素直に言えない感謝の気持ちを「カンパニュラ」に込めて

斑目茂美 開運花師
更新日:2021-05-19 06:00
投稿日:2021-05-19 06:00

「カンパニュラ」ってどんなお花ですか?

 日本では「風鈴草」とも呼ばれるカンパニュラは、南ヨーロッパ原産の釣鐘型をしたお花でございます。

 白やピンク、濃淡の紫色などのたくさんのお花を一本の茎につけ、花形はまるでベルのような形をしていることから、ラテン語で「Campanula(小さい鐘)」を意味する名前がつけられました。

 実は、名前がいろいろございます。たとえば、形状から「ベルフラワー」。カンタベリー寺院を目指して巡業する巡礼者の鳴らす鐘に似ているから「カンタベリー寺院の鐘」、ヴィーナスの鏡に似ているから「ヴィーナスの姿見」、お寺の釣鐘に似ているから「ツリガネソウ」。カンパニュラの一種で日本に自生している「ホタルブクロ」に似ているから「西洋ホタルブクロ」など、ひょっとしたら"あだ名”に近いものまであるやもしれません。

 一口にカンパニュラといっても、さまざまでございます。およそ300種類を越える品種の多さですので、ワタクシのような花屋であっても「え! これカンパニュラ!?」という面構えのものもありますが、今回は切花として一般的に花屋に流通しているカンパニュラにフォーカスさせていただきます。

花言葉「感謝」の由来とは…

 ギリシャ神話に登場する、若く美しいニンフ「カンパニュール」は、オリンポスの果樹園になる「金のりんご」の番人でございました。

 ある日、「金のリンゴ」を盗もうと、オリンポスの果樹園に侵入してきた若い兵士により殺されてしまいます。

 翌朝、百の目を持つ番人頭ドラゴンが、曙の光の中で銀の鈴を握り締め、息絶えているカンパニュールの亡骸を発見します。花の女神フローラは銀の鈴で助けを求めたカンパニュールを哀れみ、「感謝」の気持ちをこめて彼女を鐘の形をした花に姿を変えた……というギリシャ神話がございます。

 カンパニュラの花言葉「感謝」「誠実な愛」は、このギリシャ神話が由来してのことでございます。

 そんな花言葉から、カンパニュラは感謝の気持ちを伝えたい恩人や恋人に捧げるお花として知られております。清楚で優しいお色と花姿で、見る者に安らかな気持ちを呼び起こさせてくれる不思議なお花でございます。

 カンパニュラと白いカスミ草の花束は、見た目でもベストマッチな組み合わせではありますが、花言葉「感謝」の意味を持つカスミ草の、すべてのものを清らかに浄化する白い色と相まって、さらに相乗効果でアナタの偽りない素直な感謝の気持ちを伝えてくれるのでございます。お試しあれ。

カンパニュラのおススメの飾り方

 カンパニュラは素朴だけれど、凛とした高貴な雰囲気が漂うお花でございます。ほかのお花と組み合わせてもよいのではございますが、カンパニュラ単品一本だと高貴なイメージ、一輪だと可愛らしいイメージで楽しめます。

 そこで手軽でおトクな飾り方がこちら↓

 スーパーや花屋のお得セット商品で売られているカンパニュラを見つけたら、ぜひゲットしてくださいませ。

 一本にたくさんのお花をつけたカンパニュラは、一輪挿しにポンといれても十分楽しめるのではございますが、花瓶の高さに合わせて入れるとき、下についているいくつかの花をどうしても取り除かなければならない場合がございます。取り除いたお花は、もちろん捨てずに使い切りましょ。

 小さなグラスやフラワーベースに入れてもよいですが、使わない大きめのグラスやワイングラスがあったら、グラスの中に収まるように入れてみても可愛い。

 お水を浅く張って数輪入れたり、あるいは、カスミ草のようなフワフワしたお花とセットで売られていたらラッキー! カスミ草を花留めにグラスの中に埋めて、短く処理したカンパニュラを差し込めば、アナタの配置したい場所にお花がとどまってくれます。

 きちんとお掃除した玄関やリビングに飾れば、高貴で優しい色のカンパニュラが、アナタを穏やかで安らかな気分にさせてくれることが期待できますわよ。お試しあれ。

カンパニュラのもう一つの花言葉

 カンパニュラのもう一つの花言葉は「後悔」でございます。

 もしも普段お世話になっている大切な家族や恋人に謝らなければならないことがあるのなら、そっとお部屋にカンパニュラを飾ってみてはいかがでしょうか。

 余談ではございますが、365日仕事ばかりで妻らしいことができないワタクシ。すっかり家事がうまくなってしまっている夫に、素直に「すみません」が言えないので、君に届け!と思いながらカンパニュラの季節には小さなグラスに入れて、チラチラ見えるところに飾っております。

