魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様分析を得意とする並木まきが、コロナ禍において混乱している夫婦の話から、ついに別居に踏み切った妻の言い分をお届けします。
バリキャリ妻が結婚した理由は…
Kさんは40代前半。結婚3年目で子どもはいません。いわゆるバリキャリの女性で、同世代の女性と比較して、高収入かつ社会的なステータスも高めです。そんなKさんの夫であるOさんは、3歳年上ながらゆるキャラのような癒しタイプ。仕事はしているものの、高収入ではなく真面目な性格が取り柄だと言います。
「Oとは、よく行くレストランで知り合いました。お互いに常連で何度か顔を合わせるうちに親しくなり、そのうちにOから告白されて付き合うことになりました。ちょうどその頃、私は彼氏と別れたばかりで心が疲れきっていたので、癒しキャラであるOの素朴なところに惹かれたんだと思います。自分で言うのもなんですけど、Oの私へのハマりっぷりは尋常じゃなく、交際を始めてすぐに私の家に入り浸り、事実上の同棲生活に。しかも最初からしつこく『結婚したい』と言われていました」
直前の恋愛でひどい目に遭い「もう男はこりごり」と思っていたKさんでしたが、Oさんのやさしい人柄に触れているうちに「結婚してもいいかな」と思うようになったと言います。
「こんな私に、ここまで熱心に『結婚したい』って言ってくれる男性って、そうそう出会わないんじゃないかなって思ったのも、結婚に踏み切った理由です。正直、Oの収入は私の半分程度だし、年上だけど人生経験も私より浅いように感じていましたが、既婚の友人たちからは『結婚生活は長距離マラソンのようなもの』と聞いていたので、刺激よりも癒しを優先しました」
この結婚は失敗だったかもしれない
そして実際に結婚してみてからも数ヶ月は、それなりに楽しい毎日を送っていたそう。しかし半年ほど過ぎたころからKさんは密かに「この結婚は失敗だったかもしれない」と考えるようになったと言います。
「ゆるキャラと言えば聞こえはいいけれど、結局、夫は家ではぼーっとしているだけ。言い方は悪いけれど、何もせずにただ“空気を吸っているだけ”って感じなんです。半同棲だったころはもうちょっと動いていたので、結婚して半年経って彼の本性が見えてきました。
家事分担を決めても『やる』と言いつつ一向にやらないか、やっても“やっつけ仕事”でいい加減すぎて、私があとでやり直すハメに。掃除も洗い物も洗濯も、全部がいい加減すぎて清潔感のカケラもないのです。何度か彼に改善するよう話しましたが『うん』と言いつつ、まったく改善の見込みもなく……。だんだんと、そんな夫との生活がストレスにしか感じなくなりました」
結婚生活が2年目を終えるころにも、まったく改善しないどころか、むしろ夫の“ぼーっとしているだけ”の態度は悪化する一方。次第にKさんは「家計にも家庭運営にも貢献していない夫ってどうなんだろう」と考え出したと言います。
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