官能小説を書きたがる女性が増殖中。プロの作家は“素人”とココが違う

内藤みか 作家
更新日:2024-11-28 06:00
投稿日:2024-11-28 06:00
「官能小説を書きたい」という女性が増えています。主婦や会社員、それから会社社長らはなぜ、なんのために、性愛を書きたがるのでしょう?

 官能小説を書く女性作家が分析してみました。

官能小説を書きたい女性は確実に増えている

 性自認が女性の人のみ応募できる新潮社の「女による女のためのR-18文学賞」は24回目を迎え、2023年度の応募総数は798編。

 性愛表現を描きたい女性が、それなりの数いることがわかります。

 恋愛小説や歴史小説、またはBL(ボーイズラブ)など、他にも色々なジャンルがあるにもかかわらず、あえて官能的な小説を書きたいと志望する女性たち。

 その数は、筆者がデビューした四半世紀前に比べ、明らかに増加しています。


【こちらもどうぞ】R-18文学賞大賞・月吹友香さんインタビュー、“女の園”で「高齢者の性」を描いた真意

私の「体験」を残したい!

 女性が官能小説を書く目的の一つが、「私のいやらしい体験を小説にしたい(あるいはしてほしい)!」という欲求です。ダブル不倫体験や、推しに貢ぐために風俗に堕ちた体験など、「とてもドラマティックな経験をしたので物語にして残したい」と考えるのです。

 今はオンライン投稿サイトもあり、作品のアクセス数や感想コメントも得られるので、やりがいを感じるのでしょう。

 興味深いのは、SFなどと違い、官能小説は自分自身の体験を書きたいところから始まる人が多いようです。

私の「秘密」を告白したい!

 禁じられた恋や女性用風俗利用などの、誰にも言えない秘密を、そっとどこかに打ち明けておきたい。それが官能小説を書き始めるきっかけになった人は少なくありません。

 実体験がほとんどの私小説だとしても、話として面白ければ、もちろん問題はありません。

 書いた本人も、ずっと胸にしまっておいた秘密を明かせるので、スッとするようです(個人が特定されないよう、多少設定をボカしたほうがいいとは思いますが)。

私の「妄想」を発信したい!

 官能小説ではもちろん、実体験以外に自分のいやらしい妄想を発信することができます。

 たとえば「温泉の混浴風呂で知らない男の人とエッチなことになっちゃった」とか、「テニススクールのコーチと、シャワールームで抱き合っちゃった」とか、自由に、本能の赴くままに理想のシチュエーションを綴って発散できるのです。

 最初から妄想で書く人もいますし、最初は実体験を書いていて、次第に妄想を加えるようになる人もいます。

 女性たちが描く官能小説では「王子様のような理想的な男性に一晩中愛されまくる」という夢のようなシーンはあまり出てきません。そうしたものはTL(ティーズラブ)と言われるジャンルに集まっていると思われます。

内藤みか
記事一覧
作家
著書80冊以上。大学時代に作家デビューし、一貫して年下男性との恋愛小説を書き綴る。ケータイ小説でも話題に。近年は電子媒体を中心に活動。著書に「あなたに抱かれたいだけなのに」など。イケメン評論家として、ホストや出張ホストなどにも詳しい。
XInstagram

