浮気性の彼氏のLINE写真に彼女が仕込んだ“暗黙のメッセージ”

うかみ綾乃 小説家
更新日:2020-06-21 06:00
投稿日:2020-06-21 06:00

 パートナーがいるにもかかわらず、別の女性に手を出したがる男たち。つくづく人として理解不能です。

 ライフワークのように口説き回る遊び中毒タイプもいれば、本気になって舞いあがる昇天タイプもおり、こちらもうっかり「男ってのはそういうもんだ」と諦めてしまいがちですが、パートナーにとっては当然、傷つくことで、言い寄られる女にしても、軽く見られることで傷つくし煩わしいし、周りに誤解されでもしたら仕事にも名誉に関わって大変迷惑。

 ただ、ときには浮気男を上手く抑えたり、相手の女性を、穏便な形で遠ざける妻(彼女)さんもいるんですね。今回は共感するかしないはさて置いて、私が「なるほどなぁ」と膝を打った、妻(彼女)さんたちの浮気男対処エピソードをご紹介します。

彼の写真にビューティモード

 このとき言い寄られたのは、私の友人のA子(20代、出版社勤め)。仕事で知り合ったB(40代)はイベント会社スタッフ。初対面で気に入られ、以後、毎日のようにLINEが届くようになりました。

 Bは独身でひとり暮らしとのこと。A子としては独身だとかを含めて興味はなく、それでも目上の仕事関係者なのであまり無下にもできません。

 Bは毎晩、近況報告やデートの誘いとともに、草野球でバットを構えている自分の写真なども送ってきます。そういう子供っぽさは憎めないものの、いろいろ詰めが甘く、写真の中にはベッドで猫とたわむれているような、どう見ても彼女さんが撮ったのだろうショットも混じっています。

 このとき、「いいお写真ですね、彼女さんが撮ったんですか」とくらい返しておいても良かったのですが、そうなるとBは逆に「俺に彼女がいるのか気にしてるのかな」と自惚れそうでもあり、いずれにしても美人のA子にとって、こういうのはよくあるちょっとした台風のようなもの。

 しばらく無難に対応しておけば、そのうち熱を冷ましてくれるだろうと、短く丁寧な返信のみに終始していました。

LINEに届いた写真、いままでと違うのは…

 ところがBの舞い上がりは止まりません。やがて深夜に酔っていそうな勢いで、「A子ちゃんと温泉行きたい♡」「お湯の中でタッチしてもらえたらチョー幸せ♡」などと、不愉快極まりない文言まで送ってくるようになりました。

 ここらできっぱり振ってあげるべきだろうか。でも仕事関係で気まずくなるのは面倒臭い。さすがにストレスを感じはじめていた頃のことです。Bから「髪型変えたよ!」と、写真付きのLINEが届きました。

 その写真は背景からして自宅っぽく、やはり彼女さんが撮ったもののようです。が、いままでとは違うのは、ビューティモードがかけられていたことでした。おー、補正20%くらいか……。

 想像するに、彼女さんは最近、浮ついた様子でスマホを弄っているBに、また病気が始まったと気づいていたのだと思います。そしていつものようにBの写真を撮り、今回はあえてビューティモードをかけたのかもしれません。

 Bは多くの男性と同じようにビューティアプリに詳しくなく、補正20%程度なら「なんか俺、男前じゃん!」と単純に嬉しがり、あるいは彼女さんから「ビューティかけたよ」と教えられても、見た人は気づかないだろうと思い込み、というか、いろいろ考えるよりもまずはともあれ「俺の男前の写真、A子ちゃんに送らなきゃ!」といそいそLINEし、彼女さんは、Bのその行動まで見越していたのだと思います。

こんな使い道もあったとは!

 もしもこれが彼女さんからの無言の牽制ならまたしんどいですが、A子はむしろ、脇の甘い浮気男と付き合っている彼女さんからの、「うちのがいつもすみません。良かったらこれ、突っ込んでやってください」とのアシストを受け取った気がしました。

 無駄にしませんよ。A子は早速Bに返信。

「今回はビューティモードまでかけられて、彼女さんの愛がこもってますね!」

 めでたくこれ以降、Bからの言い寄りLINEはストップしました。なにかと役立つビューティアプリですが、こんな使い道もあったとは。

 Bがまだ浮気男の割にマシだったのは、彼女さんの存在だけは隠そうとしていたことです。とにもかくにも、彼女さんがしっかりしていそうな方だったのが幸いしたエピソードでした。

(水際対策編、次回も続きます)

うかみ綾乃
記事一覧
小説家
2011年「窓ごしの欲情」(宝島社文庫)で日本官能文庫大賞新人賞受賞。’12年「蝮の舌」(悦文庫)で第二回団鬼六賞大賞受賞。コラムニスト、映画の原作&脚本家としても活躍中。近著に「蜜味の指」(幻冬舎アウトロー文庫)。2020年から原作映画『モンブランの女』(『モンブランを買う男』AubeBooks)が全国で公開中。
ブログ http://ukamiayano.blog.fc2.com/

