魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様分析を得意とするメンタル心理カウンセラーの並木まきが、コロナ離婚を経験した人たちにその実態を聞くこの連載。今回は、不仲だった夫と結婚6年目で離婚を決意した女性のコロナ離婚に迫ります。
なんとなく共同生活をしていたけど…
Nさんは、30代半ばで娘がひとりいるシングルマザー。離婚をした現在は、実家に戻り家事手伝いをして暮らしています。
「元夫とは、結婚2年目頃から不仲でした。結婚してすぐに子宝に恵まれましたが、娘が生まれてからも夫は育児にあまり関心がなく、毎晩のように飲み歩いていましたね。家事もほとんどやらず、流行りのイクメンとは程遠いタイプでもありました」
結婚3年目に、夫が転職して収入が激減したあたりから、夫婦の不仲は加速していたというNさん。それでも「娘が大きくなるまでは、離婚をしないほうがいいかも」と考え、すでにまったく愛情も感じなかった夫と、なんとなく共同生活を続けてきたそうです。
母親の一言に背中を押され別居を決意
「コロナ禍に入って、いろんなことを深く考えるようになったとき、私の人生は本当にこれでいいんだろうか?って、思ってしまったんです。
そのころの私は、夫の収入では足りない分を補うためにパートをしていましたが、コロナ禍になり感染リスクも考えてパートをやめました。
それで、家にいる時間が増えたことで、結婚生活への不満や疑問も改めて大きくなってきて……。
親に相談をしたら『前々から、あの旦那さんじゃあなたが苦労するだけだと思っていたし、結婚してから幸せそうな顔をしていないなと思って見ていた。いい機会だから、もう帰ってきたら? 生活費の心配はいらないわよ』と母から言ってもらえたこともあり、まずは別居を決意しました」
ずっと自分の結婚生活への疑問を抱いていたというNさんは、実家が受け入れてくれることで、お金の心配をせずに夫と離れて暮らせることが何よりも嬉しかったとのこと。
そして、最初のうちは「数ヶ月、別居をすれば私の考えも変わるかも」と思っていたそうですが、実際に実家に帰ってみて「あの夫とは、もう二度と一緒に暮らしたくない」という気持ちが強くなったのだそうです。
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