Xmasイブの番組を見て思った「明石家サンタ」消えたのは残念!「さんま御殿SP」は面白かった

更新日:2025-12-28 17:03
投稿日:2025-12-28 17:00

【桧山珠美 あれもこれも言わせて】

 今年はクリスマス恒例「明石家サンタ 史上最大のクリスマスプレゼントショー」(フジテレビ系)の放送がなかった。

 視聴者が電話で明石家さんまに「不幸話」をして豪華景品をゲットするというそれだけの企画だが、イブといってもさしたる予定もない人間にとっては生放送のこの番組が心のよりどころという人も多い。クリスマスを感じさせてくれる唯一の楽しみがなくなってガッカリ。正直、困る。

 その代わりに放送されたのが「さんまのお笑い向上委員会クリスマス生放送SP」。堀内健や陣内智則らいつものメンバーが集まり、生放送でワイワイガヤガヤ。芸人の秩序なきトークと果てしないバカ騒ぎは自分たちだけで盛り上がっているだけでこちらにはただの騒音でしかない。こういうのじゃないんだよなあ~、とそっとテレビの電源を切った。

「明石家サンタ」にはイブに同じ時間を共有するという確かな特別感があったが、残念ながら「向上委員会」にはそれがない。やっぱり「明石家サンタ」でなければならないのだ。八木亜希子の安定した進行に木田優夫と松尾伴内の人畜無害な顔ぶれが恋しい。

 同じさんまの特番でも「踊る!さんま御殿‼ 豪華4時間SP」(日本テレビ系)は見応えがあった。「今年がんばった有名人」「クリスマスにひとりぼっちの有名人」など年末の空気に合ったテーマを用意し、それなりのゲストが出演した。

 今回は初めて番組に登場するのんや吉村洋文大阪府知事、大阪万博の大屋根をデザインした建築家の藤本壮介、映画「8番出口」の歩く男、河内大和の姿も。「国宝」の吉沢亮ではなく、「8番出口」の大和をブッキングするところもこの番組らしい。

■ゆうちゃみの祖母、ばばちゃみが面白かった

 中でも「さんまに会いたい人」くくりで登場したゆうちゃみの祖母、通称ばばちゃみが面白かった。昔からさんまが大好きでハグをお願いし、さんまにギュッとされて大喜び。それを見ていたゆうちゃみがウルッとする場面も。

■大人のドラマ「ドビュッシーが弾けるまで」

 それらとは真逆のしっとりしたいいドラマもあった。フジ系のスペシャルドラマ「ドビュッシーが弾けるまで」。妻が亡くなり、抜け殻のようになっていた男が妻の好きだった曲「月の光」を弾こうとピアノを始める。これが大人のドラマに仕上がっていた。妻(片平なぎさ)の遺影の周りには山崎、白州、角……といったサントリーのウイスキーがずらり。やたらとウイスキーをたしなむ場面があり、しかも、いつもきっちりラベルを視聴者に見せるように並んでいるところはまるでウイスキーのCMみたいな感じだが、ご愛嬌ということで。やっぱり大人にはウイスキーが似合うし、イブの夜にこんな人生ドラマも悪くない。

 ピアノでも始めるかと思った人もいるのでは。

(桧山珠美/コラムニスト)

