同居した途端…夫への愛がないことを悟ってしまった妻の決断

並木まき ライター・エディター
更新日:2021-05-08 05:56
投稿日:2021-05-08 05:20

知らなかった夫の一面

「一緒に暮らし始めて1週間ほど経ったときから、なんだか居心地が悪くて……。夫とは海外旅行で10日間一緒に過ごしたことはあったけれど、“日常生活を送る”という意味では、せいぜい2、3日しか共にしたことがなかったんです。

 一般的な夫婦は、新婚当初から普通に一つ屋根の下で暮らしているのもわかっているのですが、どうにも居心地が悪く、お互いにイライラが止まらなくなって、一緒に住んで10日も過ぎた頃には口論しかしなくなっていました」

 口論が勃発する原因には、夫の収入が激減したことによる経済的不安も原因だったと分析しているJさん。しかしそれ以外にも、夫があまりにも家庭運営に無関心なだけでなく、Jさんの一挙手一投足に意見をしてくるのが、大きな負担だったそうです。

「夫は放任主義なのかと思っていたのに、とんだ誤算で……。むしろ私が何をしているのか、いちいち観察して、そのやり方にも意見をしないと気が済まないようでした。

 もともと干渉してくるタイプの男性が苦手だったこともあり、そんな夫との生活を1ヶ月も続けたら、私は体調を崩してしまって……」

 Jさんは夫がいるだけで嫌悪感を覚えるようになり、顔を見ると身体が熱っぽくなるだけでなく、蕁麻疹まで出るようになってしまったのだとか。

「これでは、まともな生活が送れない」と思ったJさんは、意を決して夫にそのことを打ち明けました。

スペックありきだった結婚生活の終焉

「ところが夫は『ふーん』と言うだけで、深刻に捉えてくれないんです。『君の気にし過ぎなんじゃないの』などと冷たい口調でも言われました。

 そして、その後からはさらに夫の態度は冷たいものに変わり……。いわゆる“モラハラ夫”になったんです」

 コロナ禍で自由な外出を控えている時期だけに、そんな夫から逃れてストレスを発散しようにも上手な方法が見つからなかったと口にするJさん。あるとき「もう、離婚したい」と結論が出ます。

「一緒に住めないから離婚したい、なんて我ながら身勝手な理由だとは思いました。だけど、誰もがコロナに感染してもおかしくない状況の今、私はそんな夫からうつされるのだけは勘弁だって強く思ってしまったんです」

 コロナ禍は、人間関係において潜在的に存在していた課題をあぶり出すと言われているだけに、パートナーへの愛情における「モノサシ」になってしまったという話も散見されます。Jさんも、そんなひとり。まさか自分が“コロナ”をモノサシに夫への愛情がないことを思い知るなんて、想像もしていなかったそうです。

「多分、もともと夫のことはそこまで愛していなかったんだと思います。スペックで選んだからこそ、非常事態を一緒に乗り越えることができなかった。パートナー選びに失敗しました。

 だけど夫には、その事実は酷すぎるので、伝えません。ただ“離婚してほしい”とだけ伝え、了承してもらったところです。でも、いざ離婚となっても具体的な話になっていなくて、中途半端に時間ばかりが過ぎていますので、夫はひょっとしたら離婚したくないのかもしれませんね」

 現在、離婚の諸条件を話し合っている最中だというJさんと夫。しかしJさんの望むようには離婚話が進んでいません。その本当の理由とは? ……次回に続きます。

並木まき
記事一覧
ライター・エディター
元市議会議員・時短美容家(一般社団法人 時短美容協会・代表理事)の肩書きを有する。20代から見聞きしてきた魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様への分析を活かし、美容や恋愛に関するコラムを中心に、さまざまな媒体に寄稿。
Instagram公式HP

