“クールでカッコいい”より“ザ・アイドル”が際立ったライブ
今年4月6日でデビューから4周年を迎える欅坂46。ちょうど1年前、3周年を祝う記念公演が行なわれ、クールなイメージの欅坂46にしては珍しくポップで楽しげ、なおかつ、おちゃらけた要素もあるお祭りのようなライブであった。平手友梨奈(18)は納得していなかったが、それでも、当時卒業発表後、初の正式なライブを迎えた長濱ねる(21)には特別な表情を見せていた――。
初日の生ライブと千秋楽のライブ・ビューイングを体感し確信したこと
2019年4月4日~6日の3日間、欅坂46の3周年公演「欅坂46 3rd YEAR ANNIVERSARY LIVE」は、長濱の卒業発表後初のライブにも関わらず、会場はわずか2700人収容の大阪フェスティバルホールだった(追加の武道館公演と区別のため、以下「アニラ大阪」。アニラはアニバーサリーライブの略)。
そのためか、3日目の千秋楽は全国の映画館でグループ史上初のライブ・ビューイングが行われることとなったが、筆者は初日はライブ会場、3日目はライブ・ビューイングで鑑賞。だからこそ、この2日間の違いはよく分かった。
初日の平手は明らかにライブに気持ちが入っていなかったように思う。表情は硬く、3周年のお祭りともいうべきポップな雰囲気にもダークモードが漂っていた。対して3日目の千秋楽では、何か吹っ切れたように笑顔があふれ生き生きとしていた。
当時のことを平手は、
“自分のため、グループのため、1回は必要だと思い、今回は初めてぐらいあまり演出・制作にかかわっていない”
“最初はうまいこといられなかったけど、これを超えれば次(追加公演として1カ月後に控えた初の)武道館をやれるって思えたからやれた”
などと正直に述懐している(「ROCKIN'ON JAPAN」19年6月号より抜粋)。
アニラ大阪では縦軸として多くのVTR演出が用意され、コミカルで面白おかしく仕立て上げられていた。披露する楽曲も全20曲中、約3分の1が平手抜きのユニット曲。それもかなり可愛い系のものに寄っていて“ザ・アイドル”らしいライブでもあった。
選曲の狙いには、“クールでカッコいい”欅坂の新しい側面を3周年のお祭りに持ってきたことがあるのかもしれない。だが、楽曲制作にもライブ演出にも妥協を許さない職人気質の平手が、アニラ大阪では初日から入れなかったのも無理はなかった。
それでも随所に平手センターの全体曲ではいつもの欅坂46らしさを見せ、この時の平手は前髪を左8・右2に分けたデコ出しヘア。相変わらずのガッツリ太い眉で超絶イケメンぶりは健在だった。
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