62歳の松本人志が試される“笑いの腕”…テレビ復帰は「ダウンタウンチャンネル」の成功次第?
吉本興業が8月20日、有料配信サービス「ダウンタウンチャンネル(仮称)」が11月1日にスタートすると発表した。吉本はすでにコンテンツファンドを組成し、国内外の企業から調達した数十億円を制作費に充てる。自己資金ではないだけに失敗が許されない中、注目されているのが「ダウンタウンチャンネル」の成否と松本人志(61)のテレビ復帰についてだ。
松本は一昨年末に「週刊文春」に報じられた自身の女性トラブルを「事実無根」として、昨年1月に芸能活動を休止し、発行元の文藝春秋と裁判で争ったが、昨年11月に松本は訴訟を取り下げている。だが、その後も復帰は暗礁に乗り上げ、活動休止状態が続いている。
「松本は活動休止中もダウンタウンチャンネルの準備を着々と進めていたといいます。それだけに企画内容には自信を深めているようです。一方、テレビは出演していた番組からの降板や終了が相次いだが、吉本側は松本のテレビ復帰を諦めていないといいます。先方から声が掛かれば、内容次第では応じる用意はあるようです」(スポーツ紙記者)
だが、松本が置かれた状況は決して良好ではない。24年12月に女性トラブルが報じられた中居正広氏が、今年1月に芸能界を引退。フジテレビに飛び火した中居氏の問題が完全に決着していないことが、松本のテレビ復帰を難しくしているとみられている。
「松本の女性トラブル報道の記憶がまだ新しい上に、中居氏の問題が立て続けに起こったことで、テレビ局側はより一層慎重になっています。松本の起用についてはダウンタウンチャンネルの成り行きと世間の空気を睨みながらになるでしょう」(前出・スポーツ紙記者)
ダウンタウンチャンネルは独自プラットフォームでスマホ、パソコン、テレビなどで視聴できるほか、月額課金制と発表されている。だが、松本と相方の浜田雅功(62)以外の出演者、具体的なコンテンツ内容や料金体系など全容が明かされていない。多くのファンは松本不在の空白を埋めてくれるものと期待が高まっているが、事業としての成功は未知数といえるだろう。
■月商1億円は固い?
「単独もしくはコンビによるトークやコントだけでなく、大喜利などさまざまな企画が盛り込まれるほか、2人が出演した過去の地上波バラエティーやドラマ、映画などもアーカイブ配信されるものと期待されています。ダウンタウン以外の出演者は千鳥、かまいたちといった吉本芸人のほか、他のプロダクションのタレントなどの声もあがっています」(お笑いライター)
成功のカギは、コアなファン以外の獲得と海外市場にかかっているだろう。国内で月額980円で10万人加入で月商およそ1億円と予想、試算するメディアもあるが、果たしてどうなるのか。
「ダウンタウンや松本のコアなファン以外は、お笑いファンなどが想定されますが、ダウンタウンの番組の平均視聴率を10%と仮定し、そのうちの10%程度が課金すれば、月収1億円以上の計算になります。最初はご祝儀や野次馬感覚で課金する人が相次ぐと思われますが、果たしてこれまでほぼタダで見られたものに“お金を払う”という壁を突破できるのか。『ドキュメンタル』や『FREEZE』がフォーマット販売や海外のテレビ局でリメークされ成功を収めたように、コンテンツや企画が海外販売されれば、海外での売り上げが大きく乗っかってくるでしょう。一定の成功は収められそうですが、プラットフォームからの離脱を食い止められるかなどはいかに面白いコンテンツをコンスタントに配信できるか次第ではないでしょうか」(前出・お笑いライター)
コアなファンからは、松本が出演するならどんな番組でも課金するという声が聞かれるが、コンプライアンスに厳しい昨今のテレビでは見られないような笑いを期待する声も非常に多い。活動休止から2年近くが経過し、今月8日で62歳になる松本の“笑いの腕”が錆びていないか、見ものだろう。
(本多圭/芸能ジャーナリスト)
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