大失恋を経て婚約した男は視えてる? 20代ネイリストの幸福と恐怖 #1

蒼井凜花 官能作家・コラムニスト
更新日:2023-10-11 19:15
投稿日:2023-09-22 06:00

体の相性の良さに感激

私の体を知り尽くしてるみたい(写真:iStock)
私の体を知り尽くしてるみたい (写真:iStock)

――続けてください。

「その後、交際は順調に進みました。彼も電球の件以来、『視える』話は一切しなかったんです。普通の恋人のようにデートをして、お互いの家を訪ね、初めてのお泊りは、夜景の美しいシティホテル……驚いたのは体の相性の良さです。

 私の体を知り尽くしていると思えるほど、的確に快楽のツボを突いてきて……これには骨抜きになりました。

 そして、バースデープレゼントにも驚かされたんです」

驚愕のバースデープレゼント

どうして…(写真:iStock)
どうして… (写真:iStock)

――バースデープレゼント……ですか?

「はい。贈られた小箱を開けて、目を見開きました。私が大切にしていたパールのピアスで、同じブランドの全く同じもの。それも片方なくして身に着けることができず、ずっとクローゼットに眠っていたものです。

――どうして……これを……?

 驚きのあまり『ありがとう』とお礼の言葉すら言えませんでした。

――弓香に似合うと思って。

 その屈託のない笑みを見た瞬間、ハッとして慌ててお礼を述べたんです。

――ありがとう。実は同じピアスをなくして、ずっと着けられずにいたの。嬉しい。

――そうだったんだ。逢えない時は僕だと思って着けてくれたら幸せだ。

 こうして私たちは結婚に向けて、交際を進めていったんです。

 心に引っかかる不安を打ち消すほど、彼が与えてくれる幸せな時間、何よりも女の悦びは絶大でしたから……」

 次回に続く。

蒼井凜花
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官能作家・コラムニスト
CA、モデル、六本木のクラブママの経歴を持つ異色の官能作家。近著に「CA、モデル、六本木の高級クラブママを経た女流官能作家が教える、いつまでも魅力ある女性の秘密」(WAVE出版)、「女唇の伝言」(講談社文庫)。
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