嵐の公演でも問題に…顔認証システム、本人確認のリアルな実情
ただ、こうしたランダムの「本人確認」はこれまでのところ転売の根絶にまでは至っていない。転売ヤーは「本人確認」に対抗するため、取引でチケットは買い手がつきやすい「女性名義」であることを強調したり、身分証を一時的に購入者に貸し出せることも併記しつつ「現地取引可」などと細かく条件が明示されているものもあり、本人になりすましてのすり抜けが横行しているのだ。
また過去に数十万円の転売が問題となってきた嵐の公演では、最終手段の「顔認証システム」による「本人確認」を行ったが、高度な精密機械を使用したものではなく、スタッフによる目視で、別人なのにあっさりすり抜けられたり、本人なのに別人と疑われるなど荒さが目立った。中には他人名義とバレないように顔を歪ませ「転んで顔を打ってしまった」などと別人になりすまし「顔認証」を突破した猛者もいたようだ。
ジャニーズJr.の公演でも問題ぼっ発
さらに大きな問題となったのが先月のジャニーズJr.の公演だ。「本人確認」を身分証で丁寧に行った結果、本人である証明ができず弾かれたファンで溢れかえり、公演開始5分前まで会場内がガラガラで会場の外の方が“密”になってしまうという珍事が起きた。
運営は急遽「本人確認」を諦め、その場にいたチケットを持つすべてのファンを一気に入場させ、場内が埋まるまで公演開始を遅らせることになった。これを知った“最初の方に弾かれ帰らされた組”が激怒する事態にまで発展してしまった。
ジャニーズ痛し痒し 取り締まりの厳格化は困難
ジャニーズが高額・悪質転売を取り締まりきれないのは人手不足もあるだろう。一方で、あまり厳密にやりすぎると、転売での入手もしくは家族・友人名義での複数申込みによる当選など本人のチケットを持たないファンが多すぎるため、「本人確認」を本腰を入れ行うことができないのではないだろうか。
福山雅治(52)やももいろクローバーZなど、他の一部有名アーティストが高性能精密機械で顔認証をしていたのに対し、財源豊富と思われる嵐のライブですら目視で行われていたのなら、「顔認証による本人確認ありますよ」という牽制の意味合いが強かったのかもしれない。
ジャニーズが本気で顔認証をしたら、メンバーも悲しむ空席だらけの公演になってしまうだろう。そうならないためにも、買う側のファンの自制心が求められそうだ。
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