大人の女性にも大事な行事…上巳の節句に「桃の花」で厄払い

斑目茂美 開運花師
更新日:2021-02-24 06:00
投稿日:2021-02-24 06:00

女の子のお節句とは?

 3月3日はご存知「桃の節句(上巳)」でございます。

「上巳(じょうし)」とは3月初めの巳の日のこと。この悪日に、川辺で不浄を水で祓(はら)った中国の風習と、「形代(かたしろ)」と呼ばれる人間の身代わりと一緒に厄を川に流す日本の風習がドッキングしたといわれております。

 古のころより日本では、草や木、紙でつくられた「人形(ひとがた)」を体に擦り付けたり、息を吹きかけたりして厄を人形に移し、海や川に流しておりました。

 大人になれずに夭折してしまう子供が多い時代に、立ち雛の前身である粗末な木や布で作った「天児(あまがつ)」(筆者注:男の子ね)や「這子(ほうこ)」(同:女の子ね)に穢れを移し、無事に我が子が成長することを祈って川や海に流したのが「流し雛」の始まりといわれているのでございます。そもそもは女の子だけでなく、男の子の穢祓いの儀式だったそうでございますな。

 いずれにしても目的が「禊の儀式」である節句には、「邪気払い」や「魔除け」の効果のあるアイテムは必要不可欠でございます。

 ではそれはいったい何なのか……。

女の子のお節句の必須アイテムとはなんぞや

 中国で邪鬼払いのために桃の花を盃に浮かべて飲んでいた「桃花酒」の代わりに、子供でも飲める「甘酒」、漢方薬の役割も果たす「菱餅」などもございます。

 そして最も大事なのは、もちろん「桃の花」。桃の節句でございますから、当たり前でございます。

 そもそも桃は、「魔除け」「長寿」をもたらす神聖な花とされ、桃の実は「不老長寿の実」だったり、邪気を追っ払うための武器になったりと、縁起の良い花木が桃とされた中国や日本の多くの神話やおとぎ話に登場してまいります。

 そういえば、桃から生まれた桃太郎が鬼を退治する、というあのお話。「古事記」から生まれたおとぎ話とのことでございますが、桃の化身が邪鬼退散させるのですから、一番馴染みのあるお話でございますわね。

「左近の桜、右近の橘」

 また、「不老長寿の実」といえば柑橘類の実である「橘」、「魔除け」といえば「桜」、どちらも桃の木同様、縁起の良い花木としてひな壇には飾られます。

 これは、ひな壇のモデルとなった京都御所「紫宸殿(ししんでん)」の庭先には魔除けとして桜と橘が植えられていることに由来しております。紫宸殿の側から見て左に桜、右に橘があり、宮中警護をしていた左近衛・右近衛が各々この木付近に配置されていたことから「左近の桜・右近の橘」とよばれております。

 子供のころ、ひな人形飾り担当のワタクシは「橘」や「桜」などモロモロを飾る場所がわからず、面倒臭さと相まって強制的に七段飾りを一段飾りにしておりましたが、それでも見た目判断で魔除けの必須アイテム「左近の桜・右近の橘」だけは奇跡的に飾っておりました。ワタクシの動物的勘の鋭さ、持ち合わせていてよかったですわ。

斑目茂美
記事一覧
開運花師
半導体エンジニアを経て花業界に転身。イベント・ホテルなどの装飾も手がける生花店を営む傍ら、コンテストで優勝・入賞を重ね、雑誌・新聞等に作品を発表する。神奈川各所にて花教室を開催。障害者支援も花で実践。悩ましくも素敵なお客様を「花」で幸せへと導く道先案内人。ブサかわ猫店長「さぶ」ともに奮闘中。Facebookやってます。

ライフスタイル 新着一覧


口癖は「うちの血が濃い」…義母の“幻想”を崩壊させた息子の行動。愛情の深さはDNAで決まるの?
 幸せなはずの結婚生活に影を落とす、姑との問題。令和の時代でも根強く残る嫁姑トラブルに直面したケースをご紹介します。
「夫のスマホを監視してます」円満なのは表面だけ? 実は怖~い“我が家の闇”7つ
 一見仲良し家族だけど、実は…という他人からは見えない家庭の闇。今回は、皆さんから寄せられた「我が家の闇」エピソードを紹...
「スケジュール管理ができない人」は一体何だというのか。運だけで生きてきた私に浮上した、ある疑惑
 踊り子として全国各地の舞台に立つ新井見枝香さんの“こじらせ”エッセーです。いつでも、いついつまでも何かしら悩みは尽きな...
「住職おくって」に爆笑! 恥ずかしいLINEの“打ち間違い”3つ。欲しかったのはそれじゃない泣
 急いでLINEをしなければならないときや考え事をしている最中にLINEするときこそ、文面はよーく確認したほうがよいかも...
「とめ子って可愛い」時代錯誤と笑われた名前が“レトロブーム”で大逆転。28歳女性が気づいた“流行”の儚さ
 キラキラネーム、シワシワネームなど年代によって異なる名前の傾向。名前が社会的ラベルになる現代では、名前を見ただけで性格...
【表現クイズ】江戸時代の“生理用品”、別名は「猿、馬、狐」どれでしょう(難易度★★★★★☆)
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「校閲婦人と学ぶ!意外と知らない女ことば」では、女性...
パワハラで限界…「帰ってきなさい」母の一言に救われた。永久保存したい感動LINE3選
 表情や声のトーンが分からないLINEでも、気持ちは伝わるもの。あなたが何気なく送ったLINEも、誰かに保存されているか...
もはや付録が本体では??「美ST」1月号の“現品リップ+糸リフト級マスク”で元が取れすぎる。
 今月も美STがすごい。2026年1月号特別版を買ってみました。特別版は1,150円ですが「定価1,540円の現品リップ...
スナックの良し悪しは「ポテトサラダ」で決まる? ホステスが確信する“自分に合う”お店選びの極意
 自分に合うスナック、ぜひ大人のみなさんには見つけていただきたい!  ただやっぱり好みは人それぞれなので、なかな...
5歳児がHIPHOPで“国会”を学べるなんて! 庶民の私が娘を「知育教室」に通わせたワケ
「みーちゃんも試験うけて高級なおりこうさん学校いくよ」――保育園年長の娘が突然の“お受験宣言”。庶民的な家庭に生まれ、高...
イカ耳で警戒中! まあるい尻尾の“にゃんたま”先生、相変わらずキュートだね♡
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
中年よ、大掃除はお早めに! 冷蔵庫掃除に悪戦苦闘…おばさんが陥った“経年劣化”によるワナ
 女性なら誰でも通る茨の道、更年期。今、まさに更年期障害進行形の小林久乃さんが、自らの身に起きた症状や、40代から始まっ...
私の子どもは見えてないの? 写真がない孫の存在…義母の“愛情の序列”を思い知った母の決意
 幸せなはずの結婚生活に影を落とす、姑との問題。令和の時代でも根強く残る嫁姑トラブルに直面したケースをご紹介します。
「ぴかるです」と言うたび笑われた…偏見だらけの社会でも“自分の名前”で生きる。22歳大学生の決意
 キラキラネーム、シワシワネームなど年代によって“名前”の傾向が異なります。名前が“社会的ラベル”になる現代では、名前を...
「プレゼント渡さないで」って知らんがな!ママ友クリスマスでの最悪エピ4つ。ミスるとぼっち確定?
 クリスマスまであと一カ月。これからママ友とクリスマスイベントをする予定がある方は、トラブル回避のために必見! 今回は、...