“超年の差婚”で夫の死後に勃発する前妻とのトラブルとは?

神田つばき 作家・コラムニスト
更新日:2019-11-17 12:04
投稿日:2019-11-17 06:00
 遺産を相続するには、乗り越えなくてはならない3つの山があると言われています。それは「書類の山」「分割協議の山」「相続税の山」です。25歳上の夫が急死したA子さんですが、自分にも前妻にも子がいないため、分割協議の山はありませんでした。書類の取り寄せ、税務署への申告と相続税支払いは、夫をよく知る行政書士が引き受けてくれてホッとしましたが……。

自分のものにならない遺産のために7年間お金を払い続けた?

保険証書にあった名前は…(写真:iStock)
保険証書にあった名前は… (写真:iStock)

 まず相続するA子さんが妻であることを証明する戸籍謄本と印鑑証明書、これは簡単に取れます。

 大変なのは亡くなった人に関する書類です。生まれてから死亡するまでのすべての戸籍(改正原戸籍)が必要になるので、生きているあいだに本籍地が変わっている場合は、あちこちから取り寄せます。

 最後に死亡した証明になる除籍謄本も必要です。行政書士さんはこれらの作業をすべて行ってくれましたが、一つだけ想定外のことがあったのです。

貸金庫のなかに眠っていた前妻の名前

 銀行口座の相続手続きが済み、貸金庫を開けたときのことです。

 金庫から出てきた2千万円の生命保険証書を見てA子さんは驚きました。夫が入っていたのは、一生涯保険料を払い続けるかわりに、何歳で死亡しても保険金が支払われる『終身保険』です。

 掛け捨ての『定期保険』に比べると、月々の保険料は高いが死亡保険金が大きく、貯蓄性の高い保険です。ところが、死亡保険金受取人の欄に書かれていたのはA子さんではなく、前妻の名前だったのです。

7年間他人のために払い続けた保険料

「これって…妻が受取人っていう意味でしょうか?」と、A子さんは行政書士にたずねました。保険料は前妻が払っているわけではなく、A子さん夫婦の生活費の口座から引き落とされているのです。

 しかし、行政書士は「生命保険金の支払いは、基本的に証書の名前の人に支払われます。社長は、忙しくて書き換えを忘れていたのでしょう」と、申しわけなさそうに言いました。

 前妻のために7年間も家計の中から保険料を払ってあげたことを知り、A子さんの心中は複雑でした。

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