感染対策で別居生活に…コロナを機に妻に嫌われた夫の言い分

並木まき ライター・エディター
更新日:2020-06-07 04:16
投稿日:2020-06-06 06:00

妻から別居を提案されて

 そのうちに世間はコロナで騒がしくなり、妻から別居の提案を受けたOさん。

「Kは早くから在宅勤務ができるようになっていたのに、僕の職場はまったく平常どおりでした。通勤電車も混んでいたし、家にいるだけの妻と僕とでは明らかに感染リスクが違いましたね。それで『感染したくないから、リスクが高いあなたとは別居したい』と言われたときには、受け入れるしかありませんでした。

 もともと生活費も、僕が3分の1で、妻が3分の2を負担している関係なので、満足に家計も支えていないのに、確かにそれで妻を感染させたら嫌だなっていう気持ちもありました。ちなみに妻からは『もともと生活費もほとんど負担できていないから、これを機に仕事を辞めてもらって家にいてくれてもいいよ』とも言われたのですが、何のキャリアもない僕は、今の職場を辞めたらコロナが落ち着いたあとに再就職できないだろうなって思って、仕事を続けることを選びました」

コロナが落ち着けば家に戻れるはず

 今も、職場の近くの仮住まいで地味な生活を続けているというOさん。早く家に戻りたいけれど、自由にダラダラできる今の暮らしのほうが性に合っているのも感じているそうです。

「家に戻りたいけれど、戻ったらまた、きちんとした生活をするように言われてしまいますよね。僕は、みんなが当たり前にしているような掃除や洗濯も完璧にはできないし、どこかに夫婦で遊びに行ったりするのも面倒で、家でゴロゴロしてゲームしていたいんですよ。

 でも妻には絶対に理解してもらえないのもわかっているので、どうしたらいいのかなって悩んでいます。コロナを機に、妻には随分と嫌われちゃったな〜って感じですが、今はコロナのせいで妻のメンタルも不安定なんだろうって思います。だからコロナが落ち着けば、そのうちに家に戻れるだろうし、家では妻がガミガミ言うのをやり過ごせば。それで済むのかなって思っていますけどね」

 別居生活になっても、夫婦関係を楽観視しているOさん。しかし妻の思惑は、もっと複雑で……。

 恋人同士であれ、夫婦であれ、100%同じ価値観を有する男女は稀です。これこそが男女関係における醍醐味にもなれば致命傷にもなる“冷酷と激情”のはざまなのかもしれません。

並木まき
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ライター・エディター
元市議会議員・時短美容家(一般社団法人 時短美容協会・代表理事)の肩書きを有する。20代から見聞きしてきた魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様への分析を活かし、美容や恋愛に関するコラムを中心に、さまざまな媒体に寄稿。
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日刊ゲンダイ掲載「あの人は今」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/277865

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