旧ジャニーズ「紅白」復活の複雑事情…視聴率対策だけじゃない、NHKが抱える「不要論」という課題
今年の大みそかに放送される第76回NHK紅白歌合戦に「STARTO ENTERTAINMENT」のアーティストが出場する方向で調整していると報じられ、ネット上もザワついている。
ざっとおさらいしておくと、2023年9月、旧ジャニーズ事務所の藤島ジュリー景子社長(当時)が“性加害問題”を謝罪。その年の紅白は44年ぶりに旧ジャニ勢の出場がゼロに。
NHKは翌24年10月、被害者への補償と再発防止の取り組みなどが進んだことを理由に、旧ジャニ勢の新規出演を“解禁”したが、その年もゼロに終わった。
「今年はNHKが近日中に正式にオファーを出して、2、3組が出場するとも報じられています。旧ジャニ勢の3年ぶりの出場に加えて、来年5月末に解散する『嵐』が出るとなれば、視聴率がハネ上がることは間違いないでしょう」(スポーツ紙デスク)
22年は1部31.2%、2部35.3%だった紅白の世帯視聴率は、23年には1部で29.0%と初の30%割れ、2部も31.9%と、過去最低を記録(数字は関東地区=ビデオリサーチ調べ)。
「昨年は29.0%、32.7%とワースト記録更新は免れたとはいえ、盛り返したとは言い難い。旧ジャニ勢にすがってテコ入れしたい気持ちは分かります」(前出のスポーツ紙デスク)
もっともファンは《各グループごとの生配信が定着しつつあるし、有料配信すればそれだけでかなりの利益になるから、紅白に固執する必要性はなくなった》とか《容赦なく干しておいて、時間がたったら今度は自分たちのしたことは忘れて何事もなかったように紅白にオファーするの?》などとNHKに怒り心頭の様子。
「ジャニーズJr.がメインだった『ザ少年倶楽部』など、番組や出演を打ち切ったNHKには恨み骨髄でしょうが、それはガチのファン。旧ジャニ勢が紅白に出場すれば喜ぶライトなファンは他に大勢いますからね」と、番組制作会社ディレクターはさらにこう続ける。
「そもそも紅白は視聴率だけが問題じゃないんです。数字以前に《マンネリ》《前時代的》《選考基準が不透明》などと、低迷が報じられるたびに“不要論”がもたげてくる。かと言って、70年以上の歴史がある老舗の看板番組を、そう簡単には打ち切れません。制作費は民放の音楽特番の3~4倍以上とも言われますが、番組存続のためには、旧ジャニ勢をはじめ幅広いアーティストに出場してもらって、視聴率も上げて、ファンも喜ばせて批判を封じていく必要があるわけです」
昨年の紅白はB'zのサプライズライブで大盛り上がりしたが、果たして今年の大みそかは?
◇ ◇ ◇
今年のNHK紅白歌合戦をめぐるさまざまな思惑やタレントの明暗などについては、関連記事【もっと読む】【さらに読む】などでも深く掘り下げている。
エンタメ 新着一覧