関連キーワード

ラブ 新着一覧


意中の彼にアピる! 技アリ女の「あけおめLINE」3選。友達→彼女になれた“きっかけの一言”
 あけおめLINEは、意中の彼と連絡を取る1つのきっかけ。でもそこで普通のLINEを送っても、会話がすぐ終わったり、数あ...
恋バナ調査隊 2025-12-28 08:00 ラブ
50歳夫が母のモラハラを認めないワケ。妻のストレスは“更年期”のせいだと思ってる?
「冷酷と激情のあいだvol.278〜女性編〜」では、これまではスルーできていた義母のモラハラ発言に苛立ちが募るようになっ...
並木まき 2025-12-27 11:45 ラブ
「さすが三流大学ね」義母、9年間のモラハラ発言がもう限界。44歳妻の訴えに夫は他人事…なぜ?
 男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人...
並木まき 2025-12-27 11:45 ラブ
「ブロックしたのに…」配信者女性に近づく“ネットストーカー”の恐怖。男が取った驚きの手段
 ネット社会が発展するにつれ、リアルなストーカーとはまた違う「ネットストーカー」という存在が増えつつあるといいます。ネッ...
内藤みか 2025-12-26 11:45 ラブ
「完全に重い女でした」46歳女性の懺悔。“お守り代わり”が男性を激怒させ…愚かさが招いた最悪の結末
 世の中、不倫の話題で持ちきりだ。2024年に実施された調査によると、既婚男性の約2人に1人、既婚女性の約3人に1人が婚...
蒼井凜花 2025-12-26 11:45 ラブ
やったー、親の「結婚は」攻撃を撃退できた! とっておきの反撃方法5つ
 年末年始の帰省は、家族との団らんが楽しみな反面、「そろそろ結婚は?」「いい人いないの?」という圧が飛んでくる季節でもあ...
恋バナ調査隊 2025-12-25 08:00 ラブ
30代、クリスマスは“ただの平日”になった。気楽だけど…胸の奥がキュッとするのは何故?
 クリスマスは恋人と過ごすべき特別な一日だった20代、そんな焦りは消えて「ただの平日」になったアラフォーの今。 気楽に過...
おがわん 2025-12-24 11:45 ラブ
彼氏よ、ごめん! クリスマスプレゼントを“即売り”した4つの理由。美顔器は家賃に消えました…
 街中がロマンチックなムードに包まれる中、フリマアプリでひっそりとクリスマスプレゼントが即売りされているのをご存じですか...
恋バナ調査隊 2025-12-24 08:00 ラブ
もう「恋人と過ごす=勝ち組」はやめない? クリスマスは“特別じゃなくていい”と気づいたわけ
 20代の頃、クリスマスは恋人と過ごすべき特別な一日だった。でもアラフォーになった今はちょっと違う? 大人になって変化し...
おがわん 2025-12-23 11:45 ラブ
【漫画】「僕のマーメイド」元夫から届いたポエムメールに絶句…なにこれ?『元夫から「ロミオメール」が届いた件について』#3
【『60点の夫婦でいいのに』あらすじ】 『あの頃、まだ若い僕たちはなにが真実の愛なのかもわからず、ただ彷徨っていたね…...
「もう友達には戻れない」30代女性が忘れられない冬の夜。ふたりの“関係が変わった”背徳感
 クリスマスが近づくと、ふと昔の恋を思い出してしまう人もいるのではないでしょうか。  今回はアラサー女性が大学時代...
おがわん 2025-12-22 08:00 ラブ
【漫画】バカはそっちだろ!新婚早々、目撃した“最悪”の現場『元夫から「ロミオメール」が届いた件について』#2
【『元夫から「ロミオメール」が届いた件について』あらすじ】 『あの頃、まだ若い僕たちはなにが真実の愛なのかもわからず、...
聖夜に冷めるわ!クリスマスを台無しにする呆れたLINE3つ。「プレゼントは俺」って言う男いるんだ…
 街中がイルミネーションに包まれて、ロマンチックなムードが高まるクリスマス。心ときめくメッセージが届くのを期待していたの...
恋バナ調査隊 2025-12-21 08:00 ラブ
「俺が損してる」妻の“だらしなさ”を叱るのはモラハラか? 帰宅拒否寸前、44歳夫のストレス
「冷酷と激情のあいだvol.277〜女性編〜」では、結婚2年目にしてモラハラ疑惑が浮上した夫と、離婚以外の方法で問題を解...
並木まき 2025-12-20 11:45 ラブ
「お前は犬以下だな」夫のモラハラ発言が耐えられない! 40歳妻がそれでも離婚を拒む“打算的な”事情
 男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人...
並木まき 2025-12-20 11:45 ラブ
【漫画】結婚は“ゴール”じゃない…バツイチ女が「恋愛不要」と言うワケ『元夫から「ロミオメール」が届いた件について』#1
【『元夫から「ロミオメール」が届いた件について』あらすじ】 『あの頃、まだ若い僕たちはなにが真実の愛なのかもわからず、...