平手友梨奈と盟友・長濱ねるは前代未聞の仲良しツートップ

こじらぶ ライター
更新日:2020-02-09 09:45
投稿日:2020-02-09 06:00

“特例”でグループへ加入した長濱

 その中において、しかし、それでも平手に勝るとも劣らない人気、知名度を誇った長濱ねるが、普通なら「私だってセンターやりたい! なぜ平手だけ!」と思っても不思議ではないのだが、この欅坂ツートップにおいては、固定センターでありながらおごることなく常にグループ、メンバーのことを優先して想いやる平手の人間性と、自身も人気者になっても平手を尊敬し支えようとした長濱の謙虚さが相まって一貫して硬い絆で結ばれた関係だった。

「BUBUKA」(2016年8月号)のインタビューで長濱は、

「(平手は)人一倍グループへの想いが強いので、自分で頑張ろうって気を張っているタイプなんです。無邪気に甘えたいときもあるはずなのに。だから、どうやったらこの子の消化しきれずに抱えているものを、少しでも吐き出せるんだろうって思って、たくさん話すようになりました。私の方が甘えちゃうときもあるんですけど(笑)」

 と語り、平手のことを女の子特有の“仲良し”ではなく“温度が合う”、“根底が一緒”と、“ソウルメイト”のような表現をしている。

デビューカウントダウンライブ直前で二度抱き合う

 ‪2016年3月17日、東京・国際フォーラムにて行われた「欅坂46生中継!デビューカウントダウンライブ!!」において、ライブ開始前に舞台裏で全メンバー当日の意気込みを生中継のMCにインタビューされていたのだが、長濱は「けやき坂46」として最後に、笑顔で受け答えをした。しかし、それが終わると一瞬で真剣な、何か"使命"を持った顔つきになった。

 その長濱が脇目も振らずに向かった先は、ライブ前の円陣を組もうとしていた平手の元だった。その長濱を見て、平手はセンターの重圧と緊張のため泣きそうな表情で、グループの円陣を組む前と組んだ後の二度、長濱と力強く抱きしめ合った。平手が「あ〜やだやだやだぁ!」と半泣きで言うと長濱は「大丈夫、大丈夫」と平手に声をかけた。長濱が持っていた"使命"とは、不安でいっぱいであろう平手を抱きしめ励ましに行くことだったのだ。

 そのことについて平手は「BUBUKA」(2016年6月号)のインタビューで、「カメラが回ってないと思ってねるに抱きついちゃいました」「ねるがいると安心して甘えちゃうんです」などと語っている。‬

 この平手・長濱のてちねるコンビが最初に親しくなるきっかけは、長濱の特殊なグループ加入の経緯も関係している。15年8月の欅坂46メンバー初お披露目から遅れること3カ月、同10月からスタートしていたグループの冠番組「欅って、書けない?」(テレビ東京)で突如、グループに加入になることになったとの紹介を受け長濱が登場した。

 長濱は欅坂46のオーディションで最終審査前まで、平手と同等の高評価を得ていたが、親の反対に遭い、最終審査当日に地元長崎へ母親に泣く泣く連れ戻されたのだ。しかし、諦めきれない娘の気持ちを汲んだ父親が運営スタッフに相談したことがきっかけで、特例でグループに遅れての参加が許された。ただし、最終審査を受けていないことから、欅坂46内の第2グループ「けやき坂46」の一人目のメンバーとして、まずはスタートすることも合わせて発表された。

「けやき坂46」は長濱以降の追加メンバーで、のちに2019年3月、「日向坂46」として独立。その際もメンバー、後輩想いの平手は、本来なら今後欅坂46のライバルになるかもしれない日向坂46独立を心から祝福し、日向坂46メンバーの元を訪れ、全員と握手&ハグをし門出を祝った。

 けやき坂46のメンバーのなかにはもともと平手に“ガチ恋”したり慕っているメンバーも多くいたが、この握手&ハグでも平手の“イケメン先輩ぶり”に“ガチ恋”に落ち、ハグをおかわりするメンバーもいた。

 話は戻って、加入当初の長濱にとってはアイドルになれた喜び以上に、すでに活動をスタートさせていた一期生に、最終審査抜きで加入することへの引け目が強くあったであろうから、いきなり欅坂46に加入するよりはまずは別グループでとの決定も納得はしていただろう。だが当時、欅坂46一期生20人に対したった一人で“別グループ”という扱いも他の一期生に受け入れてもらえるだろうかという不安や孤独でいっぱいだったことであろう。

こじらぶ
記事一覧
ライター
STARTO ENTERTAINMENT、秋元康系女性アイドル、ローカル、地下アイドル等数々の現場を経験。Xでもご意見を募集しております。