関連キーワード

ラブ 新着一覧


「毎月、性病検査してでも人生のステージを上げたい」パラサイト不倫に懸ける40代婚活セミナー講師 #3
 悦子さん(仮名・48歳婚活セミナー講師/既婚子供アリ)は「リッチな成功者の男性」「承認欲求高めのハイスぺ男性」としか不...
蒼井凜花 2025-03-14 13:48 ラブ
不倫してる? 怪しい旦那の泳がし方5選。感情的になる前に“多くの証拠固め”をするのが得策
 女の勘で「旦那が不倫をしている気がする…」と察知しても、いきなり詰め寄ったりしないで。旦那の挙動に女の陰がチラついてシ...
年下彼氏からアラフォー女性がコクられても即別れを告げられる理由…鬼門はアナタの「誕生日」にアリ
 やっとできた年下の彼。けれどその幸せもつかの間、1カ月もたたないうちに彼から別れを告げられてしまう年上女性が続出してい...
内藤みか 2025-02-27 06:00 ラブ
お泊りデートの失敗談7選。ワキ処理忘れの惨劇、冷たい賢者タイム、謎のはい!はい!掛け声コール…
 大好きな彼とのはじめてのお泊まりデート。肝心なところで「やらかしちゃった!」と真っ青になったり、愛を確かめ合っている中...
恋バナ調査隊 2025-02-27 06:00 ラブ
友人の彼氏のED告白を聞いて思うのは、「正直、いいな」。
 踊り子として全国各地の舞台に立つ新井見枝香さんの“こじらせ”エッセーです。いつでも、いついつまでも何かしら悩みは尽きな...
新井見枝香 2025-02-27 06:00 ラブ
「好きだけど、もう疲れた」恋愛でも燃え尽き症候群にご用心! なりやすい人の特徴と解決法
 それまで熱心だった人が急に意欲をなくしてしまう「燃え尽き症候群」は、恋愛でも起こるといいます。恋愛で燃え尽き症候群にな...
恋バナ調査隊 2025-02-26 06:00 ラブ
離婚しないけど一緒に過ごすのも嫌だ…そんな夫婦が選ぶ「家庭内別居」の原因・実態は?
「離婚はしないけど一緒に過ごすのも嫌だ」と、家庭内別居を選択すしている夫婦は少なくありません。でもなぜそうなったのか、気...
恋バナ調査隊 2025-02-25 06:00 ラブ
前科発覚! 好きな人が過去に浮気していたら…許せる派? 許せない派?
 今アプローチしている相手や、狙っている好きな人。その人が過去のお付き合いで浮気の前科があったら、あなたは許せる派? そ...
恋バナ調査隊 2025-02-24 06:00 ラブ
「結婚するわけがない。観察対象としては面白い」美意識ゼロな恋人に冷めた目を向ける50歳男性
「冷酷と激情のあいだvol.234〜女性編〜」では、シングルマザーとして子育てと仕事を両立させる洋子さん(47歳・仮名)...
並木まき 2025-02-22 06:00 ラブ
「男性にモテるために、わざとプチプラ服を選んでいます」床上手を自負する47歳女性の再婚計画
 男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人...
並木まき 2025-02-22 06:00 ラブ
井桁弘恵は男友達と2人で旅行もオッケー。「男女の友情」がガチで成立する条件とは?
《恋愛のことも仕事のことも話せるのが男友達》――。モデルで女優の井桁弘恵(28)が、18日放送の日本テレビ系「踊る!さん...
パラサイト不倫2人目の“標的”はあの女のFB友達…40代婚活セミナー講師がもくろむ復讐プラン #2
 悦子さん(48歳婚活セミナー講師/既婚子供アリ)は「リッチな成功者の男性」「承認欲求高めのハイスぺ男性」としか不倫をし...
蒼井凜花 2025-03-03 19:08 ラブ
不倫相手と別れた後の女性心理。既婚女性と未婚女性、立場によっても違う
 不倫していた男性と別れた後、女性はどのような心理になるのでしょうか? 自身が既婚者なのか未婚者なのか、立場によって抱く...
恋バナ調査隊 2025-02-21 06:00 ラブ
Overアラサーが20歳代の年下男性に愛される理由…彼らにとって「収入」は二の次だった
 アラサー以上の女性が年下男性を好む傾向は前からありましたが、最近顕著なのは、20代男性がアラサー以上の年上女性を好むよ...
内藤みか 2025-02-20 06:00 ラブ
「風俗を使ったら、心ごと妻から離れてしまうかもしれない」。セックスレスに耐える30代男たちの悲痛な叫び
 今やネット・メディアを通してそのワードを目にしない日はないというほどに深刻な、日本のセックスレス問題。しかし当事者だと...
久留米あぽろ 2025-02-18 06:00 ラブ
身の毛もよだつ不倫の恐怖体験3話。あり得ないような“まさか”がある…!
 世の中には不倫に興味がある人もいるでしょう。でも、どんな事態になるのか、どんなリスクがあるのか深く考えずに突っ走るのは...
恋バナ調査隊 2025-02-17 06:00 ラブ