脳髄とポルチオ性感帯とわたし
それなのに。
わたしは玄関に押しつけられて後ろから挿入され、頭を押さえられ、両腕は激しい力で羽交い絞めにされて身動きが取れない。挿入され、わたしの両方の太ももはググッとひろしの膝で大きく広げられ、力が入らず、蹴り飛ばすこともできない……。
ひろしが乱暴に挿入すればするほど抵抗できず、酔っ払いの脳髄にズンズンと響いて打ちつけられる爆発しそうなよく分からない痴情がポルチオ性感帯のあたりから湧き上がってきます。
脳髄とポルチオが玄関のドアとひろしの間に挟まれ、串刺しになっているわたしに容赦無く一筋のエクスタシーを巻き起こらせようとします。
愛している人、裏切り、信用できない、ジンリッキー、ペニス、破れたワンピース、液体、すべてがごちゃまぜになって、やだぁぁやだ……やぁ……やだぁぁぁと叫び続けるわたし。
その泣き声を聞いたひろしのペニスがふと弱まった瞬間、わたしは羽交い締めから逃げ出そうともがいて玄関に倒れ込みます。そのまま這いつくばって逃げようとするもわたしの腰をがっちりと抱え込むひろし。そして、まだまだ這いつくばって逃げようとするわたしを後ろに引きずるようにし、再びペニスを挿入します。
グチュグチュ、音が大きくなります。グチュグチュベチャ……。
わたしに悔しいという感情が芽生えます。でも死ぬほど嫌な時と死ぬほど気持ちいい時、どちらかにある時、女子は尋常もない量の液体を放出するのです。憎悪と絶頂。
羽交い絞めからのクリトリス愛撫
わたしが抵抗しなくなると、ひろしは突然ピストンをやめてペニスを抜き、今度は仰向けに。そして、わたしのクリトリスをそれはそれは優しく吸い始めたのです。
さきほどからのポルチオ性感帯への乱暴な刺激と憎悪と快感がすべて一緒くたになって、痙攣が止まらないほどのエクスタシーがわたしを支配します。
クリトリスを吸いながら膣に舌を差し込みつつ、わたしの全身を愛撫するひろし……。私はひろしの頭を抱え、何度もイキながら海老反りになっては一向にやめないひろしに身を任せます。
とにかく「挿れて欲しい!」のデフレスパイラル
そして、目がさめると朝。
玄関で仰向けのままのわたしと、下半身に顔をうずめて寝ているひろし。いろんな物事の判断をする前頭葉が、草木も生えない状態にされるとはまさにこのことです。
からの……
えーと……。嘘偽りなく申し上げると、本当にこれ、相手の年齢は81歳ですからね。裏切りと快感のトランス状態とでも申しましょうか。善悪の判断どころか、自分がどうしたいかというのもよく分からない状態にされているのに、もっとしたい、もっと欲しい、なんでもするから挿れて欲しいというデフレスパイラルに陥ります。
もっと、もっと…
たとえば、まだ仕事が終わっていないのに呼ばれるとすぐに向かってしまう、とか。なんでもいうことを聞く。なぜならご褒美が他の誰でもない、ひろしからしか与えられないものだから。
セックス・アンド・ザ・シティのキャリーもわたしも、結局ひとり暮らしの部屋を解約してしまって、またすったもんだ(1994年の流行語大賞)が巻き起こるのですが、またそれは別の話ということで……。
下半身にあるひろしの頭を抱えたまま、うすぼんやりと天井を見ながら「オナカスイタ」と考えていたわたしですが、問題はここから。
ひろしと浮気相手のウキウキ旅行計画は、次回に続きます!
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