の等身大パネル
【この写真の本文に戻る⇒】 ゆうちゃみの「オジサン転がし」を嫌悪するな。藤田ニコルも辿った一流ギャルタレントへの道
ゆうちゃみの「オジサン転がし」を嫌悪するな。藤田ニコルも辿った一流ギャルタレントへの道
 今をときめくギャルタレントである古川優奈こと「ゆうちゃみ」。『Popteen』モデルを経て『egg』の専属モデルを長年...
堺屋大地 2024-08-19 06:00 エンタメ
セレブとはなんぞや? 日本版「スカイキャッスル」の楽しみ方と“伸びしろだらけ”俳優
 本家韓国版「SKYキャッスル」に比べてチープ過ぎる、と酷評されている「スカイキャッスル」(テレビ朝日系)ですが、私は毎...
【写真特集】♥田辺誠一と大塚寧々の結婚発表会見♥(2005年撮影)
  【この写真の本文に戻る⇒】セレブとはなんぞや? 日本版「スカイキャッスル」の楽しみ方と“伸びしろだらけ”俳優
蠢く2組の恋模様。“台所公開プロポーズ”で攻める航一、漢・轟太一は堂々のカミングアウト
 直明(三山凌輝)と花江(森田望智)はそれぞれの同居に対する思いを語る。猪爪家を離れるのが寂しいと言う直明に対し、花江は...
桧山珠美 2024-08-17 06:00 エンタメ
論破王ひろゆき氏ばりに反論!直明の婚約者、放送終了間際でも爪痕を残す
 結婚しても同居を続けたいと主張する直明(三山凌輝)と、同居に反対する花江(森田望智)の対立は続いていた。どちらの気持ち...
桧山珠美 2024-08-15 16:20 エンタメ
再び東京編で“嫁姑”。花江はサザエさん、寅子はこんもりマダムヘアーに
 寅子(伊藤沙莉)と航一(岡田将生)は、互いの思いを確かめ合う。  そして昭和30年、東京に戻ることになった寅子は...
桧山珠美 2024-08-12 17:00 エンタメ
中丸雄一はいつまで地下に潜む? “アパ丸君のざわめく時間”を描く日は来るのか
 いやあ、驚きました。人は見かけに寄らないというか。KUT-TUNの中丸雄一(40)のことです。  女子大生とのア...
【写真特集】ぎらついていた時代のKAT-TUNメンバーたち
  【この写真の本文に戻る⇒】中丸雄一はいつまで地下に潜む? “アパ丸君のざわめく時間”を描く日は来るのか
朝ドラ史上に残るラブシーン。インテリはこれだからー!視聴者をやきもきさせた深夜の本庁トーク
 優未(竹澤咲子)から、思わぬところに優三(仲野太賀)の手紙が入っていたことを教えられた寅子(伊藤沙莉)。寅子のことばか...
桧山珠美 2024-08-10 08:58 エンタメ