プラネタリウムはいつからカップルスポットになったのか?

内藤みか 作家
更新日:2019-03-28 19:31
投稿日:2019-02-22 06:00
 ふっと星空を見上げてぼうっとしたい。仕事に疲れた時、人は、星を求めることがあります。以前は、たったひとりでプラネタリウムに行くこともありました。でも、最近、行きづらいんです。なぜなら、あちこちのプラネタリウムに、いつのまにやらカップルシートが設置されていて、星空と一緒にリア充な人たちまで眺めなくてはならなくなってしまったから……。いったいいつからプラネタリウムはこのようなことになってしまったのでしょう?

カップルシートが前方に!

 都会の人間が星空を見たくなったら、プラネタリウムに行くしかありません。けれど、雑念を払うために空を眺めようとしているのに、前のほうのペアシートでカップルがぴったりくっついていたら、いやでもそれが目に入ってしまいます。そしてうらやましさのあまり、私の脳内に邪念が! これではリフレッシュできないではありませんか。

 というわけで、最近プラネタリウムには行っていません。悔しいから誰かイケメンを誘って私もリア充ごっこしてやる、と思ったこともあるのですが、恋人ではない人と行って手をつなごうとしたらセクハラだといやがられちゃうかもしれないし、結局はペアシートにいても、身も心もひとりです。これじゃあまりにもせつないではありませんか。

寝転がっての星空デート

 なぜかプラネタリウムのカップルシートは前のほうにあるんです。もちろん後ろのほうにひっそりと存在する時もありますが、最近のものは前方にあることが多く、どうしてもカップルが目に飛び込んできます。しかも前方にあるのは、シートやソファーの上に2人で寝転がって星空を眺める感じのロマンティックなもの。手をつなぎながら見るカップルも多いのだとか。いいわね。さぞかしふたりのムードは盛り上がるでしょうね。

 前はこのようなシートはなかったと思うのですが、昨年あたりから寝転びタイプのシートが増えてきています。カップルだけでなくて子連れの人が座ることもありますが、基本的にはやはりそこにいるのはカップル。彼らは前々からペアシートを予約して、この日を楽しみにいらっしゃるのです。そうして幸せな人用の特等席で寝転がっている彼らを、そのような幸福に有り付けていないかわいそうな自分は、後方シートで、場内が暗くなるまでは耐えなくてはならないのです。暗くなっちゃえば彼らの姿は視界に入らないので、もう好きにしていいんですけどね。

ぼっちがプラネタリウムを楽しむために

 そういえば、カップルが盛り上がるキラキライベントといえば、ほら、イルミネーションですよ。カップルは暗くてキラキラしたもんが好きなんでしょう。そんな彼らを祝福するかのようにライトアップされテーマパークや水族館なども夜間営業されるようになりました。インスタ映えブームも重なり、キレイに撮れるスポットは大人気なんです。プラネタリウムのカップルシートもそうしたキラキラ感で生まれたサービスなのでしょう(写真は撮れないけど)。いいでしょう。幸せな人がより幸せになるデートスポットはもちろん必要です。私だってイイ人ができたあかつきには、行ってみたいものです。

 でも、今は、ひとり。ひとりでプラネタリウムに行きにくくなってしまった、そんな私にも星空を与えたまえ。そして私は見つけました! もしかしてあるんじゃないかと検索したら、あったんです! VRゴーグルで眺めるプラネタリウムアプリがあったのです! そうです。世界は仮想現実真っ盛り。星空だって立体映像で見ればいいじゃないですか。

 すでに購入してあった3万円のゴーグルを装着し、アプリをスタートさせると、そこには想像以上にリアリティある星空が! ああ、私、今、360度キラキラに囲まれているわ! 周囲の建物の影までもが忠実に映され、私の体はサワサワとそよぐ草むらの中。そうよ! 私は大地に寝転がって星空ひとりじめよ! なんて開放的なんでしょう。どこまでも遠く星空が続いていくかのような深みのある映像が堪能できてしまいました。そんなわけで私はしばらく自宅プラネタリウムを楽しんでおくことにします。アプリとゴーグルを買ってしまえば、もうそれ以上は観覧料も現地までの交通費も移動時間もかからないし、結構オトクだと思いますよ。