エンタメ 新着一覧


航一も明治生まれの男。娘に手を上げるのか!? と一瞬緊張が走ったシーン
 のどか(尾碕真花)の婚約者・誠也(松澤匠)が星家にやってくる。しかし、星家では航一(岡田将生)と優未(川床明日香)が優...
桧山珠美 2024-09-12 17:15 エンタメ
「東出昌大の再婚を叩いたら負け」なのか? SNS社会は彼に試されている…
 2015年1月、朝ドラ『ごちそうさん』で夫婦役を演じた杏と結婚して3人の子を授かるも、映画『寝ても覚めても』で共演して...
堺屋大地 2024-09-11 06:00 エンタメ
夫婦水入らずの何気ないシーンが描いたもの。爆速で進む物語、子どもたちは誰が誰やら…
 8年にも及ぶ「原爆裁判」を終えた寅子(伊藤沙莉)たち。竹中(高橋努)は渾身の記事を書き、よね(土居志央梨)と轟(戸塚純...
桧山珠美 2024-09-12 16:53 エンタメ
岡田将生「ラストマイル」沼にハマる人続出!「虎に翼」との共通項も考察
この投稿をInstagramで見る 映画『ラストマイル』公式【大ヒット上映中】(@...
【写真特集】若っ!金髪姿の岡田将生。浴衣、くるんくるんパーマヘアも…
【この写真の本文に戻る⇒】岡田将生「ラストマイル」沼にハマる人続出!「虎に翼」との共通項も考察
朝ドラ史上、いやテレビ史上に残る名判決シーン。「政治の貧困」の言葉が胸に突き刺さる
 昭和38年6月、桂場(松山ケンイチ)は最高裁判事のひとりに任命される。  竹もとで修業に励む梅子(平岩紙)、そし...
桧山珠美 2024-09-07 06:00 エンタメ
夕飯のカレーで描いた星家の“遠慮のない家族”への変化。入山法子の名場面を振り返り
 昭和37年1月、「原爆裁判」の原告のひとり、吉田ミキ(入山法子)が法廷に立つことを承諾。広島から上京してきたミキを、原...
桧山珠美 2024-09-05 17:30 エンタメ
虎に翼の脚本は朝ドラ特有の“中だるみ”なし!塚地出演「あさイチ」との連携プレイにも救われた
 昭和34年、優未(毎田暖乃)は高校1年生に。直明(三山凌輝)と玲美(菊池和澄)の間に子供が産まれ、猪爪家はますますにぎ...
桧山珠美 2024-09-02 17:30 エンタメ
東出昌大“狩猟系イケメン”面目躍如。通り過ぎていった女性たちは何を思う
 期待に応える男、東出昌大(36)がまたまたやってくれました。今度は“デキ婚”ですって。いつかやってくれるだろうとは思っ...
第110回感動のラストシーン! 余貴美子演じる百合さんの“ある台詞”がとっても可愛かった
 寅子(伊藤沙莉)たちとの同居がつらいと本心を語り、家を出ようとするのどか(尾碕真花)。そんな彼女に、優未(毎田暖乃)は...
桧山珠美 2024-08-31 06:00 エンタメ
【写真特集】10年前の初々しい東出昌大。オールバック、ナチュラル、横流し…髪型3変化
【この写真の本文に戻る⇒】杏との離婚から4年、東出昌大“デキ再婚”で話題の養育費問題。子のために前妻が即やるべき事【弁護...
虎に翼108回目でお見事だった2つのシーン。世の中の“普通人”の理不尽な思いを代弁させた
 稲垣(松川尚瑠輝)と小橋(名村辰)にも手伝ってもらい、裁判所で中学生向けの法律の勉強会を開いた寅子(伊藤沙莉)。だが話...
桧山珠美 2024-08-28 17:15 エンタメ
松本人志はいまや「憧れの芸人」ではない。若手芸人が話す3つの理由
「生きるお笑い界の伝説」ことダウンタウン松本。還暦を迎えた今も大人気の冠番組を複数抱え、お笑い界で最も大きな発言権を誇る...
帽子田 2024-08-28 09:38 エンタメ
なんて賢い子!“星家イチのオトナ”が優未だった件。27日あさイチに“料理男子”井上祐貴が降臨
 寅子(伊藤沙莉)と優未(毎田暖乃)は星家で暮らし始めるが、航一(岡田将生)の長男・朋一(井上祐貴)、長女・のどか(尾碕...
桧山珠美 2024-08-26 17:35 エンタメ
木戸大聖が世間に見つかってしまった!月9「海のはじまり」スピンオフでファン急増中
 めめ(目黒蓮)の体調不良が心配でなりません。現在、フジテレビ系月9「海のはじまり」に主演していますが、Snow Man...
平手友梨奈がHYBEと契約終了、2度目の退所で訪れる転機。神童が“本物”に返り咲く日
 平手友梨奈(23)が今月8日、韓国の大手芸能事務所「HYBE」日本本社のレーベル「NAECO」との専属契約を終了した。...
こじらぶ 2024-08-24 06:00 エンタメ