卑しさに絶句…そして後悔
Iさんが独身時代に買っていたマンションにMさんが引っ越してくる形で結婚生活はスタート。しかし、マンションにかかる費用もMさんは一切負担しようとせず、毎月10万円の生活費を家に入れるだけで、あとは知らん顔だったそうです。
「40代で、人並みに働いている夫が家庭に入れる生活費としては、ちょっとないな……って思ってきました。
さらにMは、あるときに飲食代や文具の領収書を渡してきて『これ、Iの会社の経費から精算してくれる? どうせ会社のカネでしょう?』って言ってきたんです。
この発言を聞いて、一気に愛情が冷めただけでなく、この男はこんなに卑しい根性の持ち主だったのか……と情けなくなりました」
「会社のカネ」という表現そのものも腹立たしかったものの、その“会社”を軌道に乗せるまで死に物狂いで働いてきた自分やスタッフの気持ちを踏み躙られた気持ちになったというIさん。
「金額ではなく、根性の問題」で、こんな夫と結婚した自分を心底、後悔したとのことでした。
相手の本性を見抜く難しさ
「それから2年の月日が流れていますが、私はその発言を一日たりとも忘れたことはありません。その発言があってから、私は『こんな人の妻として、法律上の責任も負いたくないし、もしも自分が先に死んだとしたら、私の資産がこんな夫のもとに相続されるのか……』と思ったら、絶対にイヤだという気持ちになりました。
だから、いつかは法律的な夫婦関係を解消したい、100歩譲っても、この人とは事実婚まで。できれば別居もしたいとずっと思ってきました」
コロナ禍に突入したことで、しばらくは物事を動かさずにいたというIさん。しかし、コロナ禍が長引いていることもあって、「ダラダラしているうちに時間ばかり過ぎるし、そろそろシロクロはっきりさせなくちゃ」という気持ちになったのだそうです。
そして、夫に法律婚から事実婚への変更を提案。しかし、夫から「それなら普通に離婚する」と告げられたので、離婚にいたりました。今では、もうMさんとは連絡をとっていないそうです。
「おかげさまで、かなりスッキリしました」と笑顔で語るIさん。「Mが離婚に応じてくれないと思っていたので、せめて“事実婚”って提案しただけだったので、すんなり離婚してくれたことには感謝しています。
結婚前に、相手の本性を見抜くのって本当に大事。私は過去にも一度結婚に失敗していますので、これでバツ2になりましたけど、入籍前に相手の“本当の姿”を知るのって、つくづく難しいなと痛感しています」
◇ ◇ ◇
恋人同士であれ、夫婦であれ、100%同じ価値観を有する男女は稀です。少しのすれ違いが、大きな溝に発展することも少なくないのが異性間における現実でしょう。まさにこれこそが、男女関係における醍醐味にもなれば致命傷にもなる“冷酷と激情”のはざまなのかもしれません。
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