大失恋を経て婚約した男は視えてる? 20代ネイリストの幸福と恐怖 #1

蒼井凜花 官能作家・コラムニスト
更新日:2023-10-11 19:15
投稿日:2023-09-22 06:00

デート中に起きた不思議なこと

どうして電球が切れていることがわかったの?(写真:iStock)
どうして電球が切れていることがわかったの? (写真:iStock)

――素敵な出会いがあってよかったですね。で、肝心の不安というのは……?

「実は……こうして話す今も心配なんですが……ある日、不思議なことがあったんです。交際して間もない頃、まだ私の自宅マンションに招いていない段階で、彼がデート中に妙なことを言ったんです。

――弓香の家の廊下の電球、切れかかってない?

――えっ。

――玄関に入って……廊下を進んだ2つ目の照明。そろそろ取り換えた方がいいかも。

 驚きました。彼には家の間取りなど、一切伝えていません。

――なぜ、わかるの?

――なんとなくそんな気がしただけ……あ、気を悪くしたらごめんね。

――ううん、大丈夫。今日は帰りに電球を買って帰るね。

 そう笑顔で答えました。帰宅すると、案の定、電球が切れていて……。不思議な気持ちのまま、電球を取り換えたんです。

もしかして彼に悟られている?

(写真:iStock)
(写真:iStock)

(もしかして……彼って『視える』タイプ……?)

 一抹の不安が押し寄せてきました。

 何もかも見透かされている? と思ったところで、私が不審に感じるそれすらも、彼に悟られているのでは? と、ちょっと気味が悪くなって……。

 電球を取り換えた直後、スマホの着信音が鳴りました。

 慌ててスマホの液晶画面を見ると、英明さんです。

――ありがとう。電球……やっぱり切れてたの。買って帰ってよかった。

 私はあえて明るい声で言いました。

――それは良かった。困ったことがあったら言ってね。

――あの……なぜ、切れかかっているとわかったの?

あっけらかんと語った特殊能力

頭に映像が浮かぶ、それだけ(写真:iStock)
頭に映像が浮かぶ、それだけ (写真:iStock)

 私は素直に聞きました。これから交際を進めていこうという段階だったので、彼のことは早いうちに知っておきたかったから。

――自分でもよくわからないんだ。ただ弓香と話していた時、頭の中で電球がチカチカして切れる映像が浮かんだ。それだけ。

――それってすごい能力じゃない?

 私が怖さを押し隠して告げると、

――う~ん、商談では何度かうまくいったことがあるよ。あと、上司との付き合いにも役立つかな。

 彼はあっけらかんと言ったんです」

蒼井凜花
記事一覧
官能作家・コラムニスト
CA、モデル、六本木のクラブママの経歴を持つ異色の官能作家。近著に「CA、モデル、六本木の高級クラブママを経た女流官能作家が教える、いつまでも魅力ある女性の秘密」(WAVE出版)、「女唇の伝言」(講談社文庫)。
オフィシャルサイトYouTube

関連キーワード

ラブ 新着一覧


「将来見据えて倹約したいのに…」妻のお出かけ願望が理解できない30代男
「冷酷と激情のあいだvol.194〜女性編〜」では、結婚早々に節約生活を強いられている生活に嫌気が差している新妻・果穂さ...
並木まき 2024-05-11 06:00 ラブ
非正規雇用のアラフォーが結婚した男は、“夜のベッド”が生き甲斐のケチ夫
 男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人...
並木まき 2024-05-11 06:00 ラブ
「子供欲しい」が夫に言えない…タイムリミットに焦る妻の複雑事情
 夫婦であれば、夫に「子供欲しい」と言うのはそう難しくないはず。でも、言えずにモヤモヤしている女性もいるようです。今回は...
恋バナ調査隊 2024-05-10 06:00 ラブ
結婚に優柔不断な彼はいつ見限るべき?「時間を返して」と嘆く女性たち
 定期的に会い続けている仲の男性がいるけれど、今後のことについて話をしようとすると避けられてしまう。そんな悩みを抱えてい...
内藤みか 2024-05-09 06:00 ラブ
①ナル②浮気③競う④群れ サッカー部だった男の嫌いな特徴5、ラス1は
 モテる男の部活といえば、何を思い浮かべますか? そうですね、サッカー部です。学生時代、サッカー部のイケイケ男子に憧れて...
恋バナ調査隊 2024-05-08 06:00 ラブ
幸せになれるのは超わずか…セフレの終わりは突然やって来る
 付き合ってはいないものの体の関係を持つセフレ。「割り切った関係」「楽な関係」であるため、恋愛が億劫になっている人は憧れ...
恋バナ調査隊 2024-05-07 06:00 ラブ
父が浮気している…? 大人になった今だからできる4つの家庭崩壊回避術
 あなたは自分の父が浮気していると知ってしまった時、どうしますか? もし知ったのが未成年の頃であれば、誰に相談していいか...
恋バナ調査隊 2024-05-06 06:00 ラブ
え、彼氏いたの?処女のままの私と、処女を喪失していたオタ友への嫉妬。
 パートナーなしの50歳独女ライター、mirae.(みれ)です。2年前の48歳まで性体験がなかった私ですが、これまで処女...
mirae.(みれ) 2024-05-06 06:00 ラブ
サレ妻「不倫相手に会う」の巻 ママ友、かばう夫…ただで済むと思うなよ
 夫に不倫された“サレ妻”。「ただで済むと思うなよ!」と、怒りや憎しみMAXで不倫相手に会いに行く人もいます。  ...
恋バナ調査隊 2024-05-05 06:00 ラブ
性欲満たしたいだけでしょ?マチアプスピード婚を“汚点”と言い切る40男
「冷酷と激情のあいだvol.193〜女性編〜」では、マッチングアプリで知り合ってスピード結婚へと至った夫とのレスに悩む妻...
並木まき 2024-05-07 10:33 ラブ
子づくり提案→アバズレ認定に絶望しかない…37歳バリキャリ女性の後悔
 男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人...
並木まき 2024-05-04 06:00 ラブ
圏外男性からの告白LINE、顔を合わせるの気まずっ!上手に断る3本立て
 異性に告白されるのは嬉しいものですが、中には好きになれない相手、恋人として見れない相手からの告白もありますよね。 ...
恋バナ調査隊 2024-05-04 06:00 ラブ
アラフォー世代以上の婚活成功の近道は「ありのまま」より「ちょいモテ」
 アラフォー、アラフィフという年齢に達してから慌てて婚活をスタートさせる女性が少なくありません。  しかし「ありのまま...
内藤みか 2024-05-02 06:00 ラブ
好きになった彼はモテ男でした。ライバルに勝ち、選ばれる女になる法5つ
 たまたま好きになった人がとてもモテると、恋のライバルも当然多いはず。中には積極的なライバルもいて、自分の恋を諦める人も...
恋バナ調査隊 2024-04-29 06:00 ラブ
40代既婚男性が20代女子からモテる謎…理由5つと夫に浮気心が出る面倒
 40代の既婚男性は、実は20代の若い女子に特にモテるといわれています。「なぜ40代の既婚者なのに、若い女子からモテるの...
恋バナ調査隊 2024-04-27 06:00 ラブ
22時半すぎ「さみちぃ!さみちぃ!!」連投⇒30分後のレスに激おこで“こじらせ40代独女”と見なされた件
 40代の女性は立派なオトナ! 豊富な恋愛経験に魅力を感じる男性も多々いるでしょう。  しかし、固定観念や思考の癖...
恋バナ調査隊 2024-04-27 06:00 ラブ