Xmasイブの番組を見て思った「明石家サンタ」消えたのは残念!「さんま御殿SP」は面白かった
【桧山珠美 あれもこれも言わせて】
今年はクリスマス恒例「明石家サンタ 史上最大のクリスマスプレゼントショー」(フジテレビ系)の放送がなかった。
視聴者が電話で明石家さんまに「不幸話」をして豪華景品をゲットするというそれだけの企画だが、イブといってもさしたる予定もない人間にとっては生放送のこの番組が心のよりどころという人も多い。クリスマスを感じさせてくれる唯一の楽しみがなくなってガッカリ。正直、困る。
その代わりに放送されたのが「さんまのお笑い向上委員会クリスマス生放送SP」。堀内健や陣内智則らいつものメンバーが集まり、生放送でワイワイガヤガヤ。芸人の秩序なきトークと果てしないバカ騒ぎは自分たちだけで盛り上がっているだけでこちらにはただの騒音でしかない。こういうのじゃないんだよなあ~、とそっとテレビの電源を切った。
「明石家サンタ」にはイブに同じ時間を共有するという確かな特別感があったが、残念ながら「向上委員会」にはそれがない。やっぱり「明石家サンタ」でなければならないのだ。八木亜希子の安定した進行に木田優夫と松尾伴内の人畜無害な顔ぶれが恋しい。
同じさんまの特番でも「踊る!さんま御殿‼ 豪華4時間SP」(日本テレビ系)は見応えがあった。「今年がんばった有名人」「クリスマスにひとりぼっちの有名人」など年末の空気に合ったテーマを用意し、それなりのゲストが出演した。
今回は初めて番組に登場するのんや吉村洋文大阪府知事、大阪万博の大屋根をデザインした建築家の藤本壮介、映画「8番出口」の歩く男、河内大和の姿も。「国宝」の吉沢亮ではなく、「8番出口」の大和をブッキングするところもこの番組らしい。
■ゆうちゃみの祖母、ばばちゃみが面白かった
中でも「さんまに会いたい人」くくりで登場したゆうちゃみの祖母、通称ばばちゃみが面白かった。昔からさんまが大好きでハグをお願いし、さんまにギュッとされて大喜び。それを見ていたゆうちゃみがウルッとする場面も。
■大人のドラマ「ドビュッシーが弾けるまで」
それらとは真逆のしっとりしたいいドラマもあった。フジ系のスペシャルドラマ「ドビュッシーが弾けるまで」。妻が亡くなり、抜け殻のようになっていた男が妻の好きだった曲「月の光」を弾こうとピアノを始める。これが大人のドラマに仕上がっていた。妻(片平なぎさ)の遺影の周りには山崎、白州、角……といったサントリーのウイスキーがずらり。やたらとウイスキーをたしなむ場面があり、しかも、いつもきっちりラベルを視聴者に見せるように並んでいるところはまるでウイスキーのCMみたいな感じだが、ご愛嬌ということで。やっぱり大人にはウイスキーが似合うし、イブの夜にこんな人生ドラマも悪くない。
ピアノでも始めるかと思った人もいるのでは。
(桧山珠美/コラムニスト)
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