東日本大震災・原発事故から14年…「福島・ダッシュ村」は今、どうなっているのか?
14年前の東日本大震災と東京電力福島第1原子力発電所の事故では、福島県浪江町の南津島地区にあった「ザ!鉄腕!DASH!!」(日本テレビ系)のダッシュ村も大きな被害を受けた。地震による家屋損壊はほとんどなかったが、原発から山一つ越えた“村”は放射能にさらされて、村民(TOKIO、スタッフ、愛犬、家畜)は避難、現在も帰還困難区域に指定されていて戻れない。今どうなっているのか。3月2日と9日の放送ではまったく触れられなかった。
「ダッシュ村に通じる道は、フェンスや鉄パイプのバーで通行止めになっています。帰還困難区域でも、住民は申請をすれば一時立ち入りができますが、ダッシュ村は居住者ではないので、なかなかOKは出ないようですね」(地元テレビ局記者)
ダッシュ村の耕作や番組収録に協力し、土地の所有者でもある元浪江町議が定期的に草刈りや家屋の修繕に入っているが、とても間に合うような状態ではないという。“村”は背丈ほどの雑草に覆われ、家屋は野生動物に荒らされ放題なのだろう。また、一帯は除染の見通しも立っていない。TOKIOは「必ず戻ってくる」とはいうものの、番組のチーフプロデューサーは「現実的にダッシュ村へ帰るのには、想像以上の時間がかかることも事実です」と語っている。しかし、TOKIOや番組スタッフの「ダッシュ村復活」の思いとは裏腹に、日本テレビの上層部は“廃村”を望んでいるのではないかという臆測もある。
「東京電力は日本テレビにとって大口のCMスポンサーですが、復旧できないダッシュ村を何度も取り上げるのは、当てつけのようだし、津島地区の住民の半数が東電と国に原状回復を求めて裁判中で、これを応援しているようにも見える。CM営業的にはダッシュ村はプラスじゃないですよね」(広告代理店テレビ担当営業マン)
放送でダッシュ村にまったく触れなかったのには、そんな“大人の事情”もあるのだろう。原発事故直後は「原発依存度を軽減する」と言っていた政府も、いまは「最大限活用する」に変わった。原発事故は風化し、ダッシュ村も忘れられてしまうのだろうか。せめて3.11の週ぐらいは、毎年、ダッシュ村の様子を報告してほしい。
(コラムニスト・海原かみな)
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