不妊治療の話は聞くけれど…卵子凍結が日本で広まらない理由

西史織 卵子凍結コンシェルジュ
更新日:2023-01-26 20:59
投稿日:2019-12-15 06:00
 日本は不妊治療の件数は世界一なのに、体外受精で赤ちゃんが産まれる確率は最下位。不妊治療の話題がたびたび上がるようになりましたが、卵子凍結は一向に広まっていません。その背景には、一部の医師からの消極的な意見があるからです。今回はその理由を解説していきたいと思います。

卵子凍結が晩婚化を加速する?

【10_卵子凍結】

 将来のために、健康な女性が卵子凍結を行うことについて、医師会の中で賛成派と反対派に意見が分かれているんです。その理由は、主に3点あります。「晩婚化の懸念」と「身体的負担やリスク」「凍結卵子の妊娠率」の問題です。

 まず、晩婚化についてお話します。

 医師の間では、卵子凍結をすることで結婚を先送りにする「晩婚化が加速するのではないか」という意見があります。ですが、実際に晩婚化が加速するかどうかは定かではありません。

 アメリカでは卵子凍結をした女性を対象としたアンケートで、凍結を選択した理由に「パートナーがいないから」と答えた方が8割にのぼります。

 このアンケート結果が示しているのは、「凍結をしたから結婚を先送りにしよう」ではなく、「結婚したくても相手がいないから若いうちに卵子を凍結しておこう」という自分が希望する将来を計画的に見すえたポジティブな意志です。単純に卵子凍結が、晩婚化を後押ししているという理由にはならないと私は思います。

西史織
記事一覧
卵子凍結コンシェルジュ
金融業界で営業、IT業界で事業開発に従事後、27歳のときに将来のことを考え卵子凍結をする。その経験から、女性のライフステージと仕事の両立についてをライフテーマに活動。妊活をしている方や卵子凍結をしたい方へ向けたクリニック検索サイト「婦人科ラボ
」を運営。Xでの情報発信や、日刊ゲンダイ、日経xWOMANでの執筆も行う。

ライフスタイル 新着一覧


賛成or反対? 職場にいる“2世社員”への本音。本人的には「バレたくない」ってなんで?
 あなたの職場に、親が会社の中心人物である「2世社員」はいますか? コネ入社ゆえに対応が厄介だったり、逆に出先では信頼さ...
「都合がいい時ばっかり!」未熟な若妻にイライラ…53歳の義母が下した“自己防衛”作戦
 息子が結婚をすれば、息子の妻(いわゆる「お嫁さん」)も家族の一員。だけど、“家族”だからこそ生まれる“摩擦”や“モヤモ...
業界人「あの子、お気に入り枠だから」の噂。芸能界に渦巻くタレント達の“自尊心と屈辱”のはざま
「この子、社長のお気に入りだから」  そういう一言を、私は何度となく耳にしてきた。現場に漂う空気は一瞬で変わる。誰...
ストレスとは「心のコップ」がたまること…自分からのSOSに気付く意外なヒント【専門家監修】
 2012年に59歳で亡くなったロック歌手・桑名正博さんとアン・ルイス(68)の長男でミュージシャンの美勇士さんや、タレ...
公園でのケガも学校のせい! ラスボス級“モンスター保護者”のヤバすぎる行動6選
 学校などに対し、自己中心的な要求をしたり理不尽に怒鳴り込みに行ったりするモンスターペアレント。そんな保護者に悩み、現場...
“イケにゃん”の貴重な大胆ポーズ♡ テレビ番組に夢中なプリンスの休日
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
部下の妻に恋をして…不適切な関係に焦がれた男の末路。色恋沙汰のスキャンダルの恐ろしさ
 職場や近所、SNS界隈に現れる「残念な人」、いますよね。実は今から約2000年前から現在に伝わる「聖書」にも「残念な人...
昼寝中の我が子がいない! 育児の恐怖体験エピソード。前世の記憶にゾッ…
 今回は、育児の恐怖体験エピソードを集めてみました。これらは誰にでも起こり得る出来事。育児真っ最中の方はぜひ参考にしてく...
【漢字探し】「嫁(ヨメ)」の中に隠れた一文字は?(難易度★★☆☆☆)
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「校閲婦人と学ぶ!意外と知らない女ことば」では、女性...
“クレクレ”ママがご降臨! 金持ちなのに「ランドセルもらえない?」って引くわ…ケチすぎLINE3選
 今回ご紹介するのは「ケチだな」と思ったLINE。ケチなのか、ケチではなくフェアなのか、人それぞれ基準は異なりますが、あ...
それ入れちゃう!?  我が家の「かさ増し食材」を大公開。節約×ダイエットにもベストな10選
 メニューの定番の食材を、別の食材で「かさ増し」させたことはありますか? 食費の節約、栄養バランスの調整、ダイエットなど...
「じゃ、誕プレとデート代返して」ってケチすぎない!? 相手の“本性”に幻滅したLINE3選
 あなたが信頼している彼氏や親友は、別の顔を持っているかもしれません。  もしも、そんな相手の本性を目の当たりにし...
「大金に手が震えた」若手芸人が打ち明ける“営業”の実態…VIP相手の席で抱いた違和感の行方
 世間を揺るがす芸能界の黒い噂。ニュースとして報じられ、真実が明らかになることも増えました。現在は清浄化が行われている芸...
推し活ロス、将来の不安…独女にこそ「サウナ」を勧めたい。暑苦しい場所が“居場所”に変わった理由
 外出もままならず、仕事も減り、推しにも会えない――そんなコロナ禍の真っ只中、アラフィフ独女の私が偶然出会ったのが「サウ...
媚びない女は憧れる女性へ、スナックママが「一匹狼を目指すな」と伝える真意
 スナックのママといえば、たいがい激動の人生を歩んできたことが多く、その会話は含蓄に富んだものばかり。  今回はつ...
換毛期が来る~! 愛するペットと飼い主のサバイバル術。ガチで“使える”のはコロコロだけじゃない
 春と秋。年2回の犬や猫の換毛期…飼い主は抜け毛に悩まされる時期です。いくら掃除をしても追いつかず、頭を抱えてしまう飼い...