両乳房と卵巣を失った40代主婦、婚外恋愛の彼と関係が狂い始めて #1

蒼井凜花 官能作家・コラムニスト
更新日:2024-02-15 09:46
投稿日:2024-02-02 06:00

衝撃の告白

私が闘病している間に…(写真:iStock)
私が闘病している間に… (写真:iStock)

――豊さん、私の胸の傷、見てほしいの。

――えっ。

 私を抱きしめていた彼の手が、ビクンと震えたんです。

――見るのはイヤ? 見たら嫌いになる…?

 しばしの沈黙がありました。

――ごめん、見たくない。

――そんな…私はこれからも以前のように付き合っていきたいのに。

――実は…今まで言えなかったけど…新しい彼女ができたんだ。

 一瞬、意味が分かりませんでした。

――彼女? 奥さんじゃなくて…?

――ああ、妻とはいまだに仮面夫婦だ。新しい彼女ができた。ゴメン…せっかくのお祝いだったのに…。

 彼は頭を下げてきました。ショックというよりも、彼の言っている意味を理解するまで、しばらく時間がかかったと思います。

 私が闘病生活をしている間に、彼は新しい彼女と『婚外恋愛』をしていたんです。

男性に求められたい

涙さえも出ないんだ…(写真:iStock)
涙さえも出ないんだ… (写真:iStock)

――申し訳ない。もう逢わない方がいいね。

 私の返事を待たずして、彼は部屋から出て行ってしまったんです。

(ひどい…なぜこのタイミングで?)

 私はその場に崩れ落ちました。人間、本当に悲しい時は涙さえも出ないのだと、その時はじめて知ったんです。

 それからです。私が『男性に求められたい。愛されたい』と強く渇望するようになったのは…。こんな体になっても、いえ、こんな体だからこそ、性欲はむしろ増していくんです。

 夫とは疎遠、婚外恋愛の彼にも捨てられた私がたどり着いた先は、既婚者専用のマッチングサイトでした」

 次回に続く。

蒼井凜花
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官能作家・コラムニスト
CA、モデル、六本木のクラブママの経歴を持つ異色の官能作家。近著に「CA、モデル、六本木の高級クラブママを経た女流官能作家が教える、いつまでも魅力ある女性の秘密」(WAVE出版)、「女唇の伝言」(講談社文庫)。
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