デート中に起きた不思議なこと
――素敵な出会いがあってよかったですね。で、肝心の不安というのは……?
「実は……こうして話す今も心配なんですが……ある日、不思議なことがあったんです。交際して間もない頃、まだ私の自宅マンションに招いていない段階で、彼がデート中に妙なことを言ったんです。
――弓香の家の廊下の電球、切れかかってない?
――えっ。
――玄関に入って……廊下を進んだ2つ目の照明。そろそろ取り換えた方がいいかも。
驚きました。彼には家の間取りなど、一切伝えていません。
――なぜ、わかるの?
――なんとなくそんな気がしただけ……あ、気を悪くしたらごめんね。
――ううん、大丈夫。今日は帰りに電球を買って帰るね。
そう笑顔で答えました。帰宅すると、案の定、電球が切れていて……。不思議な気持ちのまま、電球を取り換えたんです。
もしかして彼に悟られている?
(もしかして……彼って『視える』タイプ……?)
一抹の不安が押し寄せてきました。
何もかも見透かされている? と思ったところで、私が不審に感じるそれすらも、彼に悟られているのでは? と、ちょっと気味が悪くなって……。
電球を取り換えた直後、スマホの着信音が鳴りました。
慌ててスマホの液晶画面を見ると、英明さんです。
――ありがとう。電球……やっぱり切れてたの。買って帰ってよかった。
私はあえて明るい声で言いました。
――それは良かった。困ったことがあったら言ってね。
――あの……なぜ、切れかかっているとわかったの?
あっけらかんと語った特殊能力
私は素直に聞きました。これから交際を進めていこうという段階だったので、彼のことは早いうちに知っておきたかったから。
――自分でもよくわからないんだ。ただ弓香と話していた時、頭の中で電球がチカチカして切れる映像が浮かんだ。それだけ。
――それってすごい能力じゃない?
私が怖さを押し隠して告げると、
――う~ん、商談では何度かうまくいったことがあるよ。あと、上司との付き合いにも役立つかな。
彼はあっけらかんと言ったんです」
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