死んでも投げ銭はしない!セコい自分に生きがいを覚えるひと

並木まき ライター・エディター
更新日:2020-12-24 23:32
投稿日:2020-10-16 06:00
 ライブ配信は、まさに魑魅魍魎(ちみもうりょう)がうごめく世界。今日も今日とて、多くのライバーやリスナーは、配信をめぐってアレやコレやの大騒ぎでございます。メンタル心理カウンセラーであり、配信者としての顔も有する並木まきが、“ライブ配信にいるアレなひとびと”を解説するこちらの連載。第3回は「セコい自分に生きがいをおぼえるひとびと」でございます。

アレな人図鑑3:セコい自分に生きがいをおぼえるひと

 ライブ配信の世界は、言ってみれば「現ナマ」が飛び交う世界。投げ銭をもらってナンボの世界で生きるライバーと、推しのライバーに少しでも気に入ってもらおうという一心で、せっせと投げ銭をするリスナーの絶妙なバランスによって成り立っているのでございます。

 どちらの世界も「郷に入っては郷に従え」ですから、ライブ配信を楽しむならば、投げ銭文化を受け入れなければはじまりません。ところが、どこの世界にも「セコいひと」というのは生息しているもので……。ライブ配信界とて例外ではないのです。

居心地の悪さもどこ吹く風。我が道をいくセコリスナー

 最初のうちは、ライブ配信のお作法を知らずに無料で視聴ばかりしていたリスナーでも、さまざまな配信を見ていくうちに、配信者は投げ銭の対価として配信をしているというシンプルな仕組みに気づきます。よって「この人には、頑張ってもらいたいな」と思える配信者に出会えれば、予算の大小はあれども、投げ銭をして応援をするスタイルにたどり着きます。

 ところが、我が道を突っ走るセコいリスナーは、兎にも角にも「無料」で配信を楽しむことだけに重きを置き、投げ銭はしないくせに配信者への要求だけは一人前(あるいは、一人前以上)だったり、ただ毎日視聴しているというだけでコアなファンであるかのように振る舞ったりと、見るからにセコい行動を繰り返し、周囲を唖然とさせます。

 配信の世界に限らず、現実社会にもこういったセコい人物は存在しますが、スマホ画面という小さな世界においてもセコすぎる根性が際立つため、残念な印象は否めません。

 おそらく当人は「無料で視聴できる仕組みなんだから、その仕組みを最大限に活かさないと!」くらいの驚異のセコ根性でライブ配信を見ているのでしょうが、貴重な時間や知識を削って配信を提供しているライバーへの敬意はゼロと言えるでしょう。

 さらには往々にして、セコリスナーほど態度が大きく、勘違いな振る舞いが多いのも傾向で、せっかくの配信の場を乱す言動も目立つから厄介でございます。リスナーとして登録しているだけであれば名前も顔もわからないからと、少々傲慢に振る舞っても、ご自身の品格は落ちないと過信しているのでしょうが……。果たして、世の中はそんなに甘くできているのでしょうか。嗚呼、こういった傲慢セコリスナーばかりに気に入られてしまったライバーは悲劇でしかありません。

おわりに

 どんなにスモールビジネスであれ、与えた価値に対し対価が生じる仕組みに参加するならば、それを受け入れるのもマナーでありルールでしょう。

 しかしセコい自分に生きがいをおぼえてしまったひとびとは、「いかにお金をかけずに、お金をかけた人と同等、あるいはそれ以上に楽しめるか」が目的になっているようにお見受けします。そんなひとびとは今日もまた、セコさを貫くことを生きがいにしながら、いそいそとライブ配信の画面を開くのでございましょうね。

並木まき
記事一覧
ライター・エディター
元市議会議員・時短美容家(一般社団法人 時短美容協会・代表理事)の肩書きを有する。20代から見聞きしてきた魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様への分析を活かし、美容や恋愛に関するコラムを中心に、さまざまな媒体に寄稿。
Instagram公式HP

日刊ゲンダイ掲載「あの人は今」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/277865

ライフスタイル 新着一覧


「写ルンです」が流行る若者のレトロブームは、何を写しているのか
 コミックや書籍など数々の表紙デザインを手がけてきた元・装丁デザイナーの山口明さん(63)。多忙な現役時代を経て、56歳...
寂しがる親との距離感、よい解決策は?大人になるほど複雑に
 みなさんは、親との距離感って考えながら付き合っていますか? ベタベタしすぎず、ドライすぎず、お互いを尊重し合えるのが理...
親ガチャにハズレた! 5つの苦い思い出とそこから一歩を踏み出す方法
 生まれる時、私たちは親を選べません。どんな親のもとに生まれるかは、ガチャガチャのごとく運次第。  大人になるにつれ「...
何が起こった? 街にあふれる人に少し違和感を抱いて
 いつも、穏やかな参道にただようちょっと物々しい雰囲気。  何があったかは分からないけど、思わずカメラを構えた。 ...
40女開運が気になるお年頃!金運UP「雑誌付録の財布」どう活用する?
 今回ご紹介する雑誌付録は、人気キャラ「マムアン」のインテリアBOXとフォーチュンアドバイザー・イヴルルド遙華さん監修の...
キッチンに馴染む 無印良品の「真っ白な消火器」買いました
 突然冷え込んで、一気に冬っぽくなってきました。この時期になると我が家の近所では見回りの小さな消防車が「カンカン」と音を...
ニャルソック発動中!カメラバックに夢中な“たまたま”の後姿
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
花にも高温の後遺症!パンジービオラ「茎がビローン」をバッサリde解消
 いきなりの寒さです。猫店長「さぶ」率いる我が愛すべきお花屋は、まぁまぁ暖地の神奈川にございますが、ここにきて例年通りの...
モテないのは「太ったから」ってさぁ 女友達の素直すぎるLINEにグサッ
 自分にも人にも素直な人は魅力的ですよね。言葉に計算や嫌味が隠れていないため、付き合いやすく感じるはずです。 ...
なぜ独身女性は性格に難ありと思われるの? “訳あり女”回避に大事なこと
「いいトシして独身の女性は性格に難あり」なんて言葉を聞くことがありますよね。独身の女性は「私も周りからそんな風に思われて...
すべてはそこから 人も食べ物も「相手を知る」と好きになる
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
子供も自分も波風立てずに守りたい! モンペア級要注意ママ友の見分け方
 子育て中はママ友との付き合いは少なからず避けられません。もちろん、気の合う人もいるでしょうが、中には要注意人物やモンス...
発達障害疑惑の長男が知能テストで高得点…医師の診断に母の心は晴れない
 ステップファミリー6年目になる占い師ライターtumugiです。私は10代でデキ婚→子ども2人連れて離婚→シングルマザー...
戦いごっこの兄弟を激写!純白のツー“たまたま”はまさにお宝
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
マウント地獄は住んでから…ゴミ捨て顔作りは当然!タワマン住民あるある
 華やかなイメージのあるタワマン生活。誰よりも高い場所から街の景色を見下ろせるのだから、とてもいい気分だろうなと想像して...
生活感がない世界が一閃切り開かれる瞬間をみた
 生活感がない世界が一閃切り開かれるよう。  巨大な建築物と、血管のように張り巡らされた路線と、時間に正確な鉄道と...