「インスタにアップしたい」とスマホを…
――続けて下さい。
「舞いあがっていたのは、トレーニングウエア姿とは違うR美さんが、さらに女らしい美のオーラを放っていたのも一因でした。いつもひとつに束ねたロングヘアは丁寧にブローされ、整った目鼻がメイクでいっそう華やいでいました。ファッションは、鮮やかな黄色のワンピースにハイヒール。どの角度から見てもそれは綺麗で、店内でも目立っていましたよ。
同席する僕は、ちょっと優越感に浸りました。
ただ気になったのは、乾杯する時も、料理を食べる前も『写真を撮っていいですか? インスタにアップしたいので』という言葉。
もちろん快諾しました。その時は単に、『インスタなんて、今どき普通だよな』と思ったんです。トレーニング中も自撮りをしていましたしね」
足をもつれさせた彼女からの突然のキス
――続けて下さい
「話しているうちに、話題は互いの家族のことに流れたんですね。僕が一歳下の妻と中3の息子がいると言うと、彼女はちょっとだけ寂しそうに目を細めて『子供はいなくて、夫は札幌に単身赴任』と言っていました。
返す言葉に困ったんですが、『生活感を感じさせない、エレガントなところが素敵です』と言いました。事実、彼女はちっとも所帯じみていなくて、都会的な女性でした。スタイルもいいし、ルックスだって文句のつけようがない。
すると『嬉しいです。そんなふうに褒められたなんて、数年ぶり』と笑みを浮かべました。
ワインはすでに3杯目だったでしょうか。頬がほんのり赤らみ、瞳が潤んでいてね……。
変な話ですが、会話中、互いの左手薬指に結婚指輪が光っているのに気づきました。今はこうして見つめ合っているけど、お互いそれぞれの家庭を持っているんだと思うと、訳も分からず切ない気持ちがこみあげてきて……。
結局、レストランには2時間もいました。
店を出た帰り際、ほろ酔いのR美さんが、ヒールの足をもつれさせたんですね。
『危ない』と、腕を掴んで引きよせた瞬間、彼女は僕の胸に飛びこんできました。えっ? と思う間もなく、唇を重ねていたんです」
続きは次回。
エロコク 新着一覧