 たいして叱られずにおりますので、届いていると信じたいワタクシなのでございます。

 優しいカンパニュラの鐘の音がアナタの感謝の気持ちを大切な人に届けてくれますことを……遠いお空の向こうからお祈りしておりますよ~。

斑目茂美
記事一覧
開運花師
半導体エンジニアを経て花業界に転身。イベント・ホテルなどの装飾も手がける生花店を営む傍ら、コンテストで優勝・入賞を重ね、雑誌・新聞等に作品を発表する。神奈川各所にて花教室を開催。障害者支援も花で実践。悩ましくも素敵なお客様を「花」で幸せへと導く道先案内人。ブサかわ猫店長「さぶ」ともに奮闘中。Facebookやってます。

ライフスタイル 新着一覧


オラ東京さ行くだ! 住んでいる人しかわからない…田舎の嫌なところあるある6選
「都会暮らしはせわしなくて疲れた! 田舎に住みたい!」このように感じている都会住みの方々、多いのではないでしょうか。でも...
「SDGsな散歩」の楽しみ方。クリスマスリースや季節のスワッグ作りに役立つ“お宝”街路樹3種
 日中は暑くてエアコン、夜は軽く暖房をつける不思議な秋ですが、お散歩がグッと楽な気候になりました。今回は「お宝の横を素通...
「私は一応慶応卒」学歴マウント炸裂!ママ友から届いた地獄LINE6選
 子育て中の女性が避けて通れないのが「ママ友との付き合い」ですよね。中にはドン引きするようなマウント女や、辛辣な物言いを...
10年分のカネの流れが怪しい。会員数が集まり⼤喜びしたのもつかの間…
 本コラムは、地元の“幽霊商店会”から「相談がある」と言われ、再始動の先導役を担う会長職を拝命することになったバツイチ女...
円満退職に必要な最低限のマナー6選、「立つ鳥跡を濁さず」は社会人として当たり前!
 終身雇用の時代は終わり、今では6割の社会人が転職経験ありだというデータも出ています。読者の皆さまのなかにも、「転職しよ...
更年期、それはある日突然に…45歳女の体が『倦怠感で満タン』になった
 女性なら誰でも通る茨の道、更年期。今、まさに更年期進行形の小林久乃さんが、自らの身に起きた症状や、40代から始まった老...
生理前を穏やかに過ごすご機嫌アロマ術【調香師が解説】タイプ別おすすめの香り・精油・香水は?
 女性の体は生理が近づくとホルモンのバランスが崩れ、精神的なイライラや落ち込みに加え、むくみや便秘、疲れやすさなど、PM...
兄弟姉妹なのになぜ不仲? 怒る前に知っておきたい原因5つと対応策3つ
 子育てをしていると、兄弟姉妹の不仲に悩む人が多いですよね。一体何が原因なのでしょうか? また、自身が親になっても兄弟姉...
思わず二度見!『バブ』新商品・MEGA級のボコボコ泡の実力は? 自宅の風呂がジャグジーになるのか
 話題のコスメや、広告でよく見かける化粧品や日用品。「webでよく見るあの商品、本当にイイの? 」「買ってみたいけれど、...
手のぬくもりとともに
 自然と手を合わせるときの気持ちって、  みんな、おんなじだよね。
実りの秋! 澄みわたる青空の下“たまたま”狩りに出かけませんか?
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
女と水がいっぱいだ…『娑婆』は何て読む? ヒント:「娑婆はいいな」
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
ほっこり癒し漫画/第83回「迷いインコ歌をうたう 前編」
【連載第83回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、「コクハク」に登場! 「しっぽのお...
中目黒「ダコー」はまだ大混雑? 代官山「無印良品」新店はオサレな店員さんだらけだった!【秋の東京散歩】
 8月のオープン時には話題を呼び、大行列をなしていた中目黒のパン屋「ダコー(dacō)」。あれから2カ月が経ち、やっぱり...
下世話な仕事がバレた? 夫や息子の「意外な反応」で主婦が気づいたこと
 大崎の高層マンションに暮らす華は、テレビ局に勤める夫・大輔と二人の子供に囲まれ悠々自適な専業主婦生活を送っている。毎日...
地味な女に負けた? 夢を諦めた“こたつライター”の「プライド」が砕かれるまで
 大崎の高層マンションに暮らす華は、テレビ局に勤める夫・大輔と二人の子供に囲まれ悠々自適な専業主婦生活を送っている。毎日...