「束縛じゃないの?」の言葉に幻滅
何度かタダシさんに対して「もっと自分の身の回りのことを、きちんとマメに伝えてほしい」とお願いするも、改善が見込めないことから、咲恵さんの不満は大きくなる一方だそう。
「タダシに私が何かを言うと『そういうの、束縛じゃないの?』って面倒そうに言ってくることもあります。パートナーの最新状況を把握しておきたいっていうだけだから、束縛じゃないですよね!?
そういう物の捉え方しかできないタダシにも幻滅です。
私はもう40歳を過ぎているし、むやみな束縛なんてしません。ただ、信頼関係をつくるにあたっては、自分の状況や考えていることなどを細かく伝えることが基本だと思っているだけなんですけど」
一緒に生活する日々を続けていきたいけれど、パートナーが今、どんなことに関心があってどんな人とよく会っているのかもよくわからないのは、不安や不満が募ると言う咲恵さん。
そういった本音をパートナーに直接ぶつけても、理解してくれないうえに態度を変えてくれないことが疑問だそうです。
思いやりで行動を改めて欲しいのに
「タダシは行動するときに、自分が納得しないと無理ってタイプではあるけれど、そもそも恋人である私が『こういうやり方はイヤだ』って伝えているんだから、理屈じゃなく、思いやりで行動を改めてもらいたいですよね。
私が逆の立場だったら、迷いなくそうしますよ。
なのに、タダシがなぜ多くのことを自分の中だけで完結させようとするのか、まったく理解できません」
このまま不安や不満ばかりが募り続ける日々が続くのは、なんとかして避けたいと考えている咲恵さん。しかしその深刻な悩みが恋人であるタダシさんに届いている様子はないことで、モヤモヤした気持ちが大きくなっているところです。では、タダシさんはこのような日常について、どう捉えているのでしょう?「冷酷と激情のあいだvol.59 〜男性編〜」に続きます。
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