関連キーワード

エンタメ 新着一覧


刮目!伊藤沙莉“静”の演技、「佐田優三 仲野太賀」表示も期待は泡沫に…
 これまでの後悔と秘密をすべて打ち明けて、直言(岡部たかし)は安らかに亡くなった。  寅子(伊藤沙莉)は何事もなか...
桧山珠美 2024-05-30 19:10 エンタメ
古谷徹は“あの役”降板?声優不倫騒動の後始末、カギは「キャラの私物化」
 レジェンド声優・古谷徹(70)の不倫報道が世間を騒がせている。 『文春オンライン』よって報じられた37歳年下女性...
優三も草葉の陰で苦笑い? 前代未聞な別れの“懺悔”は直言らしい名場面に
 直言(岡部たかし)は栄養失調と肺炎でもう長くはないと診断される。直言が大事なことを隠していたと知った寅子(伊藤沙莉)の...
桧山珠美 2024-05-30 18:50 エンタメ
「見るんじゃない」と直言。ダチョウ倶楽部の“押すなよ、押すなよ”を彷彿
 直言(岡部たかし)の体調が優れない。寅子(伊藤沙莉)と直明(三山凌輝)はマッチ製造の仕事を紹介してもらい、はる(石田ゆ...
桧山珠美 2024-05-28 15:30 エンタメ
視聴率苦戦だから失敗に物申す!山下智久と錦戸亮、5年ぶり民放作の意義
 山下智久(39)が主演を務める「ブルーモーメント」(フジテレビ系)、錦戸亮(39)がキーマンとして出演する「Re:リベ...
こじらぶ 2024-05-25 06:00 エンタメ
「おいしいものは一緒に」出征前の河原デート。はて?初回を思い出すと…
 寅子(伊藤沙莉)は訪ねてきた後輩の小泉(福室莉音)から、女子部が閉鎖されることになったと知らされる。  今年は高...
桧山珠美 2024-05-24 15:30 エンタメ
優三の優しさシャワー全開!寅子のゴロゴロ床入り作戦も大成功だった神回
 昭和17年3月。直言(岡部たかし)の工場は軍からの注文が途切れず、順調に稼働を続けていた。戦時下で食べ物が貴重になる中...
桧山珠美 2024-05-21 15:30 エンタメ
朝ドラヒロインは「大日本国防婦人会」と揉めるのがお約束
 結婚した寅子(伊藤沙莉)は弁護の依頼も来るようになり順調な日々を送る。  ある日、手伝いとして働くよね(土居志央...
桧山珠美 2024-05-20 15:30 エンタメ
角界一の美容力士・翔猿らが明かした脱毛&モテ事情、全力で推したいのは
 圧倒的な強さと精神力、鍛え抜かれた筋肉美、昭和の名横綱“ウルフ”千代の富士、整った顔立ちと沸き立つ色気がたまらない“各...
「僕じゃ駄目かな」あすなろ白書のキムタクを想起、優三渾身のプロポーズ
 寅子(伊藤沙莉)は、弁護士として社会的な信用を得るためにお見合いをさせて欲しいと直言(岡部たかし)とはる(石田ゆり子)...
桧山珠美 2024-05-20 15:02 エンタメ
事件はいつも「あの階段」で起こる! 岩ちゃん演じる花岡もう婚約
 晴れて弁護士になったが、女性であることを理由になかなか依頼をしてもらえない寅子(伊藤沙莉)。「女の幸せより大事なものか...
桧山珠美 2024-05-20 15:02 エンタメ
炎上芸人・粗品は松本人志にビビってない!キンプリへの暴言も計算済み?
 2018年にコンビとして『M-1グランプリ』(テレビ朝日系)のチャンピオンとなり、2019年にピン芸人として『R-1ぐ...
堺屋大地 2024-05-15 06:00 エンタメ
「握手」の演出に伏線?寅子と花岡は友情の証、優三のそれとは真逆だった
 寅子(伊藤沙莉)の1年先を行く花岡(岩田剛典)は司法修習後の試験に合格。どうしても早く伝えたいと寅子に電話をしてきたの...
桧山珠美 2024-05-14 16:00 エンタメ
あぶ刑事ヒットならドラマ化も?柴田恭兵の“枯れた老人”は世を忍ぶ仮の姿
 先月までNHK-BSで放送していた「舟を編む~私、辞書つくります~」はなかなか素敵なドラマでした。  三浦しをん...
映画『広末涼子』(仮)の鳥羽氏は中盤キャラ?スキャンダル史まだ続く説
 昨年6月、人気シェフ・鳥羽周作氏とのダブル不倫が報じられ、無期限の謹慎処分を受けていた広末涼子。その後、夫だったキャン...
堺屋大地 2024-05-11 06:00 エンタメ
花岡(岩ちゃん)、寅子に匂わせプロポーズ!?でも黄色いバラの花言葉は…
 とうとう合格した寅子(伊藤沙莉)、先輩の久保田(小林涼子)、中山(安藤輪子)。そして寅子と合格者が3人も出たことで、廃...
桧山珠美 2024-05-10 15:30 エンタメ