内藤みか
記事一覧
作家
著書80冊以上。大学時代に作家デビューし、一貫して年下男性との恋愛小説を書き綴る。ケータイ小説でも話題に。近年は電子媒体を中心に活動。著書に「あなたに抱かれたいだけなのに」など。イケメン評論家として、ホストや出張ホストなどにも詳しい。
XInstagram

ライフスタイル 新着一覧


台無しなんですけど!家族旅行なのに「夫のイライラ言動」と4つの予防策
 世の女性の中には、せっかくの家族旅行中、「夫のイライラする言動」によって、楽しい雰囲気が台無しになってしまうケースも…...
“頑張り屋のメンヘラ”が「セルフラブ」という人生の処方箋を知りました
「セルフラブ」という考え方は、確実に私の人生に大きな影響を及ぼしています。  セルフラブについて学び始めた時「世界...
【にわか呑み鉄】電車とビール好きにたまらない「流鉄BEER電車」に参戦
 さる9月2日(土)、千葉県流山市で「電車好き」と「ビール好き」垂涎の1日限りのイベントが開催されました。  通常は入...
かつて入り浸った店も 横丁の思い出も時代と共に変わってゆく
 昼間の細い路地を軽装の観光客が闊歩する。  誰かにとってはノスタルジーでも、また違う誰かにとっては新鮮に映るんだ...
にゃんたま写真の成立には“たまたま”への愛のピントがマスト
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
「才色兼備」は女性だけに使われる不適切表現?
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
ずーっといい子ちゃんとか無理!「笑える悪口LINE」で上手に息抜きを
 友達や同僚から人の悪口を聞かされたらあまり良い気分にならないでしょう。でもそれがユニークな悪口だとしたら、思わずクスッ...
ほっこり読み切り漫画/第57回「隣りの芝生はオーノー」
【連載第57回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、突然「コクハク」に登場! 生きものたち、...
これって良心ですか、マウントですか?「おまいう」説教LINE3選
 説教をされて、いい気分になる人はあまりいませんよね。でも、いつもどこか偉そうで、何かと説教をしてくる人はいるもの。 ...
相棒のぬいぐるみは無理! 大人になっても捨てられないもの6選と対処法
 物や情報に溢れた現代では、断捨離やミニマリストに憧れる人が多いですよね! でも、大人になってもどうしても捨てられないも...
40代で振り返ると納得!いろいろあった人生の転機、思い出してみない?
 人生の転機とは、その時には気がつかず、後になってから「転機だった」と気がつくもの。特に40代を過ぎると、人生の前半を振...
今年はお日様が大きく見える そろそろ落ち着いてくれるかな
 この数年で男性の日傘がすっかり定着したのも納得の暑さ。  日陰に逃げても、どこまでも太陽に追いかけられている気が...
記事読んだらソワソワ♡ 予定がない週末は寝溜めより楽しい6つのことを
 子どもの頃は暇さえあれば遊んでいたのに、大人になると週末は「予定もないし、寝溜めしておくか〜」と何もしない1日を過ごし...
人生これで正解? “30代からの思春期”ミッドライフクライシスに勝つ法
 大人のみなさん、「私の人生、これで良かったの?」と考えて不安になる時はありませんか? そしてその不安、名前がついている...
マジで買ってよかった! 猛暑に活躍&まだまだ使い倒す涼感アイテム3選
 8月の東京はなんと31日連続真夏日! いやー、暑かった。9月になったらちょっとは涼しくなるかなと思いきや、まだまだ厳し...
モフらずにはいられない!無防備すぎる“たまたま”にメロメロ
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...