厳しい言葉も…シングルマザーはなぜ恋をしちゃいけないの?

内藤みか 作家
更新日:2019-10-21 16:23
投稿日:2019-10-21 06:00
 テレビの婚活番組や婚活イベントにシングルマザーが参加するのも珍しくない時代になりました。けれど、そうした女性に対し「子どもがいるのにそんなことして」と厳しい言葉を投げる人が少なくありません。シングルマザーが恋をすることに、なぜ世間は厳しいのでしょうか。

母親が女になることを毛嫌いする社会

 日本では、子育て中の母親が女の顔をのぞかせることを毛嫌いする風潮があります。私も「子育て中なんだから変な色気なんか出さずに子育てに集中してなさいよ」と叱られたことがあります。でも、今まで夫がいたのにいなくなったシングルマザーのさみしさはかなりのもの。やっぱり恋をしたいのです。それなのに、さみしさを我慢して子育てだけしてりゃいいんだよとシングルマザーを突き放し、孤立させてしまっては気の毒です。

 恋愛に夢中になり、子どもをほったらかしてしまう女性もいますが、それはごく一部。本気で子どもを愛していれば、恋も育児もさらに仕事も両立させようと頑張るものです。なんらかの理由で過去に破局してしまったけれど、一瞬であれ幸せな結婚生活を味わった彼女たち。子どものためにもなんとか家庭を再建しようと前向きに頑張るのは素晴らしいことだと思うのです。

子どもがかわいそうという意見

 シングルマザーが婚活することを嫌がる理由として「子どもがかわいそう」という決まり文句を投げる人も多くいます。でも、一体何をもってかわいそうなのでしょうか。新しいお父さんが現れることはむしろ喜ばしいことなのではないでしょうか。シングルマザーの婚活を嫌がるということは、シングルマザーはシングルマザーのまま子どもが成人するまでひとりで頑張れということです。これはあまりにも冷たく厳しい考えです。

 実際の子どもはどうでしょうか。子どもも父親がいなくなってさみしいわけですから、一緒に遊んでくれる大人の男の人が来たら大歓迎するものなのです。私の子どもたちも小さい頃は「新しいお父さんを連れてきて!」と私に何度もせがみ、困らせました。子どもこそが母親の再婚を願っているケースもあるので、他人が「かわいそう」と決めつけるのはちょっと乱暴です。

相手の男性への配慮とは

 また「相手の男性が気の毒」という意見もありますが、実は、あえてシングルマザーを望んで婚活する男性もいるのです。諸事情で子どもができないので子どもを養子に迎えたいという人もいますし、一度結婚した女性なら、男性との生活にも慣れているだろうという安心感もあるようです。もちろんシングルマザーはお断りという男性もいますが、そういう人とはお互いのニーズが一致しないのだから、最初からお付き合いしなければいいだけの話です。

子どもの父親はどこに行ったか問題

 そもそも、子どもは1人では産めません。父親がいるはずですが、その父親とはなぜ離婚してしまったのでしょうか。私の知り合いにこんな女性がいます。夫が外に女を作り、妻子を置いて家を出て行ってしまったのです。残された彼女はシングルマザーで頑張っていますが、今度はちゃんとした人を見つけて幸せになりたいと願っています。私にはそんな彼女に「子どもがいるのに婚活するなんて」とはとても責められません。責められるべきは、身勝手な父親なのですから。

 けれど妻子を捨てて他の女に走った男性を世間が責める様子はあまり見かけません、それはなぜでしょうか。彼のそばには子どもがいないから、彼の罪は気づかれないだけなのです。けれど捨てられたシングルマザーのそばには子どもがいるので、周囲もすぐにひとり親だとわかるんですよね。

 苦労して子育てしているシングルマザーたちの幸せを私は願っていますし、彼女たちの婚活にも賛成しています。そして、精一杯のおしゃれをして婚活しているシングルマザーを温かく受け入れてくれる社会であってほしいと思っています。

内藤みか
記事一覧
作家
著書80冊以上。大学時代に作家デビューし、一貫して年下男性との恋愛小説を書き綴る。ケータイ小説でも話題に。近年は電子媒体を中心に活動。著書に「あなたに抱かれたいだけなのに」など。イケメン評論家として、ホストや出張ホストなどにも詳しい。
XInstagram