日刊ゲンダイ掲載「あの人は今」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/277865

関連キーワード

ラブ 新着一覧


不倫も人生経験、不倫してよかったと語るツワモノたち 一体何を学んだ?
 誰もが「不倫はいけない恋愛」と思っているでしょう。でも「不倫してよかった」「不倫も人生経験の1つ」と考えるツワモノもい...
恋バナ調査隊 2023-11-30 06:00 ラブ
あなたは何のため? 女性が入籍・結婚を望む5つの理由を考えてみた
「大好きな人とずっと一緒に過ごしたいから」「子どもが欲しいから」などなど、結婚したい理由は人それぞれ。あなたが結婚したい...
恋バナ調査隊 2023-11-29 06:00 ラブ
男の「よく食べる人が好き」発言に裏ナシ? “食好き女”アピる前に読んで
「好きな女性のタイプは?」という質問に対して、「よく食べる女の子が好き!」と答える男性って結構いますよね。でも、その言葉...
恋バナ調査隊 2023-11-28 06:00 ラブ
家事をしない夫への「プチ仕返し」私ばっかりしんどいの、おかしくね?
 男女平等が常識になってきた現代ですが、まだまだ男女の差は存在します。その差が特に顕著なのが家庭の中。夫婦共働きであるに...
恋バナ調査隊 2023-11-28 06:00 ラブ
現在イイ感じの彼に「過去の恋愛」どこまで話す? 許容範囲はどこ
 男女が距離を縮めていく中で、話題になりやすい内容といえば“過去の恋愛”。ですが、「どこまで話していいのか……」と、迷っ...
恋バナ調査隊 2023-11-27 06:00 ラブ
「一生独身でいいかも…」推し活で満足する40代独女の心理とよぎる心配
 好きなキャラクターやアイドルなどを追いかけて応援する「推し活」。40代独女の中には最近では「推し活」だけで満足してしま...
恋バナ調査隊 2023-11-27 06:00 ラブ
スイカから保険金殺人に発展!? 夫が戦慄する妻の「ヒス構文」LINE3選
 皆さんは「ヒス構文」を知っていますか? 「ヒス構文」とは、お笑い芸人のラランドさんのネタから生まれた言葉で、ヒス...
彼の人間性を疑ったあり得えない4つの言動、不信感を抱いた感覚は大事に
 彼氏や夫の言動に「そんな人だったの?」と引いた経験はありませんか? 人間性を疑うほどの出来事があると、大好きだった彼へ...
恋バナ調査隊 2023-11-26 06:00 ラブ
「入籍は餞別みたいなもん」30男が非モテ系彼女とのケジメ婚に悩むウラ
「冷酷と激情のあいだvol.170〜女性編〜」では、交際2年目で同棲をしている恋人が、風俗通いや浮気をすることに悩む理奈...
並木まき 2023-11-25 06:00 ラブ
風俗に職場女性とねんごろ…それでも年下男と別れられない34歳女の悲哀
 男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人...
並木まき 2023-11-25 06:00 ラブ
恋愛ライバルが少ない「出会いの穴場」は? おすすめの趣味&業界
 良い恋愛をするには、素敵な男性と出会う必要があります。でも、現実には素敵な男性は彼女がいたり、既婚者だったりとなかなか...
恋バナ調査隊 2023-11-24 06:00 ラブ
別居中の夫と復縁する方法…3カ月以内ならあり?チェック方法&きっかけ
 夫婦関係がうまくいかなくなった時、すぐに離婚するのではなく一旦別居する夫婦は多いですよね。でも、いざ別居すると相手の存...
恋バナ調査隊 2023-11-24 06:00 ラブ
マッチングアプリの既婚者男性、真の目的と女性が騙されない有効策を聞く
 恋活系マッチングアプリといえば、ほとんどの人は独身男女が恋人を見つけるために使うものだと考えるでしょう。けれど、その中...
内藤みか 2023-11-23 06:00 ラブ
適齢期ではあったけど…私が「元彼と結婚しなかった理由」
 アラサー・アラフォーになると、結婚を視野に入れた恋愛をする人がほとんど。そのときに交際している彼がいたら、彼との結婚も...
恋バナ調査隊 2023-11-23 06:00 ラブ
今どきは普通かも? 自分から彼にプロポーズする3つのメリット&注意点
 同棲中の彼がなかなかプロポーズしてくれないと悩んでいる人は多いですよね。女性は、妊娠出産などもあるので年齢は気になると...
恋バナ調査隊 2023-11-23 06:00 ラブ
知ってた?“オモシレ―女”が恋愛対象にならない理由と脱却法
「いつも友達以上にはなれない」 「なんで私は、いつも“いい人”で終わるの?」  彼氏が欲しいと思っていても、恋愛...
若林杏樹 2023-11-22 06:00 ラブ