関連キーワード

ラブ 新着一覧


初めての“女風”。セラピスト100人を熟考、相手の決め手となった一文は…
 パートナーなしの50歳独女ライター、mirae.(みれ)です。48歳で男性経験がないながらも、性的関心だけは人並み以上...
mirae.(みれ) 2024-09-15 13:53 ラブ
彼氏宅“おうちデート”で見るべき場所5選。「トイレが汚いのはダメ男」と納得できるワケ
 今回は、イイ感じの関係になっている男性からおうちデートに誘われたときに見るべき場所・ポイントを紹介します。部屋を見れば...
恋バナ調査隊 2024-08-25 06:00 ラブ
「ウチのは、過剰なルッキズム信仰」美に固執する妻からの“加齢臭いじり”に疲れ果てる54歳男性
「冷酷と激情のあいだvol.210〜女性編〜」では、結婚11年目を迎え、年齢に伴って見た目がどんどん老いていく夫に切実な...
並木まき 2024-08-24 06:00 ラブ
加齢臭も漂う夫は「ザ・おじいさん予備軍」。生理的に厳しいと訴える46歳女性
 男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人...
並木まき 2024-08-24 06:00 ラブ
夫の疲れたアピールあるある4選「はあ~疲れた~」って喧嘩売ってるの?
 夫の「疲れた〜」という口癖、無性にイライラしますよね。仕事後や家事の後に「はあ〜、疲れた〜」と言われると、「いちいち疲...
恋バナ調査隊 2024-08-24 06:00 ラブ
昭和脳の恋愛観プレイバック6選。アップデートしてますか?
 時代とともに移り変わっていく、恋愛観。令和の今では「はあ?」と思うような恋愛観が、昭和の時代には「そうそう」だったケー...
恋バナ調査隊 2024-08-24 06:00 ラブ
女優の早見あかり《幸せ》《感謝》を並べた離婚報告に違和感。“言葉どおり”になぜ受け取れないのか
 元ももいろクローバーメンバーで女優の早見あかり(29)が20日、自身のインスタグラムを更新し、離婚を報告した。 ...
『虎に翼』に共感。40歳の私が“夫婦のようなもの”を選択した理由
 8月22日に放送されたNHK連続テレビ小説『虎に翼』は、寅子(伊藤沙莉)と航一(岡田将生)が結婚を止め、“夫婦のような...
アラフォー夫婦が抱える不満の種。旦那のイラッ、妻のイライラッ6選
 幸せそうに見えるアラフォー夫婦にも、少なからず互いに不満はあるもの。しかし、大人であるゆえ「喧嘩にならないように」と我...
恋バナ調査隊 2024-08-23 06:00 ラブ
女風の指名に異変? 20代イケメンより30代セラピスト推しの人妻が増えるワケ【経験者談】
 今や女風(女性用風俗)は都内だけで100以上のサイトがあり、需要も定着しつつあります。  最初のうちは20代のイ...
内藤みか 2024-08-22 06:00 ラブ
不倫疑惑の夫を揺さぶるカマかけフレーズ6選。キョドったらクロ確定!?
「もしかしてうちの夫、不倫してる?」と疑いを持っても、スマホをチェックしたり尾行したりするのはハードルが高いですよね。 ...
恋バナ調査隊 2024-08-22 06:00 ラブ
不倫やらかして幸せになれると思うなよっ! サレ妻たちによる決死の制裁LINE10選
 夫に不倫されてしまった「サレ妻」の女性は、毎日悲しくて涙に暮れる日々を送っているかもしれません…。でも、中には、男性た...
恋バナ調査隊 2024-08-21 06:00 ラブ
40代でもマッチングアプリでモテる方法。“テッパン4つ”を試してから止めても遅くはない!
 平成中盤までは、「若者が出会いを求めて使うもの」という印象だったマッチングアプリですが、令和の今では、大人の世代もマッ...
恋バナ調査隊 2024-08-21 06:00 ラブ
彼氏の恋愛温度が低いワケ&3つの改善点 好きな感情は私だけですか?
 彼の恋愛温度が低くて、「自分だけが好きなんじゃないか」と不満や不安を抱いていませんか? そんな場合でも彼が悪いのではな...
恋バナ調査隊 2024-08-20 06:00 ラブ
経験人数、手をにぎにぎ、下ネタ炸裂…タカが外れたのか? 勘違い男たちの“婚活セクハラ”5選
 婚活をしている女性なら、1度はセクハラのような言動を受けた経験があるのではないでしょうか? 結婚を視野に入れた出会いだ...
恋バナ調査隊 2024-08-18 06:00 ラブ
旦那が突然家出!不倫、たびたび追い込まれる、夜のアレ…非常事態下で繰り広げられた夫婦のLINE
 ある日突然、旦那が家出したらどうしますか? 大喧嘩をしたなど、家出したきっかけが明確であれば別ですが、それ以外であれば...
恋バナ調査隊 2024-08-17 06:00 ラブ